事件番号平成30(行ウ)15
事件名厚生年金保険年金決定処分取消等請求事件
裁判所札幌地方裁判所
裁判年月日令和元年9月27日
事案の概要本件は,原告が,亡Aは被保険者記録照会における不合理・不正確な表示を信頼したために国民年金保険料を納付しなかったものであるとし,①本件処分はこの点で信義則に反し違法である旨主張して,行政事件訴訟法3条2項の処分の取消しの訴えとして,本件処分の取消しを求め(請求の趣旨第1項),②厚生労働大臣は厚年法58条1項1号に基づく支給決定をすべきである旨主張して,行政事件訴訟法3条6項2号の義務付けの訴えとして,厚生労働大臣に対して被保険者期間300月を計算の基礎とする遺族厚生年金を支給する旨の決定の義務付けを求める(請求の趣旨第2項。以下「本件義務付けの訴え」という。)とともに,③上記の表示が違法な公権力の行使である旨主張して,被告に対し,国家賠償法1条1項に基づき,損害賠償金701万8697円及びこれに対する不法行為の日の後(訴状送達の日の翌日)である平成30年6月8日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める(請求の趣旨第3項)事案である。
判示事項の要旨夫の死亡に伴い厚生労働大臣に対して遺族厚生年金の裁定請求をした原告が,厚生労働大臣から,原告の夫が特定の月の国民年金保険料を納付していなかったために,厚生年金保険法58条1項1号に係る支給要件を満たしていないとして同項4号に基づき,当該月を除く月数を計算の基礎として遺族厚生年金を支給する旨の決定処分を受けたことにつき,原告の夫は被保険者記録照会における不合理・不正確な表示を信頼したために国民年金保険料を納付しなかったものであるとし,①上記処分はこの点で信義則に反し違法である旨主張して,本件処分の取消しを求め,②厚生労働大臣は厚生年金法58条1項1号に基づく支給決定をすべきである旨主張して,行政事件訴訟法3条6項2号の義務付けの訴えとして,厚生労働大臣に対して当該月を含むことを前提とした被保険者期間を計算の基礎とする遺族厚生年金を支給する旨の決定の義務付けを求めるとともに,③上記の表示が違法な公権力の行使である旨主張して,被告に対し,国家賠償法1条1項に基づき,損害賠償金701万8697円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案において,原告の夫は被保険者記録照会における不合理・不正確な表示を信頼したために国民年金保険料を納付しなかったものであるとの原告の主張は理由がなく,本件処分は適法であるとして,義務付けの訴え(上記②)が却下され,その余の訴えに係る請求(上記①及び③)がいずれも棄却された事例
事件番号平成30(行ウ)15
事件名厚生年金保険年金決定処分取消等請求事件
裁判所札幌地方裁判所
裁判年月日令和元年9月27日
事案の概要
本件は,原告が,亡Aは被保険者記録照会における不合理・不正確な表示を信頼したために国民年金保険料を納付しなかったものであるとし,①本件処分はこの点で信義則に反し違法である旨主張して,行政事件訴訟法3条2項の処分の取消しの訴えとして,本件処分の取消しを求め(請求の趣旨第1項),②厚生労働大臣は厚年法58条1項1号に基づく支給決定をすべきである旨主張して,行政事件訴訟法3条6項2号の義務付けの訴えとして,厚生労働大臣に対して被保険者期間300月を計算の基礎とする遺族厚生年金を支給する旨の決定の義務付けを求める(請求の趣旨第2項。以下「本件義務付けの訴え」という。)とともに,③上記の表示が違法な公権力の行使である旨主張して,被告に対し,国家賠償法1条1項に基づき,損害賠償金701万8697円及びこれに対する不法行為の日の後(訴状送達の日の翌日)である平成30年6月8日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める(請求の趣旨第3項)事案である。
判示事項の要旨
夫の死亡に伴い厚生労働大臣に対して遺族厚生年金の裁定請求をした原告が,厚生労働大臣から,原告の夫が特定の月の国民年金保険料を納付していなかったために,厚生年金保険法58条1項1号に係る支給要件を満たしていないとして同項4号に基づき,当該月を除く月数を計算の基礎として遺族厚生年金を支給する旨の決定処分を受けたことにつき,原告の夫は被保険者記録照会における不合理・不正確な表示を信頼したために国民年金保険料を納付しなかったものであるとし,①上記処分はこの点で信義則に反し違法である旨主張して,本件処分の取消しを求め,②厚生労働大臣は厚生年金法58条1項1号に基づく支給決定をすべきである旨主張して,行政事件訴訟法3条6項2号の義務付けの訴えとして,厚生労働大臣に対して当該月を含むことを前提とした被保険者期間を計算の基礎とする遺族厚生年金を支給する旨の決定の義務付けを求めるとともに,③上記の表示が違法な公権力の行使である旨主張して,被告に対し,国家賠償法1条1項に基づき,損害賠償金701万8697円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案において,原告の夫は被保険者記録照会における不合理・不正確な表示を信頼したために国民年金保険料を納付しなかったものであるとの原告の主張は理由がなく,本件処分は適法であるとして,義務付けの訴え(上記②)が却下され,その余の訴えに係る請求(上記①及び③)がいずれも棄却された事例
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