事件番号平成26(行ウ)290
事件名療養給付不支給決定取消請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成27年12月15日
事案の概要本件は,会社の代表取締役で健康保険の被保険者である原告が,当該会社が請け負った避難道路整備工事に従事していた際に事故で負傷したことから,保険医療機関及び保険薬局(以下「保険医療機関等」という。)において療養の給付を受けたところ,被告から,上記事故による原告の負傷は健康保険法1条(平成25年法律第26号(以下「平成25年改正法」という。)による改正前のもの。以下同じ。)の「業務外の事由による疾病,負傷」に該当するとは認められないとして,上記療養の給付について,保険給付を支給しない旨の決定(以下「本件不支給決定」という。)を受けたため,本件不支給決定は違法であると主張して,その取消しを求める事案である。
判示事項1 健康保険の被保険者である会社の代表者が負傷に関して療養の給付を受けた場合において,代表者に対してされた療養の給付の不支給決定に裁量逸脱の違法があるとはいえないとされた事例

2 健康保険法1条(平成25年法律第26号による改正前のもの)が法人の代表者等の業務上の事由による負傷等を保険給付の対象としていないことと憲法14条及び25条
裁判要旨1 健康保険の被保険者である会社の代表者が負傷に関して療養の給付を受けた場合において,次の(1)から(3)など判示の事情の下では,代表者に対してされた療養の給付の不支給決定に裁量逸脱の違法があるとはいえない。
(1) 代表者の負傷は避難道路整備工事に従事していた際の事故によるものであり,健康保険法1条(平成25年法律第26号による改正前のもの)が規定する「業務外の事由」による負傷に該当しない。
(2) 「法人の代表者等に対する健康保険の適用について」と題する通知(平成15年7月1日保発第0701002号・厚生労働省保険局長通知)は,被保険者が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者等であって,一般の従業員と著しく異ならないような労務に従事している者については,その者の業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病に関しても,健康保険による保険給付の対象とする旨定めている。
(3) 本件会社の健康保険の被保険者は,事故当時,5人であった。

2 健康保険法1条(平成25年法律第26号による改正前のもの)が,法人の代表者等の業務上の事由による負傷等を保険給付の対象としていないことは,憲法14条及び25条に違反しない。
事件番号平成26(行ウ)290
事件名療養給付不支給決定取消請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成27年12月15日
事案の概要
本件は,会社の代表取締役で健康保険の被保険者である原告が,当該会社が請け負った避難道路整備工事に従事していた際に事故で負傷したことから,保険医療機関及び保険薬局(以下「保険医療機関等」という。)において療養の給付を受けたところ,被告から,上記事故による原告の負傷は健康保険法1条(平成25年法律第26号(以下「平成25年改正法」という。)による改正前のもの。以下同じ。)の「業務外の事由による疾病,負傷」に該当するとは認められないとして,上記療養の給付について,保険給付を支給しない旨の決定(以下「本件不支給決定」という。)を受けたため,本件不支給決定は違法であると主張して,その取消しを求める事案である。
判示事項
1 健康保険の被保険者である会社の代表者が負傷に関して療養の給付を受けた場合において,代表者に対してされた療養の給付の不支給決定に裁量逸脱の違法があるとはいえないとされた事例

2 健康保険法1条(平成25年法律第26号による改正前のもの)が法人の代表者等の業務上の事由による負傷等を保険給付の対象としていないことと憲法14条及び25条
裁判要旨
1 健康保険の被保険者である会社の代表者が負傷に関して療養の給付を受けた場合において,次の(1)から(3)など判示の事情の下では,代表者に対してされた療養の給付の不支給決定に裁量逸脱の違法があるとはいえない。
(1) 代表者の負傷は避難道路整備工事に従事していた際の事故によるものであり,健康保険法1条(平成25年法律第26号による改正前のもの)が規定する「業務外の事由」による負傷に該当しない。
(2) 「法人の代表者等に対する健康保険の適用について」と題する通知(平成15年7月1日保発第0701002号・厚生労働省保険局長通知)は,被保険者が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者等であって,一般の従業員と著しく異ならないような労務に従事している者については,その者の業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病に関しても,健康保険による保険給付の対象とする旨定めている。
(3) 本件会社の健康保険の被保険者は,事故当時,5人であった。

2 健康保険法1条(平成25年法律第26号による改正前のもの)が,法人の代表者等の業務上の事由による負傷等を保険給付の対象としていないことは,憲法14条及び25条に違反しない。
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