事件番号平成22(行ヒ)42
事件名政務調査費返還命令処分取消請求事件
裁判所最高裁判所第二小法廷
裁判年月日平成25年1月25日
裁判種別判決
結果その他
原審裁判所東京高等裁判所
原審事件番号平成21(行コ)2
原審裁判年月日平成21年9月29日
事案の概要本件は,目黒区議会議員である被上告人が,地方自治法(平成20年法律第69号による改正前のもの。以下「法」という。)100条13項の規定に基づく条例である目黒区政務調査費の交付に関する条例(平成13年目黒区条例第5号。平成18年目黒区条例第62号による改正前のもの。以下「本件条例」という。)の規定により平成17年度に交付を受けた政務調査費から被上告人が提起した住民訴訟に関する費用を支出したことにつき,目黒区長から,目黒区政務調査費の交付に関する条例(平成19年目黒区条例第22号による改正前のもの)14条に基づき上記支出の額に相当する金員の返還を命ずる処分(以下「本件処分」という。)を受けたため,本件処分は違法であるとして,その取消しを求める事案である。
判示事項1 区議会議員が区民として提起した住民訴訟の控訴の提起に係る訴訟費用の政務調査費からの支出が,目黒区政務調査費の交付に関する規程(平成13年目黒区議会告示第1号。平成18年目黒区議会告示第1号による改正前のもの)5条及び別表の定める使途基準に適合しないとされた事例
2 区議会議員が区民として提起した住民訴訟の証拠及び参考にするとして区長から開示を受けた区の機関の議事に係る録音テープの反訳及び複製の費用並びに当該住民訴訟の尋問期日における関係者の証言及び供述の反訳費用の政務調査費からの支出が,目黒区政務調査費の交付に関する規程(平成13年目黒区議会告示第1号。平成18年目黒区議会告示第1号による改正前のもの)5条及び別表の定める使途基準に適合しないとはいえないとされた事例
裁判要旨1 区議会議員が区民として提起した住民訴訟の控訴の提起に係る控訴提起手数料の印紙代及び予納すべき送達費用の切手代の政務調査費からの支出は,目黒区政務調査費の交付に関する規程(平成13年目黒区議会告示第1号。平成18年目黒区議会告示第1号による改正前のもの)5条及び別表の定める使途基準の調査研究費又は他の項目に該当せず,同使途基準に適合しない。
2 区議会議員が区民として提起した住民訴訟の証拠及び参考にするとして区長から開示を受けた区の機関の議事に係る録音テープの反訳及び複製の費用並びに当該住民訴訟の尋問期日における関係者の証言及び供述の反訳費用の政務調査費からの支出は,次の(1),(2)など判示の事情の下では,目黒区政務調査費の交付に関する規程(平成13年目黒区議会告示第1号。平成18年目黒区議会告示第1号による改正前のもの)5条及び別表の定める使途基準の資料作成費又は広報費に該当するとみることができ,同使途基準に適合しないとはいえない。
(1) 当該区議会議員は,当該住民訴訟において上記機関の決定を経た区による公有地の売却が違法であるなどと主張するとともに,区議会の審議においてその売却の問題点を究明して議論の対象とするためにその売却に関する質問をするなどの議会活動を行っている。
(2) 上記各反訳等により文書化された資料は,当該住民訴訟とは別途に,当該区議会議員が現に行っている上記の議会活動に関して,同議員の参加する質疑等の議会審議に必要な資料として用いることができるものであり,また,その内容が同議員自身のホームページ等や広報紙に掲載され,上記の議会活動の広報に供する資料として用いられているとみることができるものである。
事件番号平成22(行ヒ)42
事件名政務調査費返還命令処分取消請求事件
裁判所最高裁判所第二小法廷
裁判年月日平成25年1月25日
裁判種別判決
結果その他
原審裁判所東京高等裁判所
原審事件番号平成21(行コ)2
原審裁判年月日平成21年9月29日
事案の概要
本件は,目黒区議会議員である被上告人が,地方自治法(平成20年法律第69号による改正前のもの。以下「法」という。)100条13項の規定に基づく条例である目黒区政務調査費の交付に関する条例(平成13年目黒区条例第5号。平成18年目黒区条例第62号による改正前のもの。以下「本件条例」という。)の規定により平成17年度に交付を受けた政務調査費から被上告人が提起した住民訴訟に関する費用を支出したことにつき,目黒区長から,目黒区政務調査費の交付に関する条例(平成19年目黒区条例第22号による改正前のもの)14条に基づき上記支出の額に相当する金員の返還を命ずる処分(以下「本件処分」という。)を受けたため,本件処分は違法であるとして,その取消しを求める事案である。
判示事項
1 区議会議員が区民として提起した住民訴訟の控訴の提起に係る訴訟費用の政務調査費からの支出が,目黒区政務調査費の交付に関する規程(平成13年目黒区議会告示第1号。平成18年目黒区議会告示第1号による改正前のもの)5条及び別表の定める使途基準に適合しないとされた事例
2 区議会議員が区民として提起した住民訴訟の証拠及び参考にするとして区長から開示を受けた区の機関の議事に係る録音テープの反訳及び複製の費用並びに当該住民訴訟の尋問期日における関係者の証言及び供述の反訳費用の政務調査費からの支出が,目黒区政務調査費の交付に関する規程(平成13年目黒区議会告示第1号。平成18年目黒区議会告示第1号による改正前のもの)5条及び別表の定める使途基準に適合しないとはいえないとされた事例
裁判要旨
1 区議会議員が区民として提起した住民訴訟の控訴の提起に係る控訴提起手数料の印紙代及び予納すべき送達費用の切手代の政務調査費からの支出は,目黒区政務調査費の交付に関する規程(平成13年目黒区議会告示第1号。平成18年目黒区議会告示第1号による改正前のもの)5条及び別表の定める使途基準の調査研究費又は他の項目に該当せず,同使途基準に適合しない。
2 区議会議員が区民として提起した住民訴訟の証拠及び参考にするとして区長から開示を受けた区の機関の議事に係る録音テープの反訳及び複製の費用並びに当該住民訴訟の尋問期日における関係者の証言及び供述の反訳費用の政務調査費からの支出は,次の(1),(2)など判示の事情の下では,目黒区政務調査費の交付に関する規程(平成13年目黒区議会告示第1号。平成18年目黒区議会告示第1号による改正前のもの)5条及び別表の定める使途基準の資料作成費又は広報費に該当するとみることができ,同使途基準に適合しないとはいえない。
(1) 当該区議会議員は,当該住民訴訟において上記機関の決定を経た区による公有地の売却が違法であるなどと主張するとともに,区議会の審議においてその売却の問題点を究明して議論の対象とするためにその売却に関する質問をするなどの議会活動を行っている。
(2) 上記各反訳等により文書化された資料は,当該住民訴訟とは別途に,当該区議会議員が現に行っている上記の議会活動に関して,同議員の参加する質疑等の議会審議に必要な資料として用いることができるものであり,また,その内容が同議員自身のホームページ等や広報紙に掲載され,上記の議会活動の広報に供する資料として用いられているとみることができるものである。
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