事件番号平成27(行ウ)250
事件名原爆症認定申請却下処分取消等請求事件
裁判所大阪地方裁判所 第7民事部
裁判年月日平成31年2月28日
事案の概要本件は,原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(以下「被爆者援護法」という。)1条の被爆者である原告らが,厚生労働大臣に対し,被爆者援護法11条1項の規定による厚生労働大臣の認定(以下「原爆症認定」という。)の申請をしたが,同大臣がこれらの申請をいずれも却下したため,被告を相手に,同各却下処分の取消しを求めるとともに,国家賠償法1条1項に基づき,それぞれ100万円及びこれに対する平成27年8月28日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項の要旨【判示事項】
1 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律11条1項に基づく原爆症認定の申請(申請疾病:前立腺がん)を却下する処分が適法であるとされた事例
2 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律11条1項に基づく原爆症認定の申請(申請疾病:狭心症)を却下する処分が違法であるとして取り消された事例

【判決要旨】
1 原告甲は,長崎市に投下された原子爆弾の爆心地から約4.2㎞の自宅において被爆し,被爆6日後に爆心地付近を通過したものであるが,健康に影響を及ぼすような相当程度の被曝をしたとは認められないこと,前立腺がんは,一般的に放射線被曝との関連性が認められる疾病ではあるものの,放射線被曝と関係なく発症し得るそれほど珍しくない疾病であることなどの判示の事情の下では,原告甲の申請疾病(前立腺がん)につき放射線起因性は認められず,原告甲の原爆症の認定の申請を却下した処分は適法である。
2 原告乙は,広島市に原子爆弾が投下された日の夜に入市し,救援活動に従事していたものであり,健康に影響を及ぼすような相当程度の被曝をしたと認められること,原告乙の狭心症は動脈硬化性の安定狭心症であるところ,動脈硬化性の狭心症については放射線被曝との関連性を一般的に肯定することができることなどの判示の事情の下では,原告乙の申請疾病(狭心症)につき放射線起因性が認められ,要医療性も認められるから,原告乙の原爆症の認定の申請を却下した処分は違法である。
事件番号平成27(行ウ)250
事件名原爆症認定申請却下処分取消等請求事件
裁判所大阪地方裁判所 第7民事部
裁判年月日平成31年2月28日
事案の概要
本件は,原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(以下「被爆者援護法」という。)1条の被爆者である原告らが,厚生労働大臣に対し,被爆者援護法11条1項の規定による厚生労働大臣の認定(以下「原爆症認定」という。)の申請をしたが,同大臣がこれらの申請をいずれも却下したため,被告を相手に,同各却下処分の取消しを求めるとともに,国家賠償法1条1項に基づき,それぞれ100万円及びこれに対する平成27年8月28日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項の要旨
【判示事項】
1 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律11条1項に基づく原爆症認定の申請(申請疾病:前立腺がん)を却下する処分が適法であるとされた事例
2 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律11条1項に基づく原爆症認定の申請(申請疾病:狭心症)を却下する処分が違法であるとして取り消された事例

【判決要旨】
1 原告甲は,長崎市に投下された原子爆弾の爆心地から約4.2㎞の自宅において被爆し,被爆6日後に爆心地付近を通過したものであるが,健康に影響を及ぼすような相当程度の被曝をしたとは認められないこと,前立腺がんは,一般的に放射線被曝との関連性が認められる疾病ではあるものの,放射線被曝と関係なく発症し得るそれほど珍しくない疾病であることなどの判示の事情の下では,原告甲の申請疾病(前立腺がん)につき放射線起因性は認められず,原告甲の原爆症の認定の申請を却下した処分は適法である。
2 原告乙は,広島市に原子爆弾が投下された日の夜に入市し,救援活動に従事していたものであり,健康に影響を及ぼすような相当程度の被曝をしたと認められること,原告乙の狭心症は動脈硬化性の安定狭心症であるところ,動脈硬化性の狭心症については放射線被曝との関連性を一般的に肯定することができることなどの判示の事情の下では,原告乙の申請疾病(狭心症)につき放射線起因性が認められ,要医療性も認められるから,原告乙の原爆症の認定の申請を却下した処分は違法である。
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