事件番号平成25(行ウ)779
事件名障害年金不支給決定取消請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成28年1月21日
事案の概要本件は,原告が,処分行政庁に対し,頸椎症性脊髄症(以下「本件傷病」という。)により,主位的には障害認定日である平成14年1月5日に国民年金法(以下「国年法」という。)及び厚生年金保険法(以下「厚年法」という。)所定の障害等級に該当する程度の障害の状態にあったとして,予備的には上記障害認定日後に上記障害の状態に至ったとして,国年法所定の障害基礎年金並びに厚年法所定の障害厚生年金及び障害手当金(以下,障害基礎年金,障害厚生年金及び障害手当金の給付を併せて「障害給付」という。)の各裁定の請求(以下,これらの裁定の請求を併せて「本件裁定請求」という。)をしたところ,処分行政庁から,平成24年2月28日付けで,障害認定日及び裁定請求日における原告の本件傷病による障害の状態は国年法及び厚年法所定の障害等級に該当する程度のものではないことを理由として,障害認定日及び事後重症による障害給付をいずれも不支給とする旨の各決定を受けたことから,主位的に,上記各決定のうち,障害認定日による障害厚生年金を不支給とする旨の決定(以下「本件不支給決定」という。)の取消しを,予備的に,上記各決定のうち,事後重症による障害厚生年金を不支給とする旨の決定の取消しを求める事案である。
判示事項頸椎症性脊髄症による下肢の痙性麻痺の障害の状態が,障害認定日の時点において,厚生年金保険法施行令別表第1の12号の「前各号に掲げるもののほか,身体の機能に,労働が著しい制限を受けるか,又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」に該当するものであったとして,当該障害の状態が障害等級3級に該当する程度のものではないとしてされた障害厚生年金の不支給決定が取り消された事例
裁判要旨頸椎症性脊髄症による下肢の痙性麻痺の障害の状態につき,各下肢について障害の程度を個別に評価し,各下肢の日常生活動作の障害,関節可動域及び関節運動筋力の制限の程度のほか,障害による労働能力の制限の程度を総合的に考慮すれば,当該障害の状態は,障害認定日の時点において,「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」(昭和61年庁保発第15号保険部長通知。平成14年庁保発第12号による改正後のもの。)が障害等級3級に該当する程度の障害の状態として例示する「一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの」に相当するものであり,厚生年金保険法施行令別表第1の12号の「前各号に掲げるもののほか,身体の機能に,労働が著しく制限を受けるか,又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」に該当するものであったというべきであるから,当該障害の状態が障害等級3級に該当する程度のものではないとしてされた障害厚生年金の不支給決定は違法である。
事件番号平成25(行ウ)779
事件名障害年金不支給決定取消請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成28年1月21日
事案の概要
本件は,原告が,処分行政庁に対し,頸椎症性脊髄症(以下「本件傷病」という。)により,主位的には障害認定日である平成14年1月5日に国民年金法(以下「国年法」という。)及び厚生年金保険法(以下「厚年法」という。)所定の障害等級に該当する程度の障害の状態にあったとして,予備的には上記障害認定日後に上記障害の状態に至ったとして,国年法所定の障害基礎年金並びに厚年法所定の障害厚生年金及び障害手当金(以下,障害基礎年金,障害厚生年金及び障害手当金の給付を併せて「障害給付」という。)の各裁定の請求(以下,これらの裁定の請求を併せて「本件裁定請求」という。)をしたところ,処分行政庁から,平成24年2月28日付けで,障害認定日及び裁定請求日における原告の本件傷病による障害の状態は国年法及び厚年法所定の障害等級に該当する程度のものではないことを理由として,障害認定日及び事後重症による障害給付をいずれも不支給とする旨の各決定を受けたことから,主位的に,上記各決定のうち,障害認定日による障害厚生年金を不支給とする旨の決定(以下「本件不支給決定」という。)の取消しを,予備的に,上記各決定のうち,事後重症による障害厚生年金を不支給とする旨の決定の取消しを求める事案である。
判示事項
頸椎症性脊髄症による下肢の痙性麻痺の障害の状態が,障害認定日の時点において,厚生年金保険法施行令別表第1の12号の「前各号に掲げるもののほか,身体の機能に,労働が著しい制限を受けるか,又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」に該当するものであったとして,当該障害の状態が障害等級3級に該当する程度のものではないとしてされた障害厚生年金の不支給決定が取り消された事例
裁判要旨
頸椎症性脊髄症による下肢の痙性麻痺の障害の状態につき,各下肢について障害の程度を個別に評価し,各下肢の日常生活動作の障害,関節可動域及び関節運動筋力の制限の程度のほか,障害による労働能力の制限の程度を総合的に考慮すれば,当該障害の状態は,障害認定日の時点において,「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」(昭和61年庁保発第15号保険部長通知。平成14年庁保発第12号による改正後のもの。)が障害等級3級に該当する程度の障害の状態として例示する「一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの」に相当するものであり,厚生年金保険法施行令別表第1の12号の「前各号に掲げるもののほか,身体の機能に,労働が著しく制限を受けるか,又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」に該当するものであったというべきであるから,当該障害の状態が障害等級3級に該当する程度のものではないとしてされた障害厚生年金の不支給決定は違法である。
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