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事件番号/事件名裁判年月日/裁判所判決書
[高裁] [刑事] 平成30(う)540  143ViewsMoreinfo
建造物侵入,窃盗,特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律違反被告事件
平成30(う)540
マンション各階に設けられたゴミステーションに捨てられたごみ袋の占有が,遅くとも,マンション管理会社から清掃業務の委託を受けた清掃会社がゴミステーションから回収した時点で,それを捨てた者からマンション管理会社等に移転しており,警察官が,マンション管理会社の協力を得るなどした判示事実関係の下では,その所持者から上記ごみ袋の任意提出を受けて領置し,これを開封してその内容物を確認するなどした捜査手続(判文参照)は,適法である。
裁判要旨
平成30年9月5日
東京高等裁判所 第3刑事部
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[高裁] [刑事] 平成29(う)1117  150ViewsMoreinfo
医師法違反被告事件
平成29(う)1117
1 医師法17条にいう「医業」の内容となる医行為とは,医療及び保健指導の目的の下に行われる行為で,その目的に副うと認められるものの中で,医学上の知識と技能を有しない者がみだりにこれを行うときは,保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為をいう。
2 入れ墨(タトゥー)の施術は,医療及び保健指導の目的の下に行われる行為で,その目的に副うと認められるものとはいえず,医師法17条にいう「医業」の内容となる医行為には該当しない。
裁判要旨
平成30年11月14日
大阪高等裁判所 第5刑事部
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[高裁] [刑事] 平成29(う)1821  268ViewsMoreinfo
覚せい剤取締法違反被告事件
平成29(う)1821
女性の着衣を捜索対象とする捜索差押許可状に基づき,その身体に触れて捜索を実施する者が女性警察官のみである場合には,刑訴法115条による成人女性の立会は要しない。
裁判要旨
平成30年2月23日
東京高等裁判所 第3刑事部
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[高裁] [刑事] 平成29(う)128  288ViewsMoreinfo
強盗致傷(認定罪名 恐喝未遂,傷害)被告事件
平成29(う)128
被害者には,解放後された後,主体的に借金全額を肩代わりして支払うという能動的な行為が求められており,暴行,脅迫を加えたのは相当に優位な立場にある被害者に対抗しようとしたものであり,本格的に借金全額の肩代わりを求めたのは,激しい暴行,脅迫が収束した後である可能性があるなどの本件事実関係(判文参照)の下では,それまでに被害者に加えた暴行,脅迫の影響は,反抗を抑圧するに足りる程度のものとは認められない。
裁判要旨
平成29年9月19日
福岡高等裁判所 第1刑事部
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[高裁] [刑事] 平成29(医ほ)13  356ViewsMoreinfo
入院決定に対する抗告申立事件
平成29(医ほ)13
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律は,憲法14条1項,22条1項及び31条に違反しない。
裁判要旨
平成29年7月14日
東京高等裁判所 第5刑事部
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[高裁] [刑事] 平成28(う)598  396ViewsMoreinfo
不正競争防止法違反被告事件
平成28(う)598
特定のファイル形式により電子書籍の影像を配信するにあたり,配信者の提供する特定の影像表示・閲覧ソフトによる特定の変換を必要とするように影像を暗号化して(技術的制限手段)送信する方式の効果は,上記ソフトウェアがインストールされた機器以外の機器では影像の表示ができないことであり,同ソフトウェアが当該機器に対してその表示する影像のキャプチャを不能とする制御を行うのと反対の制御を行うことによって影像のキャプチャを可能ならしめるプログラムは,上記効果を妨げることにより影像の視聴を可能とするものであって,不正競争防止法(平成27年法律第54号による改正前のもの)2条1項10号に規定する技術的制限手段により制限されている影像の視聴を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能を有するプログラムに当たる。
