事件番号平成30(ネ)658
事件名損害賠償請求控訴事件
裁判所大阪高等裁判所 第3民事部
裁判年月日平成30年12月20日
結果棄却
原審裁判所大阪地方裁判所
原審事件番号平成27(ワ)4480
原審結果棄却
事案の概要本件は,控訴人ら及び原審原告B2が,被控訴人は,原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(原爆医療法)に基づき被爆者健康手帳の交付を受けた者が我が国の領域を越えて居住地を移した場合には,原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律(原爆特別措置法。原爆医療法と併せて原爆二法)は適用されず,原爆特別措置法に基づく健康管理手当等の受給権は失権の取扱いとなるものと定めた「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律及び原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律等の施行について」と題する通達(昭和49年7月22日衛発第402号各都道府県知事並びに広島市長及び長崎市長あて厚生省衛生局長通達,402号通達)を作成,発出し,その後,原爆二法を統合する形で原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(原爆二法と併せて原爆三法)が制定された後も,平成15年3月まで402号通達の上記の定めに従った取扱いを継続したことによって,A1らの原爆三法上の「被爆者」としての法的地位又は権利を違法に侵害してきたなどと主張して,それぞれ,被控訴人に対し,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求として,原判決別紙請求目録記載の各金員及びこれらに対する違法行為の終了日である同月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
判示事項の要旨原子爆弾の被爆者の相続人が,国の公務員において,被爆者が国外に居住地を移した場合に健康管理手当等の受給権は失権の取扱いとなる旨定めた通達を作成,発出し,これに従った取扱いを継続したことは違法であるなどと主張して,当該被爆者の死亡日から20年が経過した後に,国家賠償法1条1項に基づき,損害賠償を請求する訴訟を提起した場合において,民法724条後段に規定される除斥期間内に当該権利を行使することに障害があり,かつ,除斥期間の経過をもって権利が消滅するという効果を発生させることが著しく正義・公正に反するとは認めるに足りないとした事例(本判決と同一争点に関する大阪高等裁判所平成30年(ネ)第653号・同年12月7日第4民事部判決は,その原審判決と併せて,下級裁判所裁判例速報において紹介されている。本判決の原審判決と上記第4民事部判決の原審判決は同一の裁判体が言い渡したもので,両者の判示内容も同一である。そのため,本判決では原審判決の紹介は割愛した。)。
事件番号平成30(ネ)658
事件名損害賠償請求控訴事件
裁判所大阪高等裁判所 第3民事部
裁判年月日平成30年12月20日
結果棄却
原審裁判所大阪地方裁判所
原審事件番号平成27(ワ)4480
原審結果棄却
事案の概要
本件は,控訴人ら及び原審原告B2が,被控訴人は,原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(原爆医療法)に基づき被爆者健康手帳の交付を受けた者が我が国の領域を越えて居住地を移した場合には,原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律(原爆特別措置法。原爆医療法と併せて原爆二法)は適用されず,原爆特別措置法に基づく健康管理手当等の受給権は失権の取扱いとなるものと定めた「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律及び原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律等の施行について」と題する通達(昭和49年7月22日衛発第402号各都道府県知事並びに広島市長及び長崎市長あて厚生省衛生局長通達,402号通達)を作成,発出し,その後,原爆二法を統合する形で原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(原爆二法と併せて原爆三法)が制定された後も,平成15年3月まで402号通達の上記の定めに従った取扱いを継続したことによって,A1らの原爆三法上の「被爆者」としての法的地位又は権利を違法に侵害してきたなどと主張して,それぞれ,被控訴人に対し,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求として,原判決別紙請求目録記載の各金員及びこれらに対する違法行為の終了日である同月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
判示事項の要旨
原子爆弾の被爆者の相続人が,国の公務員において,被爆者が国外に居住地を移した場合に健康管理手当等の受給権は失権の取扱いとなる旨定めた通達を作成,発出し,これに従った取扱いを継続したことは違法であるなどと主張して,当該被爆者の死亡日から20年が経過した後に,国家賠償法1条1項に基づき,損害賠償を請求する訴訟を提起した場合において,民法724条後段に規定される除斥期間内に当該権利を行使することに障害があり,かつ,除斥期間の経過をもって権利が消滅するという効果を発生させることが著しく正義・公正に反するとは認めるに足りないとした事例(本判決と同一争点に関する大阪高等裁判所平成30年(ネ)第653号・同年12月7日第4民事部判決は,その原審判決と併せて,下級裁判所裁判例速報において紹介されている。本判決の原審判決と上記第4民事部判決の原審判決は同一の裁判体が言い渡したもので,両者の判示内容も同一である。そのため,本判決では原審判決の紹介は割愛した。)。
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