事件番号平成26(行ウ)465
事件名公文書不開示処分取消等請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成28年7月27日
事案の概要本件変更決定がされる前の本件決定を特に指示する場合には「本件従前決定」という。)をした。本件は,原告が,本件変更決定がされた後の本件決定には違法がある旨の主張をして,そのうち,いまだ公開されていない部分に係る部分の取消しを求める(以下「本件取消請求」という。)とともに,渋谷区長がいまだ公開されていない部分を公開する旨の決定をすべき旨を命ずることを求め(以下「本件義務付け請求」という。),また,本件従前決定には違法があるところ,これにより原告は精神的損害を受けたなどの旨の主張をして,被告に対し,国家賠償法1条1項の規定に基づき,慰謝料及び弁護士費用の合計120万円並びにこれに対する本件従前決定の日からの民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める(以下「本件国家賠償請求」という。)事案である。
判示事項1 不動産の鑑定評価書にある不動産鑑定業者の契印,社印及び代表取締役印の各印影が渋谷区情報公開条例6条3号に定める非公開情報に当たるとされた事例
2 不動産の鑑定評価書にある不動産鑑定士の署名及び同人の印鑑により顕出された印影が渋谷区情報公開条例6条4号に定める非公開情報に当たるとされた事例
3 不動産の鑑定評価書にある鑑定評価の対象となった土地の登記簿上の所有者である個人の氏名が渋谷区情報公開条例6条2号に定める非公開情報に当たらないとされた事例
4 不動産の鑑定評価書において鑑定評価のための資料として取り上げられた取引事例の所在地,地積,取引価格,取引時点等の事項のうち,取引価格以外のものは渋谷区情報公開条例6条2号又は3号に定める非公開情報に当たるが,取引価格は同条2号又は3号に定める非公開情報に当たらないとされた事例
裁判要旨1 不動産の鑑定評価書にある不動産鑑定業者の契印,社印及び代表取締役印の各印影について,これを顕出した印鑑が,厳重に管理されており,重要な書類にのみ押捺されることとされている等の事情の下においては,これが広く公開されると,これを用いて文書の偽造がされることなどにより,当該不動産鑑定業者の権利又は正当な利益が害される相当の蓋然性があるとして,渋谷区情報公開条例6条3号に定める非公開情報に当たるとされた事例
2 不動産の鑑定評価書にある不動産鑑定士の署名及び同人の印鑑により顕出された印影について,その印鑑が,不動産鑑定士がその資格に基づき作成する書類に押捺するものであり,不動産鑑定業者の代表取締役印等と同様に厳重に管理されていること等の事情の下においては,これが広く公開されると,これを用いて鑑定評価書の偽造がされることなどにより,当該不動産鑑定士の権利又は正当な利益が害される相当の蓋然性があるとして,渋谷区情報公開条例6条4号に定める非公開情報に当たるとされた事例
3 不動産の鑑定評価書にある鑑定評価の対象となった土地の登記簿上の所有者である個人の氏名について,既に公にされていた情報によって当該土地の位置が特定し得る状況にあったこと等の事情の下においては,法令の規定により公にされている情報であるとして,渋谷区情報公開条例6条2号に定める非公開情報に当たらないとされた事例
4 不動産の鑑定評価書において「取引事例比較法による比準価格」の算定のための資料として取り上げられた取引事例の所在地,地積,取引価格,取引時点等の事項のうち,取引価格以外のものについて,そのいずれかが公開されると,①土地の所有者が個人の場合,登記簿等から得られる情報と照合することにより,特定の個人を識別することができるとして,渋谷区情報公開条例6条2号に定める非公開情報に当たる,②土地の所有者が法人の場合,取引をした特定の法人を識別することができることにより,当該法人の競争上の地位を害する相当の蓋然性があるとして,同条3号に定める非公開情報に当たる,取引価格について,当該鑑定評価書には1平方メートル当たりの価格が記載されていること等の事情の下においては,それが公開されても,①土地の所有者が個人の場合,公にされている情報等と照合することによって,特定の個人を識別することができるものであるとはいい難いとして,同条2号に定める非公開情報に当たらない,②土地の所有者が法人の場合,公にされている情報等と照合することによって,取引をした特定の法人を識別することができるものであるとはいい難く,当該法人の競争上の地位を害する相当の蓋然性があるとはいえないとして,同条3号に定める非公開情報に当たらないとされた事例
事件番号平成26(行ウ)465
