事件番号平成23(受)1781
事件名執行判決請求事件
裁判所最高裁判所第一小法廷
裁判年月日平成26年4月24日
裁判種別判決
結果破棄差戻
原審裁判所東京高等裁判所
原審事件番号平成22(ネ)3571
原審裁判年月日平成23年5月11日
事案の概要本件は,上告人が,営業秘密(米国カリフォルニア州の法律におけるもの)の不正な開示及び使用を理由に損害賠償及び差止めを命じた米国の裁判所の判決のうち懲罰的損害賠償を命じた部分を除く部分について,民事執行法24条に基づいて提起した執行判決を求める訴えである。
判示事項1 人事に関する訴え以外の訴えにおける民訴法118条1号のいわゆる間接管轄の有無の判断基準
2 違法行為により権利利益を侵害され又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求に関する訴えと民訴法3条の3第8号の「不法行為に関する訴え」
3 違法行為により権利利益を侵害され又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求に関する訴えにおける民訴法3条の3第8号の「不法行為があった地」の意義
4 違法行為により権利利益を侵害され又は侵害されるおそれがあるとして差止請求を認めた外国裁判所の判決について民訴法118条1号のいわゆる間接管轄の有無を判断する場合において,民訴法3条の3第8号の「不法行為があった地」が当該外国裁判所の属する国にあるというために証明すべき事項
裁判要旨1 人事に関する訴え以外の訴えにおける民訴法118条1号のいわゆる間接管轄の有無については,基本的に我が国の民訴法の定める国際裁判管轄に関する規定に準拠しつつ,個々の事案における具体的事情に即して,外国裁判所の判決を我が国が承認するのが適当か否かという観点から,条理に照らして判断すべきである。
2 民訴法3条の3第8号の「不法行為に関する訴え」は,違法行為により権利利益を侵害され,又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求に関する訴えをも含む。
3 違法行為により権利利益を侵害され,又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求に関する訴えについては,民訴法3条の3第8号の「不法行為があった地」は,違法行為が行われるおそれのある地や,権利利益を侵害されるおそれのある地をも含む。
4 違法行為により権利利益を侵害され,又は侵害されるおそれがあるとして差止請求を認めた外国裁判所の判決について民訴法118条1号のいわゆる間接管轄の有無を判断する場合において,民訴法3条の3第8号の「不法行為があった地」が当該外国裁判所の属する国にあるというためには,被告が原告の権利利益を侵害する行為を同国内で行うおそれがあるか,原告の権利利益が同国内で侵害されるおそれがあるとの客観的事実関係が証明されれば足りる。
事件番号平成23(受)1781
事件名執行判決請求事件
裁判所最高裁判所第一小法廷
裁判年月日平成26年4月24日
裁判種別判決
結果破棄差戻
原審裁判所東京高等裁判所
原審事件番号平成22(ネ)3571
原審裁判年月日平成23年5月11日
事案の概要
本件は,上告人が,営業秘密(米国カリフォルニア州の法律におけるもの)の不正な開示及び使用を理由に損害賠償及び差止めを命じた米国の裁判所の判決のうち懲罰的損害賠償を命じた部分を除く部分について,民事執行法24条に基づいて提起した執行判決を求める訴えである。
判示事項
1 人事に関する訴え以外の訴えにおける民訴法118条1号のいわゆる間接管轄の有無の判断基準
2 違法行為により権利利益を侵害され又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求に関する訴えと民訴法3条の3第8号の「不法行為に関する訴え」
3 違法行為により権利利益を侵害され又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求に関する訴えにおける民訴法3条の3第8号の「不法行為があった地」の意義
4 違法行為により権利利益を侵害され又は侵害されるおそれがあるとして差止請求を認めた外国裁判所の判決について民訴法118条1号のいわゆる間接管轄の有無を判断する場合において,民訴法3条の3第8号の「不法行為があった地」が当該外国裁判所の属する国にあるというために証明すべき事項
裁判要旨
1 人事に関する訴え以外の訴えにおける民訴法118条1号のいわゆる間接管轄の有無については,基本的に我が国の民訴法の定める国際裁判管轄に関する規定に準拠しつつ,個々の事案における具体的事情に即して,外国裁判所の判決を我が国が承認するのが適当か否かという観点から,条理に照らして判断すべきである。
2 民訴法3条の3第8号の「不法行為に関する訴え」は,違法行為により権利利益を侵害され,又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求に関する訴えをも含む。
3 違法行為により権利利益を侵害され,又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求に関する訴えについては,民訴法3条の3第8号の「不法行為があった地」は,違法行為が行われるおそれのある地や,権利利益を侵害されるおそれのある地をも含む。
4 違法行為により権利利益を侵害され,又は侵害されるおそれがあるとして差止請求を認めた外国裁判所の判決について民訴法118条1号のいわゆる間接管轄の有無を判断する場合において,民訴法3条の3第8号の「不法行為があった地」が当該外国裁判所の属する国にあるというためには,被告が原告の権利利益を侵害する行為を同国内で行うおそれがあるか,原告の権利利益が同国内で侵害されるおそれがあるとの客観的事実関係が証明されれば足りる。
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