事件番号平成29(ネ)1602
事件名補償協定上の地位確認請求控訴事件
裁判所大阪高等裁判所 第2民事部
裁判年月日平成30年3月28日
結果その他
原審裁判所大阪地方裁判所
原審事件番号平成26(ワ)11819
事案の概要本件は,公害健康被害補償法(昭和48年法律第111号。なお,同法の題名は,昭和62年法律第97号により「公害健康被害の補償等に関する法律」に改められた。以下,改正の前後を問わず「公健法」ともいう。)に基づく水俣病の認定を受けた亡A(大正14年a月b日生,平成25年c月d日死亡。以下「A」という。)の相続人である被控訴人B及び亡C(大正4年e月f日生,平成19年g月h日死亡。以下「C」といい,Aと併せて「Aら」という。)の相続人である被控訴人Dが,水俣病を発生させた企業である控訴人と水俣病の患者団体の一つである水俣病患者東京本社交渉団(以下「東京交渉団」という。)との間で,昭和48年7月9日に締結された別紙協定書記載の水俣病補償協定(甲3。以下「本件協定」という。)に基づき,控訴人に対し,本件協定に基づく補償を受けられる等の,本件協定上の権利を有する地位にあることの確認を求める事案である。
判示事項の要旨1 水俣病患者団体と控訴人(チッソ株式会社)との間で昭和48年7月9日に締結された水俣病補償協定は,控訴人が補償義務を負う損害の範囲を明らかにし,補償の履行の方法を定め,「協定締結以降認定された患者についても希望する者には適用する」との定めを置いているものの,患者が,認定を受けていない時点で,控訴人を被告として,水俣病の健康被害に係る損害の賠償を求める訴訟を提起し,確定判決が認定した損害の賠償を受け終えた場合にまで補償することを予定して締結されたとは解されない。
2 被控訴人らの被相続人は,平成16年10月15日確定(当時未認定患者)の判決により,控訴人に対し,水俣病の健康被害に基づく損害賠償債権を有するとされ,当該賠償金の支払を受けた後に水俣病認定を受けた者であるから,たとえ,上記協定が定める補償額が,確定判決の認定した損害賠償金額より高額であるとしても,上記協定の適用を受けられる者には当たらない。
事件番号平成29(ネ)1602
事件名補償協定上の地位確認請求控訴事件
裁判所大阪高等裁判所 第2民事部
裁判年月日平成30年3月28日
結果その他
原審裁判所大阪地方裁判所
原審事件番号平成26(ワ)11819
事案の概要
本件は,公害健康被害補償法(昭和48年法律第111号。なお,同法の題名は,昭和62年法律第97号により「公害健康被害の補償等に関する法律」に改められた。以下,改正の前後を問わず「公健法」ともいう。)に基づく水俣病の認定を受けた亡A(大正14年a月b日生,平成25年c月d日死亡。以下「A」という。)の相続人である被控訴人B及び亡C(大正4年e月f日生,平成19年g月h日死亡。以下「C」といい,Aと併せて「Aら」という。)の相続人である被控訴人Dが,水俣病を発生させた企業である控訴人と水俣病の患者団体の一つである水俣病患者東京本社交渉団(以下「東京交渉団」という。)との間で,昭和48年7月9日に締結された別紙協定書記載の水俣病補償協定(甲3。以下「本件協定」という。)に基づき,控訴人に対し,本件協定に基づく補償を受けられる等の,本件協定上の権利を有する地位にあることの確認を求める事案である。
判示事項の要旨
1 水俣病患者団体と控訴人(チッソ株式会社)との間で昭和48年7月9日に締結された水俣病補償協定は,控訴人が補償義務を負う損害の範囲を明らかにし,補償の履行の方法を定め,「協定締結以降認定された患者についても希望する者には適用する」との定めを置いているものの,患者が,認定を受けていない時点で,控訴人を被告として,水俣病の健康被害に係る損害の賠償を求める訴訟を提起し,確定判決が認定した損害の賠償を受け終えた場合にまで補償することを予定して締結されたとは解されない。
2 被控訴人らの被相続人は,平成16年10月15日確定(当時未認定患者)の判決により,控訴人に対し,水俣病の健康被害に基づく損害賠償債権を有するとされ,当該賠償金の支払を受けた後に水俣病認定を受けた者であるから,たとえ,上記協定が定める補償額が,確定判決の認定した損害賠償金額より高額であるとしても,上記協定の適用を受けられる者には当たらない。
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