事件番号平成26(行ヒ)494
事件名遺族補償給付等不支給処分取消請求事件
裁判所最高裁判所第二小法廷
裁判年月日平成28年7月8日
裁判種別判決
結果破棄自判
原審裁判所東京高等裁判所
原審事件番号平成26(行コ)163
原審裁判年月日平成26年9月10日
事案の概要本件は,株式会社A(以下「本件会社」という。)に勤務していた労働者であるBが交通事故により死亡したことに関し,その妻である上告人が,労働者災害補償保険法に基づく遺族補償給付及び葬祭料の支給を請求したところ,行橋労働基準監督署長から,Bの死亡は業務上の事由によるものに当たらないとして,これらを支給しない旨の決定(以下「本件決定」という。)を受けたため,その取消しを求める事案である。
判示事項労働者が,業務を一時中断して事業場外で行われた研修生の歓送迎会に途中から参加した後,当該業務を再開するため自動車を運転して事業場に戻る際に,研修生をその住居まで送る途上で発生した交通事故により死亡したことが,労働者災害補償保険法1条,12条の8第2項の業務上の事由による災害に当たるとされた事例
裁判要旨労働者が,業務を一時中断して事業場外で行われた研修生の歓送迎会に途中から参加した後,当該業務を再開するため自動車を運転して事業場に戻る際に,研修生をその住居まで送る途上で発生した交通事故により死亡したことは,次の⑴~⑶など判示の事情の下においては,労働者災害補償保険法1条,12条の8第2項の業務上の事由による災害に当たる。
⑴ 上記労働者が業務を一時中断して上記歓送迎会に途中から参加した後に事業場に戻ることになったのは,上司から歓送迎会への参加を打診された際に,業務に係る資料の提出期限が翌日に迫っていることを理由に断ったにもかかわらず,歓送迎会に参加してほしい旨の強い意向を示されるなどしたためであった。
⑵ 上記歓送迎会は,事業主が事業との関連で親会社の中国における子会社から研修生を定期的に受け入れるに当たり,上司の発案により,研修生と従業員との親睦を図る目的で開催されてきたものであって,従業員及び研修生の全員が参加し,その費用が事業主の経費から支払われるなどしていた。
⑶ 上記労働者は,事業主の所有する自動車を運転して研修生をその住居まで送っていたところ,研修生を送ることは,歓送迎会の開催に当たり,上司により行われることが予定されていたものであり,その経路は,事業場に戻る経路から大きく逸脱するものではなかった。
事件番号平成26(行ヒ)494
事件名遺族補償給付等不支給処分取消請求事件
裁判所最高裁判所第二小法廷
裁判年月日平成28年7月8日
裁判種別判決
結果破棄自判
原審裁判所東京高等裁判所
原審事件番号平成26(行コ)163
原審裁判年月日平成26年9月10日
事案の概要
本件は,株式会社A(以下「本件会社」という。)に勤務していた労働者であるBが交通事故により死亡したことに関し,その妻である上告人が,労働者災害補償保険法に基づく遺族補償給付及び葬祭料の支給を請求したところ,行橋労働基準監督署長から,Bの死亡は業務上の事由によるものに当たらないとして,これらを支給しない旨の決定(以下「本件決定」という。)を受けたため,その取消しを求める事案である。
判示事項
労働者が,業務を一時中断して事業場外で行われた研修生の歓送迎会に途中から参加した後,当該業務を再開するため自動車を運転して事業場に戻る際に,研修生をその住居まで送る途上で発生した交通事故により死亡したことが,労働者災害補償保険法1条,12条の8第2項の業務上の事由による災害に当たるとされた事例
裁判要旨
労働者が,業務を一時中断して事業場外で行われた研修生の歓送迎会に途中から参加した後,当該業務を再開するため自動車を運転して事業場に戻る際に,研修生をその住居まで送る途上で発生した交通事故により死亡したことは,次の⑴~⑶など判示の事情の下においては,労働者災害補償保険法1条,12条の8第2項の業務上の事由による災害に当たる。
⑴ 上記労働者が業務を一時中断して上記歓送迎会に途中から参加した後に事業場に戻ることになったのは,上司から歓送迎会への参加を打診された際に,業務に係る資料の提出期限が翌日に迫っていることを理由に断ったにもかかわらず,歓送迎会に参加してほしい旨の強い意向を示されるなどしたためであった。
⑵ 上記歓送迎会は,事業主が事業との関連で親会社の中国における子会社から研修生を定期的に受け入れるに当たり,上司の発案により,研修生と従業員との親睦を図る目的で開催されてきたものであって,従業員及び研修生の全員が参加し,その費用が事業主の経費から支払われるなどしていた。
⑶ 上記労働者は,事業主の所有する自動車を運転して研修生をその住居まで送っていたところ,研修生を送ることは,歓送迎会の開催に当たり,上司により行われることが予定されていたものであり,その経路は,事業場に戻る経路から大きく逸脱するものではなかった。
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