事件番号平成25(行ウ)618等
事件名租税協定に基づく情報交換要請取消等請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成29年2月17日
事案の概要本件は,Z1及びZ2(以下「Z4夫婦」という。)の平成21年分ないし平成23年分の所得税の調査に関連して,国税庁長官官房国際業務課長(以下「国際業務課長」という。)が,所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定(以下「日星租税協定」という。)及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とオランダ王国との間の条約(以下「日蘭租税条約」といい,日星租税協定と合わせて「本件各租税条約」という。)に基づき,シンガポール共和国(以下「シンガポール」という。)及びオランダ王国(以下「オランダ」という。)に対し,Z4夫婦の家族又は関係会社である原告らに関係する情報を要請したことについて,原告らが,当該情報要請は本件各租税条約に違反してされたものであり,これらにより自身ないし顧客のプライバシーその他の権利利益を侵害されると主張して,①その取消しを求め(平成25年事件請求(1),平成27年事件請求(1)。以下「本件各取消請求」という。),②これらの情報要請により一切の情報を交換されない地位にあることの確認(平成25年事件請求(2),平成27年事件請求(2))及び本件各租税条約に基づき自身に関して得られた資料を被告及び関係行政庁に利用されない地位にあることの確認を求める(平成25年事件請求(3),平成27年事件請求(3)。以下,②の各確認請求を「本件各確認請求」と総称する。)とともに,③国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項に基づき,原告Z3において精神的損害の,原告MAM及び原告マキスにおいて財産的及び非財産的損害(原告マキスにおいてはその一部)の各賠償を求める(平成25年事件請求(4)(5),平成27年事件請求(4)。以下「本件各国賠請求」という。)事案である。
判示事項1 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定26条1項及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とオランダ王国との間の条約25条1項に基づき,我が国が要請国としてする情報の要請行為と抗告訴訟の対象
2 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定26条1項及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とオランダ王国との間の条約25条1項に基づき,我が国が要請国としてする情報の要請行為により情報を交換されない地位にあることの確認並びに上記協定及び上記条約に基づき得られた資料を利用されない地位にあることの確認を求める訴えの適否
裁判要旨1 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定26条1項及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とオランダ王国との間の条約25条1項に基づき,我が国が要請国としてする情報の要請行為は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらない。
2 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定26条1項及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とオランダ王国との間の条約25条1項に基づき,我が国が要請国としてする情報の要請行為により情報を交換されない地位にあることの確認並びに上記協定及び上記条約に基づき得られた資料を利用されない地位にあることの確認を求める訴えは,公法上の法律関係に関する予防的確認の訴えとして,不適法である。
事件番号平成25(行ウ)618等
事件名租税協定に基づく情報交換要請取消等請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成29年2月17日
事案の概要
本件は,Z1及びZ2(以下「Z4夫婦」という。)の平成21年分ないし平成23年分の所得税の調査に関連して,国税庁長官官房国際業務課長(以下「国際業務課長」という。)が,所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定(以下「日星租税協定」という。)及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とオランダ王国との間の条約(以下「日蘭租税条約」といい,日星租税協定と合わせて「本件各租税条約」という。)に基づき,シンガポール共和国(以下「シンガポール」という。)及びオランダ王国(以下「オランダ」という。)に対し,Z4夫婦の家族又は関係会社である原告らに関係する情報を要請したことについて,原告らが,当該情報要請は本件各租税条約に違反してされたものであり,これらにより自身ないし顧客のプライバシーその他の権利利益を侵害されると主張して,①その取消しを求め(平成25年事件請求(1),平成27年事件請求(1)。以下「本件各取消請求」という。),②これらの情報要請により一切の情報を交換されない地位にあることの確認(平成25年事件請求(2),平成27年事件請求(2))及び本件各租税条約に基づき自身に関して得られた資料を被告及び関係行政庁に利用されない地位にあることの確認を求める(平成25年事件請求(3),平成27年事件請求(3)。以下,②の各確認請求を「本件各確認請求」と総称する。)とともに,③国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項に基づき,原告Z3において精神的損害の,原告MAM及び原告マキスにおいて財産的及び非財産的損害(原告マキスにおいてはその一部)の各賠償を求める(平成25年事件請求(4)(5),平成27年事件請求(4)。以下「本件各国賠請求」という。)事案である。
判示事項
1 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定26条1項及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とオランダ王国との間の条約25条1項に基づき,我が国が要請国としてする情報の要請行為と抗告訴訟の対象
2 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定26条1項及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とオランダ王国との間の条約25条1項に基づき,我が国が要請国としてする情報の要請行為により情報を交換されない地位にあることの確認並びに上記協定及び上記条約に基づき得られた資料を利用されない地位にあることの確認を求める訴えの適否
裁判要旨
1 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定26条1項及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とオランダ王国との間の条約25条1項に基づき,我が国が要請国としてする情報の要請行為は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらない。
2 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定26条1項及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とオランダ王国との間の条約25条1項に基づき,我が国が要請国としてする情報の要請行為により情報を交換されない地位にあることの確認並びに上記協定及び上記条約に基づき得られた資料を利用されない地位にあることの確認を求める訴えは,公法上の法律関係に関する予防的確認の訴えとして,不適法である。
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