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2014/10/22 09:00 更新

事件番号平成18(ラ)27
事件名市町村長の処分に対する不服申立却下審判に対する抗告
裁判所東京高等裁判所 第17民事部
裁判年月日平成18年9月29日
結果その他
原審裁判所東京家庭裁判所
原審結果却下
事案の概要本件は,抗告人らがこれを不服として,抗告した事案である。
判示事項1  法律上の親子関係の確定を内容とし対世的効力を有する外国裁判所の裁判と民訴法118条にいう「外国裁判所の確定判決」
2  民訴法118条3号にいう「日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないこと」の意義
3  ネバダ州在住の米国人女性が日本人夫婦といわゆる代理出産契約を締結して分娩した子について上記夫婦が上記子の血縁上及び法律上の父母であることを確認することなどを内容とするネバダ州裁判所の裁判は民訴法118条3号にいう「日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないこと」の要件を具備するとした事例
判示事項の要旨抗告人ら夫妻が子らの法律上の親であることを認めるネバダ州の裁判所の命令が確定している場合において,同命令が抗告人らと子らには血縁関係があること等を参酌してなされたものであることや,子の福祉等を考慮し,同確定裁判を承認しても公序良俗に反しない。
裁判要旨1 法律上の親子関係の確定を内容とし,かつ,対世的効力を有する外国裁判所の裁判で確定したものは,民訴法118条にいう「外国裁判所の確定判決」に当たる。
2 民訴法118条3号にいう「日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないこと」とは,渉外性を考慮してもなお譲ることのできない我が国の基本的価値,秩序に混乱をもたらすことがないことを意味する。
3  アメリカ合衆国ネバダ州在住の米国人女性が,我が国において法律上の婚姻関係にある夫婦との間で,妻の卵巣から採取した卵子に夫の精子を顕微受精させた受精卵の移植を上記女性が子宮に受けて出産すること,出産した子の法律上の両親が上記夫婦であることなどを承諾して出産することなどを内容とするいわゆる代理出産契約を締結し,上記契約の履行として懐胎し分娩した子について,法例17条1項が指定する準拠法である我が国の民法上は上記夫婦の子であるということができず,他方,ネバダ州修正法によっても上記女性の子であるとは認められず,子に法律上の親が存在しないことになる場合には,(1) 上記夫婦と子とは血縁関係を有すること,(2) 上記夫婦が上記契約をしたのは,妻が疾病により自ら懐胎により子を得ることが不可能となったことによること,(3) 上記契約に基づいて上記女性に支払われる手数料は子の対価ではなく,契約の内容についても上記女性の尊厳を侵害する要素を見いだすことはできないこと,(4) 上記夫婦は,子を出生直後から養育しているが,今後も実子として養育することを強く望んでおり,これに対し,上記女性は子との親子関係及び子の養育を望んでいないこと,(5) 上記夫婦と子との法律上の親子関係を認めることは,子の福祉を害するおそれはなく,これを認めて上記夫婦が子を養育することが最もその福祉に適うこと,(6) 厚生科学審議会生殖補助医療部会が代理懐胎を一般的に禁止する理由はいずれも当てはまらず,代理懐胎を否定するだけの社会通念が確立されているとまではいえないことなどの判示の事情の下においては,上記夫婦が子の血縁上及び法律上の父母であることを確認することなどを内容とするネバダ州裁判所の裁判は,民訴法118条3号にいう「日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないこと」の要件を具備する。

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東京高決平成18年9月29日(PDF全文) 向井亜紀が代理出産により出生させた子

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