裁判要旨
平成29年12月8日
大阪高等裁判所 第4刑事部
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[高裁] [刑事] 平成28(う)2154  580ViewsMoreinfo
不正競争防止法違反被告事件
平成28(う)2154
高い経済的価値を有する重要な営業秘密を平成27年法律第54号による改正前の不正競争防止法21条1項3号ロの定める態様で領得した行為について,正当な目的がなく,転職先等で直接的又は間接的に営業秘密を参考にする目的がある場合には,同号にいう「不正の利益を得る目的」があったといえる。
裁判要旨
平成30年3月20日
東京高等裁判所 第6刑事部
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[高裁] [刑事] 平成28(う)303  724ViewsMoreinfo
危険運転致死傷被告事件
平成28(う)303
「人又は車の通行を妨害する目的」には,人又は車の自由かつ安全な通行を妨げることを積極的に意図する場合のほか,危険回避のためやむを得ないような状況等もないのに,人又は車の自由かつ安全な通行を妨げる可能性があることを認識しながら,あえて走行中の自動車の直前に進入し,その他通行中の人又は車に著しく接近し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する場合も含まれる。
裁判要旨
平成28年12月13日
大阪高等裁判所
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[高裁] [刑事] 平成28(う)872  739ViewsMoreinfo
児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
平成28(う)872
1 児童の写真を素材にしたコンピュータグラフィックス(以下「CG」という。)画像等における描写が,写真の被写体である児童を描写したといえる程度に,被写体と同一であると認められるときは,全く同一の姿態,ポーズがとられなくても,平成26年法律第79号による改正前の児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律2条3項3号の「児童の姿態」に該当する。
2 児童の写真を素材にしたCG画像等の被写体である児童が,CG画像等の製造の時点及び児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の施行の時点において,18歳以上になっていたとしても,児童ポルノ製造罪は成立する。
裁判要旨
平成29年1月24日
東京高等裁判所
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[高裁] [刑事] 平成28(う)974  745ViewsMoreinfo
不正競争防止法違反被告事件
平成28(う)974
通信教育等を業とする株式会社Aの情報システムの開発等の業務に従事し,その顧客情報にアクセスする権限を付与されていた被告人が,その顧客情報を領得し,その一部を名簿業者に開示したという不正競争防止法違反の事案において,情報セキュリティ研修の実施状況や上記システムの内容等の事実関係の下では,本件顧客情報が株式会社Aの事業活動に活用される営業戦略上重要な情報であって機密にしなければならない情報であることを容易に認識することができたといえ,一定のアクセス制限の措置が取られていたことを併せ考えると,不正競争防止法2条6項にいう「営業秘密」の要件である秘密管理性は満たされていたということができる。
裁判要旨
平成29年3月21日
東京高等裁判所
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[高裁] [刑事] 平成28(う)181  875ViewsMoreinfo
薬事法違反被告事件
平成28(う)181
所持する薬物の薬理作用を認識し,そのような薬理作用があるために当該薬物が薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)2条14項に規定する指定薬物として指定されている薬物と同様に規制され得る同種のものであることを認識し,指定薬物が含有されていないと信じたことに合理的な理由があったなどの特異な事情が認められない場合は,同号に規定する指定薬物を所持する罪の故意が認められる。
