事件番号平成26(行ウ)486
事件名小石川植物園周辺道路整備工事公金支出差止等請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成27年12月15日
事案の概要本件は,東京都文京区の住民である原告らが,同区内にある東京大学大学院理学系研究科附属植物園(以下「小石川植物園」という。)の周辺道路について同区が行っている整備工事(以下「本件周辺道路整備工事」という。)は,同植物園の環境に与える影響について何ら配慮することなく実施されており,環境基本法等の法令の趣旨・目的に鑑み,文京区が負う環境配慮義務に違反するなどとして,被告文京区長(以下「被告区長」という。)に対し,未だ工事の完成していない同植物園の西側道路の整備工事(以下「本件西側道路整備工事」という。)に係る公金の支出(支出命令を除く。)の差止め(請求1)を求め,被告文京区土木部管理課長(以下「被告管理課長」という。)に対し,同工事に係る公金の支出命令の差止め(請求2)を求めるとともに,被告区長に対し,文京区が国立大学法人東京大学(以下「東京大学」という。)との間で締結した「小石川植物園と区道の整備に関する基本協定書」による基本協定(以下「本件基本協定」という。)に基づき締結するものとされている年度協定(以下「本件年度協定」という。)のうち,平成28年度分以降のものの締結の差止め(請求3)を求める住民訴訟である。
判示事項国立大学の附属植物園の周辺道路について特別区が行う整備工事について,特別区が同大学との間で,同大学が同植物園の一部の用地を無償で道路法の適用を受ける道路とすることを承諾することなどを内容とする基本協定を締結したことが違法であり,その違法を原因として後続する上記整備工事に係る支出負担行為及び支出命令も違法となるなどとして,地方自治法242条の2第1項1号に基づき,特別区長等に対してされた上記支出負担行為及び支出命令の差止請求が棄却された事例
裁判要旨国立大学の附属植物園の周辺道路について特別区が行う整備工事に関し,特別区が同大学との間で,同大学が同植物園の一部の用地を無償で道路法の適用を受ける道路とすることを承諾することなどを内容とする基本協定を締結したことは,同協定に従ってその後の工事を行った場合に同植物園の環境の保全等が図れなくなるというだけの事情があるとはいえないなど判示の事情の下では,特別区が裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用したものとはいえず,違法ではないから,上記基本協定の違法を原因として後続する上記整備工事に係る支出負担行為及び支出命令が違法となるものではない。
事件番号平成26(行ウ)486
事件名小石川植物園周辺道路整備工事公金支出差止等請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成27年12月15日
事案の概要
本件は,東京都文京区の住民である原告らが,同区内にある東京大学大学院理学系研究科附属植物園(以下「小石川植物園」という。)の周辺道路について同区が行っている整備工事(以下「本件周辺道路整備工事」という。)は,同植物園の環境に与える影響について何ら配慮することなく実施されており,環境基本法等の法令の趣旨・目的に鑑み,文京区が負う環境配慮義務に違反するなどとして,被告文京区長(以下「被告区長」という。)に対し,未だ工事の完成していない同植物園の西側道路の整備工事(以下「本件西側道路整備工事」という。)に係る公金の支出(支出命令を除く。)の差止め(請求1)を求め,被告文京区土木部管理課長(以下「被告管理課長」という。)に対し,同工事に係る公金の支出命令の差止め(請求2)を求めるとともに,被告区長に対し,文京区が国立大学法人東京大学(以下「東京大学」という。)との間で締結した「小石川植物園と区道の整備に関する基本協定書」による基本協定(以下「本件基本協定」という。)に基づき締結するものとされている年度協定(以下「本件年度協定」という。)のうち,平成28年度分以降のものの締結の差止め(請求3)を求める住民訴訟である。
判示事項
国立大学の附属植物園の周辺道路について特別区が行う整備工事について,特別区が同大学との間で,同大学が同植物園の一部の用地を無償で道路法の適用を受ける道路とすることを承諾することなどを内容とする基本協定を締結したことが違法であり,その違法を原因として後続する上記整備工事に係る支出負担行為及び支出命令も違法となるなどとして,地方自治法242条の2第1項1号に基づき,特別区長等に対してされた上記支出負担行為及び支出命令の差止請求が棄却された事例
裁判要旨
国立大学の附属植物園の周辺道路について特別区が行う整備工事に関し,特別区が同大学との間で,同大学が同植物園の一部の用地を無償で道路法の適用を受ける道路とすることを承諾することなどを内容とする基本協定を締結したことは,同協定に従ってその後の工事を行った場合に同植物園の環境の保全等が図れなくなるというだけの事情があるとはいえないなど判示の事情の下では,特別区が裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用したものとはいえず,違法ではないから,上記基本協定の違法を原因として後続する上記整備工事に係る支出負担行為及び支出命令が違法となるものではない。
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