事件番号平成25(行ウ)833
事件名違法建築物除却命令義務付け請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成28年2月12日
事案の概要本件は,本件建築物の近隣住民である原告らが,本件建築物は建築基準法上「一の建築物」であり,また,本件建築物には高さ制限など建築基準法令の規定に違反する違法があって,特定行政庁において建築主に対し本件建築物全部の除却を命ずべきであると主張して,延べ面積1万㎡を超える建築物に係る特定行政庁である東京都知事を処分行政庁として,その所属する被告東京都に対し,当該除却命令の義務付けを求める事案である。
判示事項10棟の建物から構成される共同住宅が建築基準法施行令1条1号にいう「一の建築物」に当たるものとは認められないとされた事例
裁判要旨10棟の建物から構成される共同住宅(各棟とも鉄筋コンクリート造地上6階,地下2階)について次(1)の~(3)など判示の事情が認められるときは,社会通念上,一体性があるとはいえず,建築基準法施行令1条1号にいう「一の建築物」に当たらない。
(1) 各棟ごとに屋根,柱,壁等を有しており,各棟を接続する通路は地下1階よりも上階に存在せず,地表部分のうち地上2階以上は各棟の間に約2.5mの離隔があることからすれば,外観上,それぞれ別個の建築物といえること。
(2) 物理的に応力を伝える連結方法がされているのは地下2階のみであり,地下1階以上の接合部においては相互に応力を伝えない構造方法であるエキスパンションジョイントを用いられていることからすれば,構造上の独立性を有すること。
(3) 居住者は,平常時の利用方法において,一部の棟に存在するエントランス部分や利便施設を共用するが,各棟の住居部分には独立した専用設備が設けられ,居住者が相互に共用するという要素に乏しく,避難経路に関して個別性が確保されており,機能上の一体性の程度は必ずしも高いものではないこと。
事件番号平成25(行ウ)833
事件名違法建築物除却命令義務付け請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成28年2月12日
事案の概要
本件は,本件建築物の近隣住民である原告らが,本件建築物は建築基準法上「一の建築物」であり,また,本件建築物には高さ制限など建築基準法令の規定に違反する違法があって,特定行政庁において建築主に対し本件建築物全部の除却を命ずべきであると主張して,延べ面積1万㎡を超える建築物に係る特定行政庁である東京都知事を処分行政庁として,その所属する被告東京都に対し,当該除却命令の義務付けを求める事案である。
判示事項
10棟の建物から構成される共同住宅が建築基準法施行令1条1号にいう「一の建築物」に当たるものとは認められないとされた事例
裁判要旨
10棟の建物から構成される共同住宅(各棟とも鉄筋コンクリート造地上6階,地下2階)について次(1)の~(3)など判示の事情が認められるときは,社会通念上,一体性があるとはいえず,建築基準法施行令1条1号にいう「一の建築物」に当たらない。
(1) 各棟ごとに屋根,柱,壁等を有しており,各棟を接続する通路は地下1階よりも上階に存在せず,地表部分のうち地上2階以上は各棟の間に約2.5mの離隔があることからすれば,外観上,それぞれ別個の建築物といえること。
(2) 物理的に応力を伝える連結方法がされているのは地下2階のみであり,地下1階以上の接合部においては相互に応力を伝えない構造方法であるエキスパンションジョイントを用いられていることからすれば,構造上の独立性を有すること。
(3) 居住者は,平常時の利用方法において,一部の棟に存在するエントランス部分や利便施設を共用するが,各棟の住居部分には独立した専用設備が設けられ,居住者が相互に共用するという要素に乏しく,避難経路に関して個別性が確保されており,機能上の一体性の程度は必ずしも高いものではないこと。
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