裁判要旨
平成28年6月24日
福岡高等裁判所 第1刑事部
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[高裁] [刑事] 平成18(う)1036  944ViewsMoreinfo
各治安維持法違反被告事件
平成18(う)1036
再審の公判であろうとも,免訴の判決に対しては,被告人から無罪を主張して上訴することはできない。
裁判要旨
平成19年1月19日
東京高等裁判所 第8刑事部
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[高裁] [刑事] 平成26(う)698  1031ViewsMoreinfo
刑事訴訟法違反被告事件
平成26(う)698
1 公務執行妨害,傷害被告事件で公訴提起された被告人が,検察官において当該被告事件の審理の準備のために謄写の機会を与えた証拠である実況見分調書貼付の写真に係る複製等をインターネット上の動画投稿サイトに掲載した行為(以下「本件掲載行為」という)に刑事訴訟法281条の5第1項を適用して処罰することは,本件掲載行為の目的,態様等(判文参照)に照らして,必要かつ合理的でやむを得ないものといえるから,憲法21条1項に反しない。
2 刑事訴訟法281条の4第1項にいう当該被告事件の審理の準備に使用する目的とは,被告人及び弁護人が,当該被告事件において,検察官手持ち証拠の内容を把握し,その証拠能力,証明力等を検討して検察官の主張立証に対する反論反証の準備を行い,開示証拠を契機として被告人に有利な主張立証を準備する目的をいう。
3 被告人が当該被告事件における証拠等の問題点を指摘して一般の支援を求めて本件掲載行為を行うことは,当該被告事件の審理の準備に使用する目的による使用には当たらず,刑事訴訟法281条の5第1項に該当する。
裁判要旨
平成26年12月12日
東京高等裁判所 第3刑事部
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[高裁] [刑事] 平成27(う)1017  1104ViewsMoreinfo
業務上過失致死被告事件
平成27(う)1017
1 本件事案の概要等について
 本件は,社団法人甲(当時)が認定する「上級登攀ガイド」の資格を備え,山岳ガイドの業務に従事していた被告人が,富山県黒部市内の祖母谷温泉から白馬岳,朝日岳,栂海新道を経て親不知に抜ける5泊6日の有料登山ツアーを企画,主催し,当時53歳から67歳までの5名の女性登山客を引率し,1名の山岳ガイド見習いを随行させ,登山1日目の行程として,平成18年10月7日午前5時過ぎ頃,降雨の中,祖母谷温泉山小屋から長野県北安曇郡白馬村内の白馬岳山頂直下の白馬山荘を目指して,夏山の晴天時に想定される標準的なコースタイムが約9時間30分とされる登山コースの登山を開始し,午前10時15分ころ不帰岳山頂直下の避難小屋を経由し,高度2000mから2500mになる清水尾根を経て清水岳山頂直下まで進み,さらに旭岳山頂直下を経て白馬山荘に向かったが,その登山道上で,天候悪化のため,上記登山客らを強風,みぞれ,吹雪等にさらさせて追従,歩行ができない状態に陥らせ,そのうち4名を低体温症で死亡させるに至ったという遭難事故について,被告人に業務上過失致死の責任が問われた事案である。
 原判決は,本件登山の前日には気象状態の悪化を予想する天気情報が出ていたこと,登山開始時から降雨が続いていたこと,この時期の北アルプスの天候,登山コースの地形的特徴,被害者らの装備などに照らせば,被告人と同等の立場にある通常の山岳ガイドとしては,登山を続行すれば天候悪化により被害者らが稜線上で強風,みぞれ,吹雪等にさらされて凍死に至る危険性を予見することができたから,被告人には,遅くとも清水尾根の途中において登山を中止して不帰岳の避難小屋に引き返すなどして遭難事故の発生を未然に防止すべき業務上の注意義務があるとして,その義務に違反して,登山を中止することなく,漫然登山客らを不十分な装備のまま引率して登山を続行して遭難事故を生じさせた被告人の過失を認め,4名に対する業務上過失致死罪が成立するとした。
 (中略)
 2 結果の予見可能性について
  弁護人は,本件においては結果の予見可能性がなかったとして,以下のように主張する。
