事件番号平成26(行ウ)209
事件名政務調査費返還請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成27年2月26日
事案の概要本件は,杉並区の住民である原告が,杉並区議会の議員であるAことB(以下「A議員」という。)に交付された平成24年度の政務調査費につき,その一部(具体的には,平成24年4月から平成25年3月までの事務所家賃の一部として支出された合計51万円の2分の1の25万5000円。以下「本件金員」という。)が法令等に基づかず違法に支出されており,杉並区はA議員に対して不当利得返還請求権を有しているにもかかわらず,杉並区長である被告がその行使を怠っているとして,被告に対し,地方自治法242条の2第1項4号に基づきA議員に不当利得返還の請求をすることを求めるとともに,同項3号に基づきA議員に不当利得返還の請求をすることを怠る事実が違法であることを確認することを求める事案である。
判示事項特別区の議会の議員が政務調査費の交付に関する条例の使途基準に合致するものとしてした支出の一部が違法であると主張してされた地方自治法242条の2第1項4号に基づく不当利得返還の請求をすることを求める請求及び同項3号に基づく不当利得返還の請求をすることを怠る事実が違法であることを確認することを求める請求が,訴え提起後,当該議員において,交付額を上回る支出総額から違法であると主張された支出の一部を除外した額を,交付額から控除した残額を特別区に返還したことから,特別区は不当利得返還請求権を有していないとしていずれも棄却された事例。
裁判要旨特別区の議会の議員がある年度に交付を受けた政務調査費が,当該議員がその年度に条例に規定する使途基準に従って行った支出の総額を控除して残余がある場合には,その残余の額は法律上の原因なくして当該会派又は議員が得た不当利得となり,特別区は当該残余の額に相当する不当利得返還請求権を有することとなるところ,当初,政務調査費収支報告書において,政務調査費の交付額を上回る支出総額が記載されていたが,当該議員において,支出総額から違法であると主張された支出の一部を控除して訂正した務調査費報告書を提出した上,支出総額から違法であると主張された支出の一部を除外した額を交付額から控除した残額を特別区に返還しており,訂正後の政務調査費収支報告書に記載された支出について政務調査費の交付に関する条例の規定する使途基準に合致していないものがあることをうかがわせる事情もないことからすれば,特別区は不当利得返還請求権を有していないとして棄却した事例。
事件番号平成26(行ウ)209
事件名政務調査費返還請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成27年2月26日
事案の概要
本件は,杉並区の住民である原告が,杉並区議会の議員であるAことB(以下「A議員」という。)に交付された平成24年度の政務調査費につき,その一部(具体的には,平成24年4月から平成25年3月までの事務所家賃の一部として支出された合計51万円の2分の1の25万5000円。以下「本件金員」という。)が法令等に基づかず違法に支出されており,杉並区はA議員に対して不当利得返還請求権を有しているにもかかわらず,杉並区長である被告がその行使を怠っているとして,被告に対し,地方自治法242条の2第1項4号に基づきA議員に不当利得返還の請求をすることを求めるとともに,同項3号に基づきA議員に不当利得返還の請求をすることを怠る事実が違法であることを確認することを求める事案である。
判示事項
特別区の議会の議員が政務調査費の交付に関する条例の使途基準に合致するものとしてした支出の一部が違法であると主張してされた地方自治法242条の2第1項4号に基づく不当利得返還の請求をすることを求める請求及び同項3号に基づく不当利得返還の請求をすることを怠る事実が違法であることを確認することを求める請求が,訴え提起後,当該議員において,交付額を上回る支出総額から違法であると主張された支出の一部を除外した額を,交付額から控除した残額を特別区に返還したことから,特別区は不当利得返還請求権を有していないとしていずれも棄却された事例。
裁判要旨
特別区の議会の議員がある年度に交付を受けた政務調査費が,当該議員がその年度に条例に規定する使途基準に従って行った支出の総額を控除して残余がある場合には,その残余の額は法律上の原因なくして当該会派又は議員が得た不当利得となり,特別区は当該残余の額に相当する不当利得返還請求権を有することとなるところ,当初,政務調査費収支報告書において,政務調査費の交付額を上回る支出総額が記載されていたが,当該議員において,支出総額から違法であると主張された支出の一部を控除して訂正した務調査費報告書を提出した上,支出総額から違法であると主張された支出の一部を除外した額を交付額から控除した残額を特別区に返還しており,訂正後の政務調査費収支報告書に記載された支出について政務調査費の交付に関する条例の規定する使途基準に合致していないものがあることをうかがわせる事情もないことからすれば,特別区は不当利得返還請求権を有していないとして棄却した事例。
このエントリーをはてなブックマークに追加