事件番号平成25(行ウ)672
事件名所得税更正請求に対する通知処分取消請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成26年9月30日
事案の概要本件は,不動産貸付業を営む原告が,賃貸の用に供している建物の建設資金に係る住宅金融公庫(現在の名称は,独立行政法人住宅金融支援機構。以下「金融公庫」という。)からの融資金について,東京都が実施する東京都優良民間賃貸住宅制度(現在の名称は,東京都優良民間賃貸住宅等利子補給助成制度。以下「本件利子補給制度」という。)に基づく利子補給金の交付を受けていたところ,平成22年4月30日,東京都が実施する都民住宅経営安定化促進助成制度(以下「本件助成制度」という。)に基づき,交付予定の利子補給金の一括交付を受け,この一括交付金(以下「本件一括交付金」という。)を雑所得に係る総収入金額に算入して平成22年分の所得税の確定申告をした後,本件一括交付金は一時所得の総収入金額に算入されるべきであるとして更正の請求(以下「本件更正請求」という。)を行ったところ,処分行政庁が,更正をすべき理由がない旨の通知処分を行い,更にその後,本件一括交付金は不動産所得に該当するとして減額更正処分(以下「本件減額更正処分」といい,本件減額更正処分後の上記通知処分を「本件通知処分」という。)を行ったことから,原告が,本件一括交付金は不動産所得に該当せず,一時所得に該当するとして,処分行政庁が所属する被告に対し,本件通知処分の取消しを求める事案である。
判示事項東京都住宅供給公社が借り上げている建物の建設資金に係る住宅金融公庫からの融資金につき東京都の利子補給助成制度に基づき都から上記借上げの貸主に半年ごとに交付される利子補給金について,これを一括交付するものとして都民住宅経営安定化促進助成制度に基づいて都から上記貸主に交付された一括交付金が,不動産所得に係る収入金額に該当するとされた事例
裁判要旨東京都住宅供給公社が借り上げている建物の建設資金に係る住宅金融公庫からの融資金につき東京都の利子補給助成制度に基づき都から上記借上げの貸主に半年ごとに交付される利子補給金について,これを一括交付するものとして都民住宅経営安定化促進助成制度に基づいて都から上記貸主に交付された一括交付金は,次の(1),(2)など判示の事情の下では,不動産所得に係る収入金額に該当する。
 (1) 上記一括借上げに係る契約は,東京都都民住宅制度の定める都民住宅供給の仕組みの下において都民住宅を供給するものであるところ,都の利子補給助成制度は,かかる住宅供給を促進するため,当該都民住宅の建設資金借入金の利子補給を行うべく設けられており,上記契約は,以上のような一体としての制度を利用した上で締結されたものであって,上記利子補給助成制度に基づき都から半年ごとに交付される利子補給金は,上記借上げに係る収益構造の中に不可分一体のものとして組み込まれている。
(2)  都が実施する都民住宅経営安定化促進助成制度は,都民住宅建設当時の高い建設費借入金の返済のために住宅経営に苦慮している都民住宅の認定事業者に対し,交付予定の利子補給金を一括交付して,当該借入金より低利の民間金融機関への借換え等を促すものであり,同制度が利用されて住宅金融公庫の融資金が一括繰上償還された場合,それと引替えに利子補給は打ち切られることになる。
事件番号平成25(行ウ)672
事件名所得税更正請求に対する通知処分取消請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成26年9月30日
事案の概要
本件は,不動産貸付業を営む原告が,賃貸の用に供している建物の建設資金に係る住宅金融公庫(現在の名称は,独立行政法人住宅金融支援機構。以下「金融公庫」という。)からの融資金について,東京都が実施する東京都優良民間賃貸住宅制度(現在の名称は,東京都優良民間賃貸住宅等利子補給助成制度。以下「本件利子補給制度」という。)に基づく利子補給金の交付を受けていたところ,平成22年4月30日,東京都が実施する都民住宅経営安定化促進助成制度(以下「本件助成制度」という。)に基づき,交付予定の利子補給金の一括交付を受け,この一括交付金(以下「本件一括交付金」という。)を雑所得に係る総収入金額に算入して平成22年分の所得税の確定申告をした後,本件一括交付金は一時所得の総収入金額に算入されるべきであるとして更正の請求(以下「本件更正請求」という。)を行ったところ,処分行政庁が,更正をすべき理由がない旨の通知処分を行い,更にその後,本件一括交付金は不動産所得に該当するとして減額更正処分(以下「本件減額更正処分」といい,本件減額更正処分後の上記通知処分を「本件通知処分」という。)を行ったことから,原告が,本件一括交付金は不動産所得に該当せず,一時所得に該当するとして,処分行政庁が所属する被告に対し,本件通知処分の取消しを求める事案である。
判示事項
東京都住宅供給公社が借り上げている建物の建設資金に係る住宅金融公庫からの融資金につき東京都の利子補給助成制度に基づき都から上記借上げの貸主に半年ごとに交付される利子補給金について,これを一括交付するものとして都民住宅経営安定化促進助成制度に基づいて都から上記貸主に交付された一括交付金が,不動産所得に係る収入金額に該当するとされた事例
裁判要旨
東京都住宅供給公社が借り上げている建物の建設資金に係る住宅金融公庫からの融資金につき東京都の利子補給助成制度に基づき都から上記借上げの貸主に半年ごとに交付される利子補給金について,これを一括交付するものとして都民住宅経営安定化促進助成制度に基づいて都から上記貸主に交付された一括交付金は,次の(1),(2)など判示の事情の下では,不動産所得に係る収入金額に該当する。
 (1) 上記一括借上げに係る契約は,東京都都民住宅制度の定める都民住宅供給の仕組みの下において都民住宅を供給するものであるところ,都の利子補給助成制度は,かかる住宅供給を促進するため,当該都民住宅の建設資金借入金の利子補給を行うべく設けられており,上記契約は,以上のような一体としての制度を利用した上で締結されたものであって,上記利子補給助成制度に基づき都から半年ごとに交付される利子補給金は,上記借上げに係る収益構造の中に不可分一体のものとして組み込まれている。
(2)  都が実施する都民住宅経営安定化促進助成制度は,都民住宅建設当時の高い建設費借入金の返済のために住宅経営に苦慮している都民住宅の認定事業者に対し,交付予定の利子補給金を一括交付して,当該借入金より低利の民間金融機関への借換え等を促すものであり,同制度が利用されて住宅金融公庫の融資金が一括繰上償還された場合,それと引替えに利子補給は打ち切られることになる。
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