事件番号平成30(ネ)653
事件名損害賠償請求控訴事件
裁判所大阪高等裁判所 第4民事部
裁判年月日平成30年12月7日
結果棄却
原審裁判所大阪地方裁判所
原審事件番号平成22(ワ)14443
原審結果棄却
事案の概要本件は,控訴人らが,被控訴人は,原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(以下「原爆医療法」という。)に基づき被爆者健康手帳の交付を受けた者が我が国の領域を越えて居住地を移した場合には,原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律(以下「原爆特別措置法」といい,原爆医療法と併せて「原爆二法」という。)は適用されず,原爆特別措置法に基づく健康管理手当等の受給権は失権の取扱いとなるものと定めた「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律及び原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律等の施行について」と題する通達(昭和49年7月22日衛発第402号各都道府県知事並びに広島市長及び長崎市長あて厚生省公衆衛生局長通達。以下「402号通達」という。)を作成,発出し,その後,原爆二法を統合する形で原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(以下「被爆者援護法」といい,原爆二法と併せて「原爆三法」という。)が制定された後も,平成15年3月まで402号通達の上記の定めに従った取扱いを継続したことによって,Aの原爆三法上の「被爆者」としての法的地位ないし権利を違法に侵害してきたなどと主張して,それぞれ,被控訴人に対し,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償として,17万1428円及びこれに対する違法行為の終了日である同月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項の要旨原子爆弾による被爆者の相続人が,国の公務員において,被爆者が国外に居住地を移した場合に健康管理手当等の受給権は失権の取扱いとなる旨定めた通達を作成,発出し,これに従った取扱いを継続したことは違法であるなどと主張して,当該被爆者の死亡日から20年が経過した後に,国家賠償法1条1項に基づき,損害賠償を請求する訴訟を提起した場合において,除斥期間内に当該訴訟を提起することが客観的に可能であったとして,除斥期間について定めた民法724条後段の規定を適用することが著しく正義・公平に反することになるとはいえないとした事例。
なお,参考として,原審判決を別紙1として添付した。
事件番号平成30(ネ)653
事件名損害賠償請求控訴事件
裁判所大阪高等裁判所 第4民事部
裁判年月日平成30年12月7日
結果棄却
原審裁判所大阪地方裁判所
原審事件番号平成22(ワ)14443
原審結果棄却
事案の概要
本件は,控訴人らが,被控訴人は,原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(以下「原爆医療法」という。)に基づき被爆者健康手帳の交付を受けた者が我が国の領域を越えて居住地を移した場合には,原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律(以下「原爆特別措置法」といい,原爆医療法と併せて「原爆二法」という。)は適用されず,原爆特別措置法に基づく健康管理手当等の受給権は失権の取扱いとなるものと定めた「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律及び原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律等の施行について」と題する通達(昭和49年7月22日衛発第402号各都道府県知事並びに広島市長及び長崎市長あて厚生省公衆衛生局長通達。以下「402号通達」という。)を作成,発出し,その後,原爆二法を統合する形で原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(以下「被爆者援護法」といい,原爆二法と併せて「原爆三法」という。)が制定された後も,平成15年3月まで402号通達の上記の定めに従った取扱いを継続したことによって,Aの原爆三法上の「被爆者」としての法的地位ないし権利を違法に侵害してきたなどと主張して,それぞれ,被控訴人に対し,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償として,17万1428円及びこれに対する違法行為の終了日である同月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項の要旨
原子爆弾による被爆者の相続人が,国の公務員において,被爆者が国外に居住地を移した場合に健康管理手当等の受給権は失権の取扱いとなる旨定めた通達を作成,発出し,これに従った取扱いを継続したことは違法であるなどと主張して,当該被爆者の死亡日から20年が経過した後に,国家賠償法1条1項に基づき,損害賠償を請求する訴訟を提起した場合において,除斥期間内に当該訴訟を提起することが客観的に可能であったとして,除斥期間について定めた民法724条後段の規定を適用することが著しく正義・公平に反することになるとはいえないとした事例。
なお,参考として,原審判決を別紙1として添付した。
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