事件番号平成23(う)222
事件名覚せい剤取締法違反
裁判所福岡高等裁判所 第1刑事部
裁判年月日平成24年5月16日
結果破棄自判
原審裁判所福岡地方裁判所小倉支部
原審事件番号平成22(わ)408
原審結果その他
判示事項の要旨強制採尿令状を執行中の捜査官らが,携帯電話機で外部の者と連絡を取ろうとした被告人から強制力を用いて携帯電話機を取り上げ,さらに,被告人からの携帯電話機の返却要求を拒んだ行為は,いずれも刑事訴訟法111条1項の「必要な処分」には当たらず,違法と言わざるを得ないが,その際,被告人が知り合いの弁護士に連絡する意図を有していたか疑問があるし,捜査官らは被告人が弁護士に連絡しようとしていたことを知らなかったから,捜査官らが故意に被告人の弁護人依頼権を侵害したとみることはできない上,捜査官らが被告人から取り上げた携帯電話機を返却するまでの時間は多く見積もっても40分程度であったこと,捜査官らの行為は被告人が携帯電話機で外部の者に連絡し暴力団関係者を呼び寄せて強制採尿令状の円滑な執行を妨害するのを防止するのに必要なものであったこと,ただ,その手段がやや行き過ぎたに過ぎなかったことにも照らすと,その違法の程度が重大であるとはいえないだけでなく,捜査官らに令状主義を没却する意思があったともいえないとして,捜査官らの行為が被告人の弁護人依頼権を侵害したことを理由に強制採尿令状によって採取された尿に関する鑑定書を違法収集証拠として証拠から排除した1審判決を破棄し,同鑑定書に証拠能力を認めて被告人を有罪とした事例
事件番号平成23(う)222
事件名覚せい剤取締法違反
裁判所福岡高等裁判所 第1刑事部
裁判年月日平成24年5月16日
結果破棄自判
原審裁判所福岡地方裁判所小倉支部
原審事件番号平成22(わ)408
原審結果その他
判示事項の要旨
強制採尿令状を執行中の捜査官らが,携帯電話機で外部の者と連絡を取ろうとした被告人から強制力を用いて携帯電話機を取り上げ,さらに,被告人からの携帯電話機の返却要求を拒んだ行為は,いずれも刑事訴訟法111条1項の「必要な処分」には当たらず,違法と言わざるを得ないが,その際,被告人が知り合いの弁護士に連絡する意図を有していたか疑問があるし,捜査官らは被告人が弁護士に連絡しようとしていたことを知らなかったから,捜査官らが故意に被告人の弁護人依頼権を侵害したとみることはできない上,捜査官らが被告人から取り上げた携帯電話機を返却するまでの時間は多く見積もっても40分程度であったこと,捜査官らの行為は被告人が携帯電話機で外部の者に連絡し暴力団関係者を呼び寄せて強制採尿令状の円滑な執行を妨害するのを防止するのに必要なものであったこと,ただ,その手段がやや行き過ぎたに過ぎなかったことにも照らすと,その違法の程度が重大であるとはいえないだけでなく,捜査官らに令状主義を没却する意思があったともいえないとして,捜査官らの行為が被告人の弁護人依頼権を侵害したことを理由に強制採尿令状によって採取された尿に関する鑑定書を違法収集証拠として証拠から排除した1審判決を破棄し,同鑑定書に証拠能力を認めて被告人を有罪とした事例
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