事件番号平成25(行コ)298
事件名事業所税更正処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成23年(行ウ)第770号)
裁判所東京高等裁判所
裁判年月日平成26年1月9日
事案の概要本件は,控訴人が,平成19年1月1日から同年12月31日までの事業年度,平成20年1月1日から同年12月31日までの事業年度及び平成21年1月1日から同年12月31日までの事業年度(以下「平成21年度」という。)の事業所税に係る各納付申告をし,また,平成21年度の事業所税について更正の請求(以下「本件更正請求」という。)をしたところ,東京都千代田都税事務所長が平成23年2月25日付けで上記各事業年度の事業所税に係る各更正処分及び過少申告加算金の各賦課決定処分(以下これらの処分を併せて「本件各更正処分等」という。)をするとともに本件更正請求に係る平成21年度の事業所税を更正しない旨の通知処分(以下「本件通知処分」という。)をしたことから,処分行政庁の所属する被控訴人を被告として,本件各更正処分等及び本件通知処分の取消しを求める事案である。
判示事項貸しビル等において営む「レンタル収納スペース」事業が事業所税の課税客体となることを理由としてされた事業所税に係る各更正処分及び過少申告加算金の各賦課決定処分が,いずれも適法とされた事例
裁判要旨貸しビル等において営む「レンタル収納スペース」事業が事業所税の課税客体となることを理由としてされた事業所税に係る各更正処分及び過少申告加算金の各賦課決定処分につき,地方税法701条の32第1項にいう「事業所等」とは,それが自己の所有に属するものであるか否かにかかわらず,事業の必要から設けられた人的及び物的設備であって,そこで継続して事業が行われる場所をいい,前記人的設備とは,当該事業に対し役務を提供し事業活動に従事する自然人をいうと解するのが相当であるとした上,前記事業は,建物の居室に特殊な造作を施して物品の保管を可能にする物的設備を備えることにより,顧客に対し,建物の居室の通常の使用とは相当程度異なる利便性を提供する点において,この事業固有の特質を有するものであり,また,賃借人たる顧客の使用収益権能を強く制限し,賃貸人の管理機能を強化することを通じて,物品の保管機能を高めている点においても,単に不動産の利用権を提供するものにとどまらない内容を有する事業であるということができる点,前記事業に供する居室は,単なる物的設備ではなく,前記事業に対し役務を提供し事業活動に従事する人的設備をも備えているということができる点等を勘案すると,前記事業を行うためにレンタル収納スペースが設けられている居室は,事業の必要から設けられた人的及び物的設備であって,そこで継続して事業が行われる場所であるということができるから,「事業所等」に該当し,また,前記事業の事業所等の用に供されている居室については,前記事業を行う者が事業所税の納税義務者となると解されるとして,前記各処分をいずれも適法とした事例
事件番号平成25(行コ)298
事件名事業所税更正処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成23年(行ウ)第770号)
裁判所東京高等裁判所
裁判年月日平成26年1月9日
事案の概要
本件は,控訴人が,平成19年1月1日から同年12月31日までの事業年度,平成20年1月1日から同年12月31日までの事業年度及び平成21年1月1日から同年12月31日までの事業年度(以下「平成21年度」という。)の事業所税に係る各納付申告をし,また,平成21年度の事業所税について更正の請求(以下「本件更正請求」という。)をしたところ,東京都千代田都税事務所長が平成23年2月25日付けで上記各事業年度の事業所税に係る各更正処分及び過少申告加算金の各賦課決定処分(以下これらの処分を併せて「本件各更正処分等」という。)をするとともに本件更正請求に係る平成21年度の事業所税を更正しない旨の通知処分(以下「本件通知処分」という。)をしたことから,処分行政庁の所属する被控訴人を被告として,本件各更正処分等及び本件通知処分の取消しを求める事案である。
判示事項
貸しビル等において営む「レンタル収納スペース」事業が事業所税の課税客体となることを理由としてされた事業所税に係る各更正処分及び過少申告加算金の各賦課決定処分が,いずれも適法とされた事例
裁判要旨
貸しビル等において営む「レンタル収納スペース」事業が事業所税の課税客体となることを理由としてされた事業所税に係る各更正処分及び過少申告加算金の各賦課決定処分につき,地方税法701条の32第1項にいう「事業所等」とは,それが自己の所有に属するものであるか否かにかかわらず,事業の必要から設けられた人的及び物的設備であって,そこで継続して事業が行われる場所をいい,前記人的設備とは,当該事業に対し役務を提供し事業活動に従事する自然人をいうと解するのが相当であるとした上,前記事業は,建物の居室に特殊な造作を施して物品の保管を可能にする物的設備を備えることにより,顧客に対し,建物の居室の通常の使用とは相当程度異なる利便性を提供する点において,この事業固有の特質を有するものであり,また,賃借人たる顧客の使用収益権能を強く制限し,賃貸人の管理機能を強化することを通じて,物品の保管機能を高めている点においても,単に不動産の利用権を提供するものにとどまらない内容を有する事業であるということができる点,前記事業に供する居室は,単なる物的設備ではなく,前記事業に対し役務を提供し事業活動に従事する人的設備をも備えているということができる点等を勘案すると,前記事業を行うためにレンタル収納スペースが設けられている居室は,事業の必要から設けられた人的及び物的設備であって,そこで継続して事業が行われる場所であるということができるから,「事業所等」に該当し,また,前記事業の事業所等の用に供されている居室については,前記事業を行う者が事業所税の納税義務者となると解されるとして,前記各処分をいずれも適法とした事例
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