事件名公文書不開示処分取消等請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成28年7月27日
事案の概要
本件変更決定がされる前の本件決定を特に指示する場合には「本件従前決定」という。)をした。本件は,原告が,本件変更決定がされた後の本件決定には違法がある旨の主張をして,そのうち,いまだ公開されていない部分に係る部分の取消しを求める(以下「本件取消請求」という。)とともに,渋谷区長がいまだ公開されていない部分を公開する旨の決定をすべき旨を命ずることを求め(以下「本件義務付け請求」という。),また,本件従前決定には違法があるところ,これにより原告は精神的損害を受けたなどの旨の主張をして,被告に対し,国家賠償法1条1項の規定に基づき,慰謝料及び弁護士費用の合計120万円並びにこれに対する本件従前決定の日からの民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める(以下「本件国家賠償請求」という。)事案である。
判示事項
1 不動産の鑑定評価書にある不動産鑑定業者の契印,社印及び代表取締役印の各印影が渋谷区情報公開条例6条3号に定める非公開情報に当たるとされた事例
2 不動産の鑑定評価書にある不動産鑑定士の署名及び同人の印鑑により顕出された印影が渋谷区情報公開条例6条4号に定める非公開情報に当たるとされた事例
3 不動産の鑑定評価書にある鑑定評価の対象となった土地の登記簿上の所有者である個人の氏名が渋谷区情報公開条例6条2号に定める非公開情報に当たらないとされた事例
4 不動産の鑑定評価書において鑑定評価のための資料として取り上げられた取引事例の所在地,地積,取引価格,取引時点等の事項のうち,取引価格以外のものは渋谷区情報公開条例6条2号又は3号に定める非公開情報に当たるが,取引価格は同条2号又は3号に定める非公開情報に当たらないとされた事例
裁判要旨
1 不動産の鑑定評価書にある不動産鑑定業者の契印,社印及び代表取締役印の各印影について,これを顕出した印鑑が,厳重に管理されており,重要な書類にのみ押捺されることとされている等の事情の下においては,これが広く公開されると,これを用いて文書の偽造がされることなどにより,当該不動産鑑定業者の権利又は正当な利益が害される相当の蓋然性があるとして,渋谷区情報公開条例6条3号に定める非公開情報に当たるとされた事例
2 不動産の鑑定評価書にある不動産鑑定士の署名及び同人の印鑑により顕出された印影について,その印鑑が,不動産鑑定士がその資格に基づき作成する書類に押捺するものであり,不動産鑑定業者の代表取締役印等と同様に厳重に管理されていること等の事情の下においては,これが広く公開されると,これを用いて鑑定評価書の偽造がされることなどにより,当該不動産鑑定士の権利又は正当な利益が害される相当の蓋然性があるとして,渋谷区情報公開条例6条4号に定める非公開情報に当たるとされた事例
3 不動産の鑑定評価書にある鑑定評価の対象となった土地の登記簿上の所有者である個人の氏名について,既に公にされていた情報によって当該土地の位置が特定し得る状況にあったこと等の事情の下においては,法令の規定により公にされている情報であるとして,渋谷区情報公開条例6条2号に定める非公開情報に当たらないとされた事例
4 不動産の鑑定評価書において「取引事例比較法による比準価格」の算定のための資料として取り上げられた取引事例の所在地,地積,取引価格,取引時点等の事項のうち,取引価格以外のものについて,そのいずれかが公開されると,①土地の所有者が個人の場合,登記簿等から得られる情報と照合することにより,特定の個人を識別することができるとして,渋谷区情報公開条例6条2号に定める非公開情報に当たる,②土地の所有者が法人の場合,取引をした特定の法人を識別することができることにより,当該法人の競争上の地位を害する相当の蓋然性があるとして,同条3号に定める非公開情報に当たる,取引価格について,当該鑑定評価書には1平方メートル当たりの価格が記載されていること等の事情の下においては,それが公開されても,①土地の所有者が個人の場合,公にされている情報等と照合することによって,特定の個人を識別することができるものであるとはいい難いとして,同条2号に定める非公開情報に当たらない,②土地の所有者が法人の場合,公にされている情報等と照合することによって,取引をした特定の法人を識別することができるものであるとはいい難く,当該法人の競争上の地位を害する相当の蓋然性があるとはいえないとして,同条3号に定める非公開情報に当たらないとされた事例
このエントリーをはてなブックマークに追加