 すなわち,低体温症は,寒さ,体の濡れ,風という3つの条件下にさらされ続けた場合に発症しやすいとされるところ,被害者らは,白馬山荘手前約293m又は約157mの地点までは到達し,その地点で強風により移動が困難な状況に陥ったものであり,衣服の防寒性能は風の強さによっても大きく影響されるのであるから,現場の風の強弱により因果的結果の発生の可能性に大きな差が生じ得るものといえ,本件では,死亡に至る因果的経過において,現場で移動困難なほどの強風が吹いていたことが大きな要素となるのであるから,本件で過失の前提となる予見可能性は,単に冬型の気圧配置からの天候の悪化のおそれを認識し得たというだけではなく,人命を奪うような風速30m以上の暴風雪を受ける可能性を認識し得たことを要するというべきである。
 ところが,遭難当日には,日本の南岸にあった温帯低気圧が三陸沖を通過する際に台風並みに発達し,後に「爆発的低気圧」としてテレビ番組内で特集が組まれるほどの,特異な気象状況であったもので,そのために通常の冬型の気圧配置となった場合に想定される吹雪にとどまらず,本件遭難現場における移動を困難とするような激しい暴風雪がもたらされたものであるから,それによる死亡という因果の経過について予見することはできなかった。
 実際,前日に富山駅及び祖母谷温泉山小屋で被告人が見たテレビの天気予報の天気図によれば,本州南岸にあった温帯低気圧は東に抜けて天気は回復に向かうと考えられたから,現に生じたような強風等はもちろんのこと,遭難の危険を生ずるような天候の悪化を予想することはできなかったもので,天気が回復に向かうとの予想を立てたことは,一般人の知見において十分起こり得るところである。
  結果の予見可能性の内容について
  原判決が認定した結果の予見可能性の内容は,次のとおりである。
  すなわち,「前日には,本州南岸の温帯低気圧が発達を続けながらゆっくりと北上するとの発表も出されていた上,10月上旬の北アルプスは,降雪がある時期で,前記登山行程においても強風,みぞれ,吹雪等の気象状態の悪化が予想されたことに加え,前記清水尾根の途中からは樹木帯がなくなり,強風,みぞれ,吹雪等から逃れるための避難小屋のない中,稜線上を前記白馬山荘まで進行するコースとなることや,前記清水尾根の途中までの本件登山中の気象状態及び前記登山客の装備等からすれば,有料登山ツアーである本件登山等を企画,主催し,前記登山客を引率する山岳ガイドとしては,このまま本件登山を続行すれば,前記登山客が強風,みぞれ,吹雪,低気温等にさらされるなどして追従,歩行が困難となり,凍死に至る危険を予想することができた。」
 これに対し,所論によれば,原判決の認定のように気象状態の悪化の可能性とそれが現実化した場合に遭難事故となる危険を予見し得たとしても,現に生じたような著しい天候の悪化により移動を困難とするような厳しい暴風雪となることまで予見することができない限り,被告人に過失は認められない,ということになる。しかし,そのような所論には到底賛同することができない。
 すなわち,本件遭難事故は,本件有料登山ツアーを企画,主催し,山岳ガイドとして登山客らを引率していた被告人が,本件登山を続行する中で天候の悪化に見舞われて発生したものであるから,登山客を引率して登山を続行した被告人の行為が遭難事故の原因となったものといえる。このような被告人に対して過失責任を問うためには,普通に注意をしていれば天候の悪化による遭難事故の発生を予見することができたにもかかわらず,必要な注意を欠いてその予見をせずに登山を続行した,といえることが必要と考えられる。そして,遭難事故となる危険性のあるような天候の悪化が予見できれば,遭難事故を避けるために登山を中止することが期待できるのであるから,過失判断の前提としての予見の内容としては,「遭難事故となる危険性のあるような天候の悪化の可能性」で足り,それ以上に「現に生じたような著しい天候の悪化の可能性」は予見の対象とならないというべきである。
 これと概ね同旨の原判決の判断は正当であり,所論は理由がない。
  被告人の予見可能性について
 所論は,被告人が前日に富山駅等で見たテレビの天気予報の天気図によれば,本州南岸にあった温帯低気圧は東に抜けて天気は回復に向かうと予想され,一般人の知見において,現に生じたような強風等はもちろんのこと,遭難の危険を生ずるような天候の悪化を予想することはできなかった旨をいう。
 このうち,現に生じたような強風等の予見可能性が,被告人の過失の有無を判断する前提とならないことは,既に判示したとおりである。
 そこで,本件の際に,遭難事故となる危険性のあるような天候の悪化の可能性が予見できたかという点について検討する。
 原判決の認定及び原審記録によれば,以下のとおり認められる。
