事件番号平成30(行ウ)559
事件名消費税及び地方消費税更正処分等取消請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日令和2年9月4日
事案の概要不動産の売買及び仲介業務等を目的とする株式会社である原告は,平成27年3月期(平成26年4月1日から平成27年3月31日までの課税期間をいい,他の課税期間についても同様に表記する。)から平成29年3月期までの各課税期間(以下「本件各課税期間」という。)において,将来の転売を目的としてマンション84棟(その一部又は全部が住宅として貸し付けられているもの。以下「本件各マンション」という。)を購入した。かかる購入は,消費税法(平成31年法律第6号による改正前のもの。以下同じ)2条12号に定める課税仕入れに当たるところ(以下,本件各マンションに係る課税仕入れを「本件各課税仕入れ」という。),原告は,本件各課税期間に係る消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)の確定申告において,本件各課税仕入れが同法30条2項1号にいう「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」(以下「課税対応課税仕入れ」という。)に区分されるとして,本件各課税仕入れに係る消費税額の全額を当該課税期間に係る課税標準額に対する消費税額から控除して申告を行った。これに対し,麹町税務署長(処分行政庁)は,本件各課税仕入れは同号にいう「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」(以下「共通対応課税仕入れ」という。)に区分すべきものであるから,本件各課税仕入れに係る消費税額の一部しか控除することができないとして,平成30年7月30日付けで,原告に対し,本件各課税期間に係る消費税等の各更正処分(以下「本件各更正処分」という。)及びこれらに伴う過少申告加算税の各賦課決定処分(以下「本件各賦課決定処分」といい,本件各更正処分と併せて「本件各処分」という。)をした。
本件は,原告が,被告を相手に,本件各更正処分のうち申告額を超える部分及び本件各賦課決定処分の取消しを求める事案である。
判示事項収益不動産販売事業を行う会社が将来の転売を目的としてした収益不動産(中古の賃貸用マンション)の購入である課税仕入れについて,消費税法(平成31年法律第6号による改正前のもの)30条2項1号にいう「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に区分すべきものとされた事例
裁判要旨収益不動産販売事業を行う会社が将来の転売を目的としてした収益不動産(中古の賃貸用マンション)の購入である課税仕入れについては,①当該会社の行う事業が,仕入れた収益不動産を転売時までに満室に近づけることにより,その収益力や資産価値を高めて転売による利益を得ようとするものであって,当該会社が当該収益不動産を賃貸することは転売のための手段として位置付けられ,その賃貸により得られる賃料収入は上記手段としての賃貸から不可避的に生じる副産物として位置付けられること,②当該会社が実際に得ている賃料収入も,販売収入と賃料収入の総和に対して3課税期間の平均で5%未満にとどまっていることなど判示の事情の下では,消費税法(平成31年法律第6号による改正前のもの)30条2項1号にいう「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に区分すべきものである。
事件番号平成30(行ウ)559
事件名消費税及び地方消費税更正処分等取消請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日令和2年9月4日
事案の概要
不動産の売買及び仲介業務等を目的とする株式会社である原告は,平成27年3月期(平成26年4月1日から平成27年3月31日までの課税期間をいい,他の課税期間についても同様に表記する。)から平成29年3月期までの各課税期間(以下「本件各課税期間」という。)において,将来の転売を目的としてマンション84棟(その一部又は全部が住宅として貸し付けられているもの。以下「本件各マンション」という。)を購入した。かかる購入は,消費税法(平成31年法律第6号による改正前のもの。以下同じ)2条12号に定める課税仕入れに当たるところ(以下,本件各マンションに係る課税仕入れを「本件各課税仕入れ」という。),原告は,本件各課税期間に係る消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)の確定申告において,本件各課税仕入れが同法30条2項1号にいう「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」(以下「課税対応課税仕入れ」という。)に区分されるとして,本件各課税仕入れに係る消費税額の全額を当該課税期間に係る課税標準額に対する消費税額から控除して申告を行った。これに対し,麹町税務署長(処分行政庁)は,本件各課税仕入れは同号にいう「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」(以下「共通対応課税仕入れ」という。)に区分すべきものであるから,本件各課税仕入れに係る消費税額の一部しか控除することができないとして,平成30年7月30日付けで,原告に対し,本件各課税期間に係る消費税等の各更正処分(以下「本件各更正処分」という。)及びこれらに伴う過少申告加算税の各賦課決定処分(以下「本件各賦課決定処分」といい,本件各更正処分と併せて「本件各処分」という。)をした。
本件は,原告が,被告を相手に,本件各更正処分のうち申告額を超える部分及び本件各賦課決定処分の取消しを求める事案である。
判示事項
収益不動産販売事業を行う会社が将来の転売を目的としてした収益不動産(中古の賃貸用マンション)の購入である課税仕入れについて,消費税法(平成31年法律第6号による改正前のもの)30条2項1号にいう「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に区分すべきものとされた事例
裁判要旨
収益不動産販売事業を行う会社が将来の転売を目的としてした収益不動産(中古の賃貸用マンション)の購入である課税仕入れについては,①当該会社の行う事業が,仕入れた収益不動産を転売時までに満室に近づけることにより,その収益力や資産価値を高めて転売による利益を得ようとするものであって,当該会社が当該収益不動産を賃貸することは転売のための手段として位置付けられ,その賃貸により得られる賃料収入は上記手段としての賃貸から不可避的に生じる副産物として位置付けられること,②当該会社が実際に得ている賃料収入も,販売収入と賃料収入の総和に対して3課税期間の平均で5%未満にとどまっていることなど判示の事情の下では,消費税法(平成31年法律第6号による改正前のもの)30条2項1号にいう「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に区分すべきものである。
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