事件番号平成29(ネ)912
事件名
裁判所名古屋高等裁判所 民事第3部
裁判年月日平成29年6月30日
事案の概要本件は,差戻し前相控訴人であった亡Aから,Aと訴外Cとの間の訴訟(以下 別件訴訟 という における訴訟上の和解に基づき 同人の財産に対する「 」 。) ,強制執行手続を受任した控訴人に所属するB弁護士が,控訴人に対し,別紙のとおり,①C宛ての郵便物についての転居届の提出の有無,②転居届の届出年月日 ③転居届記載の新住所 居所 ④転居届記載の新住所 居所 の電話番, ( ), ( )(以下,併せて「本件照会事項」といい,個別の照会事項を「本件照会事項①」などという )について,郵便事業株式会社(以下「本件会社」という )。 。に弁護士法23条の2第2項に基づく照会 以下 23条照会 という をす( 「 」 。)( 「 」 。), ,るよう申し出 以下 本件申出 という 本件申出を適当と認めた控訴人が本件会社に対し,本件照会事項について23条照会をした(以下「本件照会」という ところ 本件会社は 控訴人に対し 本件照会に応じない旨を回答し。) , , ,た 以下 本件拒絶 という ため A及び控訴人が 本件拒絶は不法行為に( 「 」 。) , ,当たると主張して,本件会社を吸収合併した被控訴人に対し,損害賠償(控訴人においては一部請求)及び同損害賠償金に対する不法行為の日(本件拒絶を受けた平成23年10月17日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払をそれぞれ求めた事案である。
判示事項の要旨1 弁護士法23条の2第2項に基づく照会を受けた者には,これを拒む正当な理由がない限り,照会された事項を報告すべき公法上の義務があるところ,報告義務の確認請求訴訟は民事訴訟であるから,控訴審において損害賠償請求に同確認請求を予備的追加的に変更したことは適法であるとされた事例
  
  2 1の報告義務確認の訴えには,訴えの利益が認められるとされた事例
  
  3 郵便法上の守秘義務を負う被控訴人が1の報告を拒絶する正当な理由があるか否かは,照会事項ごとに,報告することによって生ずる不利益と報告を拒絶することによって犠牲となる利益を比較衡量することにより決せられるべきであるとし,照会事項のうち,①郵便物についての転居届の提出の有無,②転居届の届出年月日及び③転居届記載の新住所(居所)については,報告を拒絶する正当な理由がないが,転居届に記載された電話番号については正当な理由があるとされた事例
事件番号平成29(ネ)912
事件名
裁判所名古屋高等裁判所 民事第3部
裁判年月日平成29年6月30日
事案の概要
本件は,差戻し前相控訴人であった亡Aから,Aと訴外Cとの間の訴訟(以下 別件訴訟 という における訴訟上の和解に基づき 同人の財産に対する「 」 。) ,強制執行手続を受任した控訴人に所属するB弁護士が,控訴人に対し,別紙のとおり,①C宛ての郵便物についての転居届の提出の有無,②転居届の届出年月日 ③転居届記載の新住所 居所 ④転居届記載の新住所 居所 の電話番, ( ), ( )(以下,併せて「本件照会事項」といい,個別の照会事項を「本件照会事項①」などという )について,郵便事業株式会社(以下「本件会社」という )。 。に弁護士法23条の2第2項に基づく照会 以下 23条照会 という をす( 「 」 。)( 「 」 。), ,るよう申し出 以下 本件申出 という 本件申出を適当と認めた控訴人が本件会社に対し,本件照会事項について23条照会をした(以下「本件照会」という ところ 本件会社は 控訴人に対し 本件照会に応じない旨を回答し。) , , ,た 以下 本件拒絶 という ため A及び控訴人が 本件拒絶は不法行為に( 「 」 。) , ,当たると主張して,本件会社を吸収合併した被控訴人に対し,損害賠償(控訴人においては一部請求)及び同損害賠償金に対する不法行為の日(本件拒絶を受けた平成23年10月17日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払をそれぞれ求めた事案である。
判示事項の要旨
1 弁護士法23条の2第2項に基づく照会を受けた者には,これを拒む正当な理由がない限り,照会された事項を報告すべき公法上の義務があるところ,報告義務の確認請求訴訟は民事訴訟であるから,控訴審において損害賠償請求に同確認請求を予備的追加的に変更したことは適法であるとされた事例
  
  2 1の報告義務確認の訴えには,訴えの利益が認められるとされた事例
  
  3 郵便法上の守秘義務を負う被控訴人が1の報告を拒絶する正当な理由があるか否かは,照会事項ごとに,報告することによって生ずる不利益と報告を拒絶することによって犠牲となる利益を比較衡量することにより決せられるべきであるとし,照会事項のうち,①郵便物についての転居届の提出の有無,②転居届の届出年月日及び③転居届記載の新住所(居所)については,報告を拒絶する正当な理由がないが,転居届に記載された電話番号については正当な理由があるとされた事例
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