 すなわち,10月上旬の時期に,温帯低気圧が三陸沖に北上すれば本州付近は冬型の気圧配置となって天候が悪化し,北アルプスの山岳地帯では吹雪等となる可能性があることは,被告人と同等の立場にある通常の山岳ガイドであれば当然に承知している事柄である。被告人もそのこと自体の認識に欠けていたわけではない。そして,本件遭難事故の前日には,本州南岸の温帯低気圧が発達を続けながらゆっくりと北上するとの気象予報も出されていた。また,本件登山コースは,不帰岳山頂直下の避難小屋を過ぎ清水尾根を進むと,その途中から森林限界を超え,風雨をさえぎるもののない稜線上を進行する状態となるが,不帰岳山頂直下の避難小屋から白馬山荘に至るまで,夏山の晴天時に想定される標準的なコースタイムで4時間30分程度を要するとされる行程の途中には避難する場所はないというものである。このような本件登山コースの地形的特徴等は,登山ツアーを引率する通常の山岳ガイドであれば当然に把握しているべき事情であり,被告人も,本件登山の2年前に同じコースを登った経験もあって,熟知していた。また,被害者らは,遭難当時,雨具は着用していたものの,その下には,強風や吹雪にさらされても耐えられるような防寒具は着用していなかった。そして,外気が10℃以下で皮膚表面が濡れ,風に当たるという条件が重なると低体温症になり,これらの条件が長時間続いた場合には死に至る危険があるところ,このような低体温症の原因や危険性などに関する基本的な知識は,通常の山岳ガイドであれば備えているべきものであり,被告人も,その基本的な認識に欠けるところはなかった。
以上によれば,被告人と同等の立場にある通常の山岳ガイドであれば,本州南岸の温帯低気圧が発達を続けながらゆっくりと北上することによって,本州付近が冬型の気圧配置になり,天候が悪化し,本件登山コース上で,登山客らが強風,みぞれ,吹雪等にさらされ,低体温症に陥って,追従,歩行が困難となり,遭難事故により死亡するに至る危険を予見することは可能であったと考えられる。
裁判要旨
平成27年10月30日
東京高等裁判所 第5刑事部
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[高裁] [刑事] 平成27(う)1872  1123ViewsMoreinfo
窃盗,建造物侵入被告事件
平成27(う)1872
警察官らが,身柄を拘束されておらず,相手が警察官であることを認識していない被告人に対し,そのDNA型検査の資料を得るため,紙コップを手渡してお茶を飲むように勧め,そのまま廃棄されるものと考えた被告人から同コップを回収し,唾液を採取した本件行為は,合理的に推認される被告人の黙示の意思に反して個人識別情報をむやみに捜査機関によって認識されないという重要な利益を侵害しており,強制処分に該当し,令状によることなくされた本件行為は違法である上,本件行為及びこれに引き続く一連の手続(判文参照)には,令状主義の精神を没却する重大な違法があり,逮捕後に任意提出された口腔内細胞のDNA型に関する本件鑑定書を証拠として許容することは将来における違法捜査の抑制の見地から相当でなく,本件鑑定書は違法収集証拠として証拠能力を否定すべきである。
裁判要旨
平成28年8月23日
東京高等裁判所 第4刑事部
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[高裁] [刑事] 平成28(う)493  1129ViewsMoreinfo
児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反,強制わいせつ,犯罪による収益の移転防止に関する法律違反被告事件
平成28(う)493
客観的に被害者の性的自由を侵害する行為がなされ,犯人がその旨認識していれば,犯人に性的意図が認められないにしても,強制わいせつ罪が成立する。
裁判要旨
平成28年10月27日
大阪高等裁判所
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[高裁] [刑事] 平成23(う)773  1147ViewsMoreinfo
住居侵入,強盗殺人被告事件
平成23(う)773
金品を強奪する目的で,被害者方へ侵入し,室内で寝ていた被害者の首を包丁で突き刺して殺害した被告人の犯行は,強固な殺意に基づく冷酷非情なものであるが,妻子二人を殺害して懲役20年に処せられた前科を除けば,被害者が1名であり,被害者方への侵入時には殺意があったとは確定できない本件が,死刑を選択するのが相当な事案とはいい難く,被告人の前科は無期懲役刑に準ずるような相当長期の有期懲役刑で,被告人はその刑の執行を終了しており,前科の事案が夫婦間の口論の末の殺人とそれを原因とする無理心中であって利欲目的の本件強盗殺人とは社会的にみて類似性は認められないことなどを考えると,一般情状である前科を重視して死刑を選択することには疑問があり,原判決には人の生命を奪った前科があることを過度に重視しすぎた結果,死刑の選択もやむを得ないとした誤りがある。
