事件番号平成24(行コ)424
事件名法人税更正処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成23年(行ウ)第652号)
裁判所東京高等裁判所
裁判年月日平成25年3月14日
事案の概要本件は,控訴人において平成20年10月1日から平成21年9月30日までの事業年度(以下「本件事業年度」という。)中に代表取締役及び取締役に支給した冬期賞与が法人税法34条1項2号の事前確定届出給与に該当するとして,本件事業年度における所得の金額の計算上,これを損金の額に算入して行った法人税の確定申告について,上記賞与は損金の額に算入されないとして,川崎北税務署長から法人税の更正(以下「本件更正」という。)及び過少申告加算税の賦課決定(以下「本件賦課決定」といい,本件更正と併せて「本件更正等」という。)を受けたことについて,上記税務署長において事前確定届出給与該当性の判断を誤った違法があるとして,被控訴人に対し,本件更正のうち上記確定申告中の欠損金額を下回る部分及び本件賦課決定の各取消しを求めた事案である。
判示事項内国法人が事業年度中にその代表取締役及び取締役に対して支給した役員給与のうち冬季賞与は法人税法34条1項2号の事前確定届出給与に該当せず,その額は前記事業年度の所得の金額の計算上,損金の額に算入されないとした法人税の更正処分が,適法とされた事例
裁判要旨内国法人が事業年度中にその代表取締役及び取締役に対して支給した役員給与のうち冬季賞与は法人税法34条1項2号の事前確定届出給与に該当せず,その額は前記事業年度の所得の金額の計算上,損金の額に算入されないとした法人税の更正処分につき,同号の規定によれば,内国法人がその役員に対して支給する給与が事前確定届出給与に該当し,その額が当該内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上,損金の額に算入されるためには,その役員給与がその役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の事前の定めに基づいて支給する給与であることと,政令で定めるところにより納税地の所轄税務署長にその事前の定めの内容に関する届出がされていることとを要するところ,その規定の文言の合理的解釈として,役員給与がこれらの要件を満たすためには,当該役員給与の支給が所轄税務署長に届出がされた事前の定めのとおりにされることを要するというべきところ,当該役員給与の支給が所轄税務署長に届出がされた事前の定めのとおりにされたか否かは,特別の事情がない限り,個々の支給ごとに判定すべきものではなく,当該職務執行期間の全期間を一個の単位として判定すべきものであって,当該職務執行期間に係る当初事業年度又は翌事業年度における全ての支給が事前の定めのとおりにされたときに限り,当該役員給与の支給は事前の定めのとおりにされたこととなり,当該職務執行期間に係る当初事業年度又は翌事業年度における支給中に1回でも事前の定めのとおりにされたものではないものがあるときには,当該役員給与の支給は全体として事前の定めのとおりにされなかったこととなると解するのが相当であるとした上,前記役員給与のうち夏季賞与の支給が所轄税務署長に届出がされた事前の定めのとおりにされなかったのであり,前記特別の事情も認められないから,前記冬季賞与を含む前記役員給与は同号の事前確定届出給与に該当しないとして,前記更正処分を適法とした事例
事件番号平成24(行コ)424
事件名法人税更正処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成23年(行ウ)第652号)
裁判所東京高等裁判所
裁判年月日平成25年3月14日
事案の概要
本件は,控訴人において平成20年10月1日から平成21年9月30日までの事業年度(以下「本件事業年度」という。)中に代表取締役及び取締役に支給した冬期賞与が法人税法34条1項2号の事前確定届出給与に該当するとして,本件事業年度における所得の金額の計算上,これを損金の額に算入して行った法人税の確定申告について,上記賞与は損金の額に算入されないとして,川崎北税務署長から法人税の更正(以下「本件更正」という。)及び過少申告加算税の賦課決定(以下「本件賦課決定」といい,本件更正と併せて「本件更正等」という。)を受けたことについて,上記税務署長において事前確定届出給与該当性の判断を誤った違法があるとして,被控訴人に対し,本件更正のうち上記確定申告中の欠損金額を下回る部分及び本件賦課決定の各取消しを求めた事案である。
判示事項
内国法人が事業年度中にその代表取締役及び取締役に対して支給した役員給与のうち冬季賞与は法人税法34条1項2号の事前確定届出給与に該当せず,その額は前記事業年度の所得の金額の計算上,損金の額に算入されないとした法人税の更正処分が,適法とされた事例
裁判要旨
内国法人が事業年度中にその代表取締役及び取締役に対して支給した役員給与のうち冬季賞与は法人税法34条1項2号の事前確定届出給与に該当せず,その額は前記事業年度の所得の金額の計算上,損金の額に算入されないとした法人税の更正処分につき,同号の規定によれば,内国法人がその役員に対して支給する給与が事前確定届出給与に該当し,その額が当該内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上,損金の額に算入されるためには,その役員給与がその役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の事前の定めに基づいて支給する給与であることと,政令で定めるところにより納税地の所轄税務署長にその事前の定めの内容に関する届出がされていることとを要するところ,その規定の文言の合理的解釈として,役員給与がこれらの要件を満たすためには,当該役員給与の支給が所轄税務署長に届出がされた事前の定めのとおりにされることを要するというべきところ,当該役員給与の支給が所轄税務署長に届出がされた事前の定めのとおりにされたか否かは,特別の事情がない限り,個々の支給ごとに判定すべきものではなく,当該職務執行期間の全期間を一個の単位として判定すべきものであって,当該職務執行期間に係る当初事業年度又は翌事業年度における全ての支給が事前の定めのとおりにされたときに限り,当該役員給与の支給は事前の定めのとおりにされたこととなり,当該職務執行期間に係る当初事業年度又は翌事業年度における支給中に1回でも事前の定めのとおりにされたものではないものがあるときには,当該役員給与の支給は全体として事前の定めのとおりにされなかったこととなると解するのが相当であるとした上,前記役員給与のうち夏季賞与の支給が所轄税務署長に届出がされた事前の定めのとおりにされなかったのであり,前記特別の事情も認められないから,前記冬季賞与を含む前記役員給与は同号の事前確定届出給与に該当しないとして,前記更正処分を適法とした事例
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