裁判所判例Watch

メニュー

カテゴリー

アーカイブ

詳細情報

判決情報

2017/04/20 18:00 更新

事件番号平成28合(わ)317
事件名虚偽有印公文書作成・同行使,犯人隠避被告事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成29年3月27日
事案の概要本件車両を追いかけてきた前記男性はコントロールド・デリバリー捜査をしていた捜査員かもしれないが敷地内への無断立入に怒った地主かもしれないことや,放置車両扱いであればレッカー移動されている可能性もあるから管轄の警察署に聞いてみてはどうかなどと話した。また,被告人は,同月15日,Aの求めに応じて,上記飲食店で再びAと会って同月12日に前記男性から追いかけられたことについて話合いをし,警察によるコントロールド・デリバリー捜査であったかどうかの結論は出なかったが,その可能性がある旨伝え,本件貨物の中身についてはぐらかすAに対し,その中身が覚せい剤であれば被告人自身もAを逮捕することになる旨告げた。⑶ Aは,同月12日夜及び翌13日には知人から携帯電話2台を入手して同日頃からその1つを被告人等との連絡用携帯電話として使用するようになり,同月15日以降,従前被告人や薬物関係者との連絡に用いていた携帯電話を投棄したほか,同月12日以降,交際相手と住んでいた横須賀市内のマンスリーマンションを離れ,横浜市内のホテルを転々とし,同月中旬に予定していた横須賀市内の新居への引っ越しもせず,同月15日には,上記マンスリーマンションを解約して,同月17日,東京都足立区iのアパートを偽名で契約して転居した。2 「隠避」とは,蔵匿以外の方法により官憲の発見・逮捕を妨げる一切の行為をいうところ,前記1で認定した事実によれば,Aは,同月12日,本件車両が遺留現場に残っていなければ警察がこれを本件密輸捜査の一環として押収した可能性があると認識していたと認められ,逮捕をおそれるAの代わりに被告人が本件車両の遺留状況を確認してこれがなくなっていることを伝えることは,Aに対し,自身が警察の捜査対象となっている可能性が高いことを認識させる行為といえる。また,同月15日の時点でも,Aは自身が警察の捜査対象となっているとの確証までは得られない状況であったところ,麻薬取締官である被告人が,Aに対し,警察による捜査が行われている可能性があり,本件貨物の中身が覚せい剤であれば被告人自身もAを逮捕することになる旨告げることは,Aに自身が逮捕される現実的危険が迫っているとの危機感を覚えさせ,逃走を決意させるに足りる行為といえる。そしてAは,同月15日に被告人と会う前からその所在を把握されないよう努めていたが,同日被告人と会った後には,従前被告人や薬物関係者との連絡に用いていた携帯電話を処分し,横浜市周辺を離れて東京都足立区内に偽名でアパートを借りて居住するなどして,それまで以上に具体的,実効的な罪証隠滅行為や逃走行為に及んでいること,これらに加えて,A自身,同日に被告人と話していよいよ逃げなければならないと思った旨述べていることなども併せ考慮すれば,Aは,被告人の同月12日及び同月15日の上記言動を受け,このままでは自身が警察に逮捕されてしまうと思い,居住地を離れて逃走する意思を固めたものと認められる。このようにAの逃走の意思を固めた被告人の前記行為は,まさに蔵匿以外の方法により官憲の発見・逮捕を妨げるものであって「隠避」に当たるというべきである。3 よって,被告人に判示第3の犯人隠避罪が成立すると判断した。(量刑の理由)本件は,麻薬取締官であった被告人が,捜査協力者に事情聴取した事実がないのにこれをした旨の供述調書2通を作成して裁判官に提出したという虚偽有印公文書作成・同行使2件及び覚せい剤密輸の嫌疑で捜査対象となった上記捜査協力者へ助言をして逃走の意思を固めさせたという犯人隠避1件の事案である。

裁判所のデータベース

判決書(全文)

前の画面にもどる

トラックバック

トラックバック URL

http://kanz.jp/hanrei/trackback/86707/

コメント

Facebook