事件番号平成24(行ウ)89
事件名相続税更正処分取消等請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成26年1月24日
事案の概要本件は,①原告らが,Bが平成19年▲月▲日に死亡したことによって開始した相続(以下「本件第一次相続」という。)に係る相続税の申告において,地目を異にする複数の土地を一団の土地に当たるとしこれらを1つの評価単位として財産評価基本通達(昭和39年4月25日付け直資56・直審(資)17国税庁長官通達(ただし,平成21年5月13日付け課評2-6による改正前のもの。)。以下「評価通達」という。)に定める広大地の評価によるなどしてその課税価格を計算していたところ,上尾税務署長から,これらの土地は相続開始時の現況の地目の別に個別に評価すべきであるなどとして,それぞれ更正処分(以下「本件各更正処分1」という。)及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下「本件各賦課決定処分1」といい,本件各更正処分1と併せて「本件各処分1」という。)を受けたことから,本件各更正処分1のうち原告らの申告に係る課税価格及び納付すべき税額を超える部分並びに本件各賦課決定処分1の各取消しを求め(前記第1の1から3まで),②原告Dが,Eが平成20年▲月▲日に死亡したことによって開始した相続(以下「本件第二次相続」という。)に係る相続税の申告において,相続の開始前に売買契約が締結されていた土地を含む複数の土地を一団の土地に当たるとしこれらを1つの評価単位として評価通達に定める広大地の評価によるなどしてその課税価格を算定していたところ,上尾税務署長から,本件第二次相続により原告Dが取得したのは売買契約が締結されていた土地ではなく売買代金請求権であるなどとして,更正処分(以下「本件更正処分2」という。)及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下「本件賦課決定処分2」といい,本件更正処分2と併せて「本件各処分2」という。)を受けたことから,本件更正処分2のうち原告Dの申告に係る課税価格及び納付すべき税額を超える部分並びに本件賦課決定処分2の各取消しを求める(前記第1の4)事案である。
判示事項被相続人がその所有する土地(農地を含む。)の売買契約を締結し,手付金を除く残代金の受領及び農地法所定の届出の前に死亡した場合において,相続税の課税財産が売買残代金請求権であるとされた事例
裁判要旨被相続人がその所有する土地(農地を含む。)の売買契約を締結し,手付金を除く残代金の受領及び農地法所定の届出の前に死亡した場合において,同土地の所有権は残代金の支払と同時に移転する旨の同売買の特約はその実質が残代金請求権の確保にあったこと,農地法所定の届出を行うにつき法律上の障害がなかったことなど判示の事情の下では,相続税の課税財産は,同土地ではなく,同売買に係る残代金請求権である。
事件番号平成24(行ウ)89
事件名相続税更正処分取消等請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成26年1月24日
事案の概要
本件は,①原告らが,Bが平成19年▲月▲日に死亡したことによって開始した相続(以下「本件第一次相続」という。)に係る相続税の申告において,地目を異にする複数の土地を一団の土地に当たるとしこれらを1つの評価単位として財産評価基本通達(昭和39年4月25日付け直資56・直審(資)17国税庁長官通達(ただし,平成21年5月13日付け課評2-6による改正前のもの。)。以下「評価通達」という。)に定める広大地の評価によるなどしてその課税価格を計算していたところ,上尾税務署長から,これらの土地は相続開始時の現況の地目の別に個別に評価すべきであるなどとして,それぞれ更正処分(以下「本件各更正処分1」という。)及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下「本件各賦課決定処分1」といい,本件各更正処分1と併せて「本件各処分1」という。)を受けたことから,本件各更正処分1のうち原告らの申告に係る課税価格及び納付すべき税額を超える部分並びに本件各賦課決定処分1の各取消しを求め(前記第1の1から3まで),②原告Dが,Eが平成20年▲月▲日に死亡したことによって開始した相続(以下「本件第二次相続」という。)に係る相続税の申告において,相続の開始前に売買契約が締結されていた土地を含む複数の土地を一団の土地に当たるとしこれらを1つの評価単位として評価通達に定める広大地の評価によるなどしてその課税価格を算定していたところ,上尾税務署長から,本件第二次相続により原告Dが取得したのは売買契約が締結されていた土地ではなく売買代金請求権であるなどとして,更正処分(以下「本件更正処分2」という。)及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下「本件賦課決定処分2」といい,本件更正処分2と併せて「本件各処分2」という。)を受けたことから,本件更正処分2のうち原告Dの申告に係る課税価格及び納付すべき税額を超える部分並びに本件賦課決定処分2の各取消しを求める(前記第1の4)事案である。
判示事項
被相続人がその所有する土地(農地を含む。)の売買契約を締結し,手付金を除く残代金の受領及び農地法所定の届出の前に死亡した場合において,相続税の課税財産が売買残代金請求権であるとされた事例
裁判要旨
被相続人がその所有する土地(農地を含む。)の売買契約を締結し,手付金を除く残代金の受領及び農地法所定の届出の前に死亡した場合において,同土地の所有権は残代金の支払と同時に移転する旨の同売買の特約はその実質が残代金請求権の確保にあったこと,農地法所定の届出を行うにつき法律上の障害がなかったことなど判示の事情の下では,相続税の課税財産は,同土地ではなく,同売買に係る残代金請求権である。
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