事件番号 | 平成28(受)563 |
---|---|
事件名 | 損害賠償請求事件 |
裁判所 | 最高裁判所第一小法廷 |
裁判年月日 | 平成30年7月19日 |
裁判種別 | 判決 |
結果 | 破棄自判 |
原審裁判所 | 東京高等裁判所 |
原審事件番号 | 平成27(ネ)3401 |
原審裁判年月日 | 平成27年12月10日 |
事案の概要 | 本件は,都教委が上記の者らを不合格とし,又はその合格を取り消したこと(以下「本件不合格等」という。)について裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるなどとして,被上告人らが上告人に対し,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求める事案である。 |
判示事項 | 公立高等学校の教職員が卒業式等における国歌斉唱時の起立斉唱を命ずる旨の職務命令に違反したことを理由として,教育委員会が再任用職員等の選考において上記教職員を不合格としたこと等が,裁量権の範囲を超え又はこれを濫用したものとして違法であるとはいえないとされた事例 |
裁判要旨 | 公立高等学校の教職員が卒業式又は入学式において国歌斉唱の際に国旗に向かって起立して斉唱することを命ずる旨の校長の職務命令に違反したことを理由として,教育委員会が再任用職員等の採用候補者選考において上記教職員を不合格とし,又はその合格を取り消したことは,次の(1)~(4)など判示の事情の下においては,裁量権の範囲を超え又はこれを濫用したものとして違法であるとはいえない。 (1) 上記不合格等の当時,再任用職員等として採用されることを希望する者が原則として全員採用されるという運用が確立していたとはいえない。 (2) 上記職務命令は,学校教育の目標や卒業式等の儀式的行事の意義,在り方等を定めた関係法令等の諸規定の趣旨に沿って,地方公務員の地位の性質及びその職務の公共性を踏まえ,生徒等への配慮を含め,教育上の行事にふさわしい秩序の確保とともに式典の円滑な進行を図るものであった。 (3) 上記教職員の上記職務命令に違反する行為は,式典の秩序や雰囲気を一定程度損なう作用をもたらし,式典に参列する生徒への影響も伴うものであった。 (4) 上記教職員が上記職務命令に違反してから上記不合格等までの期間は長期に及んでいない。 |
事件番号 | 平成28(受)563 |
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事件名 | 損害賠償請求事件 |
裁判所 | 最高裁判所第一小法廷 |
裁判年月日 | 平成30年7月19日 |
裁判種別 | 判決 |
結果 | 破棄自判 |
原審裁判所 | 東京高等裁判所 |
原審事件番号 | 平成27(ネ)3401 |
原審裁判年月日 | 平成27年12月10日 |
事案の概要 |
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本件は,都教委が上記の者らを不合格とし,又はその合格を取り消したこと(以下「本件不合格等」という。)について裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるなどとして,被上告人らが上告人に対し,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求める事案である。 |
判示事項 |
公立高等学校の教職員が卒業式等における国歌斉唱時の起立斉唱を命ずる旨の職務命令に違反したことを理由として,教育委員会が再任用職員等の選考において上記教職員を不合格としたこと等が,裁量権の範囲を超え又はこれを濫用したものとして違法であるとはいえないとされた事例 |
裁判要旨 |
公立高等学校の教職員が卒業式又は入学式において国歌斉唱の際に国旗に向かって起立して斉唱することを命ずる旨の校長の職務命令に違反したことを理由として,教育委員会が再任用職員等の採用候補者選考において上記教職員を不合格とし,又はその合格を取り消したことは,次の(1)~(4)など判示の事情の下においては,裁量権の範囲を超え又はこれを濫用したものとして違法であるとはいえない。 (1) 上記不合格等の当時,再任用職員等として採用されることを希望する者が原則として全員採用されるという運用が確立していたとはいえない。 (2) 上記職務命令は,学校教育の目標や卒業式等の儀式的行事の意義,在り方等を定めた関係法令等の諸規定の趣旨に沿って,地方公務員の地位の性質及びその職務の公共性を踏まえ,生徒等への配慮を含め,教育上の行事にふさわしい秩序の確保とともに式典の円滑な進行を図るものであった。 (3) 上記教職員の上記職務命令に違反する行為は,式典の秩序や雰囲気を一定程度損なう作用をもたらし,式典に参列する生徒への影響も伴うものであった。 (4) 上記教職員が上記職務命令に違反してから上記不合格等までの期間は長期に及んでいない。 |