事件番号平成26(行ウ)71
事件名除去命令処分取消等請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成27年1月16日
事案の概要本件は,原告が,別紙2物件目録記載の建物(以下「本件建物」という。)の5階にある居室を賃借した上,本件建物の5階通路部分に木製本棚等を,7階塔屋部分にスチール製ロッカー等を設置していたところ,処分行政庁が,平成26年1月15日付けで,原告に対し,消防法5条の3第1項に基づき,上記本棚等及びロッカー等の設置物を除去することを命ずる処分(以下「本件処分」という。)をしたことから,原告が,被告に対し,本件処分は,火災予防上の危険や消防活動上の支障がないにもかかわらず発せられた違法な処分であるなどと主張して,本件処分の取消しを求めるとともに,本件処分が原告に対して発せられたことを公示する標識(以下「本件標識」という。)によって原告の信用が毀損されたとして,国家賠償法1条1項に基づき慰謝料相当損害金及び遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項1 (1つ目の判示事項)
 消防法5条の3第1項に基づき,雑居ビルの5階通路部分に設置された木製本棚2台及び同本棚に収納された書籍等並びに7階塔屋部分に設置されたスチール製ロッカー2台のうちの1台及び同ロッカー2台に収納されていた冊子等の設置物を除去することを命じた処分の取消請求が,一部認容された事例

2 (2つ目の判示事項)
 消防法5条の3第1項に基づき,雑居ビルの5階通路部分に設置された木製本棚2台及び同本棚に収納された書籍等並びに7階塔屋部分に設置されたスチール製ロッカー2台のうちの1台及び同ロッカー2台に収納されていた冊子等の設置物を除去することを命じた処分が違法であり,上記処分が発せられたことを公示する標識によって,その信用が毀損されたとして,都に対してされた国家賠償請求が,一部認容された事例
裁判要旨1 (1つ目の要旨)
 消防法5条の3第1項に基づき,雑居ビルの5階通路部分に設置された木製本棚2台及び同本棚に収納された書籍等並びに7階塔屋部分に設置されたスチール製ロッカー2台のうちの1台及び同ロッカー2台に収納されていた冊子等の設置物を除去することを命じた処分の取消請求につき,上記ロッカー2台に収納されていた冊子等は,消防法5条の3第1項の「火災の予防に危険である」物件にも,「消火,避難その他消防の活動に支障になる」物件にも当たらず,また,上記ロッカー1台は,同項の「消火,避難その他消防の活動に支障になる」物件に当たらないから,上記処分のうち,上記ロッカー1台及び上記ロッカー2台に収納されていた冊子等の設置物を除去することを命じた部分は,消防法5条の3第1項の要件を欠くとして,上記請求を一部認容した事例

2 (2つ目の要旨)
 消防法5条の3第1項に基づき,雑居ビルの5階通路部分に設置された木製本棚2台及び同本棚に収納された書籍等並びに7階塔屋部分に設置されたスチール製ロッカー2台のうちの1台及び同ロッカー2台に収納されていた冊子等の設置物を除去することを命じた処分が違法であり,上記処分が発せられたことを公示する標識によって,その信用が毀損されたとして,都に対してされた国家賠償請求につき,上記処分のうち,上記ロッカー1台及び上記ロッカー2台に収納されていた冊子等の設置物を除去することを命じた部分が違法であり,当該判断は,消防法5条の3第1項の解釈適用を誤り,また,総務省消防庁が作成した「立入検査標準マニュアル・違反処理標準マニュアル」のうちの違反処理基準が挙げる例そのものに従ったともいい難いものであることをも勘案すると,職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく,漫然と職務を遂行したものといわざるを得ず,上記標識の貼付は,上記ロッカー等を除去を求める部分に限って国家賠償法上も違法であるなどとして,上記請求を一部認容した事例
事件番号平成26(行ウ)71
事件名除去命令処分取消等請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成27年1月16日
事案の概要
本件は,原告が,別紙2物件目録記載の建物(以下「本件建物」という。)の5階にある居室を賃借した上,本件建物の5階通路部分に木製本棚等を,7階塔屋部分にスチール製ロッカー等を設置していたところ,処分行政庁が,平成26年1月15日付けで,原告に対し,消防法5条の3第1項に基づき,上記本棚等及びロッカー等の設置物を除去することを命ずる処分(以下「本件処分」という。)をしたことから,原告が,被告に対し,本件処分は,火災予防上の危険や消防活動上の支障がないにもかかわらず発せられた違法な処分であるなどと主張して,本件処分の取消しを求めるとともに,本件処分が原告に対して発せられたことを公示する標識(以下「本件標識」という。)によって原告の信用が毀損されたとして,国家賠償法1条1項に基づき慰謝料相当損害金及び遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項
1 (1つ目の判示事項)
 消防法5条の3第1項に基づき,雑居ビルの5階通路部分に設置された木製本棚2台及び同本棚に収納された書籍等並びに7階塔屋部分に設置されたスチール製ロッカー2台のうちの1台及び同ロッカー2台に収納されていた冊子等の設置物を除去することを命じた処分の取消請求が,一部認容された事例

2 (2つ目の判示事項)
 消防法5条の3第1項に基づき,雑居ビルの5階通路部分に設置された木製本棚2台及び同本棚に収納された書籍等並びに7階塔屋部分に設置されたスチール製ロッカー2台のうちの1台及び同ロッカー2台に収納されていた冊子等の設置物を除去することを命じた処分が違法であり,上記処分が発せられたことを公示する標識によって,その信用が毀損されたとして,都に対してされた国家賠償請求が,一部認容された事例
裁判要旨
1 (1つ目の要旨)
 消防法5条の3第1項に基づき,雑居ビルの5階通路部分に設置された木製本棚2台及び同本棚に収納された書籍等並びに7階塔屋部分に設置されたスチール製ロッカー2台のうちの1台及び同ロッカー2台に収納されていた冊子等の設置物を除去することを命じた処分の取消請求につき,上記ロッカー2台に収納されていた冊子等は,消防法5条の3第1項の「火災の予防に危険である」物件にも,「消火,避難その他消防の活動に支障になる」物件にも当たらず,また,上記ロッカー1台は,同項の「消火,避難その他消防の活動に支障になる」物件に当たらないから,上記処分のうち,上記ロッカー1台及び上記ロッカー2台に収納されていた冊子等の設置物を除去することを命じた部分は,消防法5条の3第1項の要件を欠くとして,上記請求を一部認容した事例

2 (2つ目の要旨)
 消防法5条の3第1項に基づき,雑居ビルの5階通路部分に設置された木製本棚2台及び同本棚に収納された書籍等並びに7階塔屋部分に設置されたスチール製ロッカー2台のうちの1台及び同ロッカー2台に収納されていた冊子等の設置物を除去することを命じた処分が違法であり,上記処分が発せられたことを公示する標識によって,その信用が毀損されたとして,都に対してされた国家賠償請求につき,上記処分のうち,上記ロッカー1台及び上記ロッカー2台に収納されていた冊子等の設置物を除去することを命じた部分が違法であり,当該判断は,消防法5条の3第1項の解釈適用を誤り,また,総務省消防庁が作成した「立入検査標準マニュアル・違反処理標準マニュアル」のうちの違反処理基準が挙げる例そのものに従ったともいい難いものであることをも勘案すると,職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく,漫然と職務を遂行したものといわざるを得ず,上記標識の貼付は,上記ロッカー等を除去を求める部分に限って国家賠償法上も違法であるなどとして,上記請求を一部認容した事例
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