事件番号平成30(わ)2763
事件名傷害致死被告事件
裁判所大阪地方裁判所 第5刑事部
裁判年月日平成31年1月22日
事案の概要本件が特に執拗で無慈悲とまで評価することはできない。生後わずか6か月で,実の父親によって一方的に命を奪われた被害児の無念は察するに余りあり,被害児の死亡という結果はもとより重大である。被害児の母(被告人の本件当時の妻)及び祖母が厳しい処罰感情を抱くのも当然である。被告人は,本件当日,仕事のために家を空けていた妻の代わりに,長男(当時1歳9か月)と被害児の育児を一人で担っており,泣き止まない被害児に苛立ちを募らせ,突発的に本件犯行に及んだと認められるところ,このような動機に酌量すべき事情はない。しかし,被告人は,これまで,不慣れながらも被告人なりに長男及び被害児の育児に努めていたのであり,本件までに虐待を加えたとの事情は認められないこと,本件当時,仕事が繁忙な中で育児を行っており,相当程度ストレスを抱える環境にあったのは理解できることなどを踏まえると,検察官の主張するように,本件犯行の動機や経緯が救いようのないほど悪質とまではいえない。これらの諸事情を踏まえると,本件は,凶器を用いない児童虐待による傷害致死事件の中で,中程度の部類に属する事案である。
事件番号平成30(わ)2763
事件名傷害致死被告事件
裁判所大阪地方裁判所 第5刑事部
裁判年月日平成31年1月22日
事案の概要
本件が特に執拗で無慈悲とまで評価することはできない。生後わずか6か月で,実の父親によって一方的に命を奪われた被害児の無念は察するに余りあり,被害児の死亡という結果はもとより重大である。被害児の母(被告人の本件当時の妻)及び祖母が厳しい処罰感情を抱くのも当然である。被告人は,本件当日,仕事のために家を空けていた妻の代わりに,長男(当時1歳9か月)と被害児の育児を一人で担っており,泣き止まない被害児に苛立ちを募らせ,突発的に本件犯行に及んだと認められるところ,このような動機に酌量すべき事情はない。しかし,被告人は,これまで,不慣れながらも被告人なりに長男及び被害児の育児に努めていたのであり,本件までに虐待を加えたとの事情は認められないこと,本件当時,仕事が繁忙な中で育児を行っており,相当程度ストレスを抱える環境にあったのは理解できることなどを踏まえると,検察官の主張するように,本件犯行の動機や経緯が救いようのないほど悪質とまではいえない。これらの諸事情を踏まえると,本件は,凶器を用いない児童虐待による傷害致死事件の中で,中程度の部類に属する事案である。
このエントリーをはてなブックマークに追加