裁判要旨
平成25年6月20日
東京高等裁判所 第10刑事部
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[高裁] [刑事] 平成28(う)727  1153ViewsMoreinfo
有印私文書偽造,有印公文書偽造,建造物損壊,非現住建造物等放火被告事件
平成28(う)727
差し押えたパソコンに対する検証許可状を得て,差押え後に把握したパスワードを用いてサーバにアクセスし,メール等を閲覧,保存した警察官の行為は,検証許可状に基づいて行うことができない強制処分を行ったものであり,パソコンを差し押さえた捜索差押許可状にはいわゆるリモートアクセスによる複写の処分が許可されていたことなどを考慮しても,違法の程度は重大であるとして,検証調書等の証拠能力を否定したものの,弁護人が証拠排除を求めたその他の証拠については,本件検証がなくても,捜査機関がそれらの証拠を取得することが可能であったと認められるため,本件検証と密接な関連性がないとして,証拠能力を認めた原判決の判断は是認できる。
裁判要旨
平成28年12月7日
東京高等裁判所
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[高裁] [刑事] 平成25(う)1464  1194ViewsMoreinfo
覚せい剤取締法違反,関税法違反被告事件
平成25(う)1464
税関職員が犯則事件の調査において作成した書面は,検証の結果を記載した書面と性質が同じであると認められる限り,刑訴法321条3項所定の書面に含まれる。
裁判要旨
平成26年3月13日
東京高等裁判所 第10刑事部
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[高裁] [下級] [労働] 平成17(行コ)310  1211ViewsMoreinfo
公務外認定処分取消請求控訴事件(通称 地公災基金神奈川県支部長公務外認定処分取消)
平成17(行コ)310
加齢及び日常的な公務の負荷による微小外傷の蓄積のために頸椎椎間板の変性がある県立養護学校の教諭が,公務として重症心身障害の脳性麻痺児を抱きかかえて頸肩腕に大きな負荷のかかる姿勢で水分補給の介助を行い,頸椎椎間板ヘルニアを発症した場合につき,(1) 介助の対象となった小学生の児童が首の据わっていない肢体不自由児であり,上記教諭は,膝の上に上記児童を乗せてその首に負担がかからないように,その頭部,頸部及び体幹を強い力で抱きかかえ,自分の頸部をねじ曲げて上記児童の表情をのぞき込んで話しかけながら,左腕で頭部を包み込むようにして上記児童の上半身の姿勢を安定させ,左示指及び中指により口唇の開閉動作を介助し,右手に持ったスプーンで少量ずつ口元に水分を運んでいたこと,介助を開始後,上記児童が,急激に,ふだんより強い力で全身を大きく反り返らせたため,上記教諭は,膝の上から落ちないように左腕に強く力を入れて上記児童の上体を支えるとともに,右手に持ったスプーンの水が上記児童にかからないように頸部をねじ曲げたまま上体に力を入れて上記児童を保護する姿勢を保ち,頸部に強い痛みと左手の甲にしびれを感じながら約20分間介助を続け,この間,上記児童が同様の大きな反り返りの動きを3,4回強い力で繰り返し,介助を終えたときには,上記教諭に頸部の痛み及び左頸肩腕のしびれが残ったこと,(2) 上記教諭は,その数か月後にも別の小学生の児童で首の据わっていない肢体不自由児を抱きかかえて上記と同様の姿勢で右手でミニコップにより水分を補給中,上記児童が,急激に,全身を硬直させて強い力で突っ張らせる動きをしたため,上記教諭は,頭部を保護するとともに上記児童の緊張を解いて関節の屈曲を保つため,頸部をねじ曲げたまま左上肢に強く力を入れ,水を誤嚥しないように左腕に強く力を入れて上記児童を支える姿勢をとり,頸部に強い痛みを覚え,左肩腕から左手の甲にかけて痛み及びしびれを感じながら約20分間介助を続け,この間,上記児童が同様の動作を何回も繰り返し,介助を終えたときには,上記教諭に頸部及び左頸肩腕に強い痛み,しびれ及びこりが残ったことなど,判示の事実関係の下では,上記教諭が行った上記各介助は,頸椎椎間板の変性を加齢及び長年の微小外傷の蓄積に基づく自然の経過を超えて増悪させ,その結果として頸椎椎間板ヘルニアを発症させたもので,頸椎椎間板ヘルニアの発症との間に相当因果関係があり,当該頸椎椎間板ヘルニアは公務上の疾病に当たる。
裁判要旨
平成18年10月25日
東京高等裁判所
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