事件番号令和2(行ウ)99
事件名文書非公開決定取消等請求事件
裁判所大阪地方裁判所
裁判年月日令和3年9月9日
事案の概要本件は,A市の住民である原告が,A市情報公開条例(平成12年A市条例第26号。以下「本件条例」という。)に基づき,平成31年4月22日及び令和2年7月9日にそれぞれ情報公開請求をしたところ,A市長から,それぞれ令和元年5月16日付け及び令和2年7月13日付けで,情報が記載された文書の一部を非公開としその余を公開する旨の情報部分公開決定(以下,それぞれ「本件処分1」,「本件処分2」といい,これらを併せて「本件各処分」という。)を受けたため,本件各処分について,公開すべき部分を非公開とした違法があり,これにより原告の知る権利が侵害されたなどと主張して,被告に対し,国家賠償法1条1項に基づき,慰謝料等合計100万円及びこれに対する訴え変更申立書の送達の日の翌日である令和2年10月20日から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項1 市に対して提出された納税証明書・課税証明書等交付申請書に記載された「交付を求める証明書の種類」及び「請求した証明書の使用目的」を記載する欄に係る情報が,阪南市情報公開条例6条2号所定の非公開情報に当たらないとされた事例
2 市長が,市に対して提出された納税証明書・課税証明書等交付申請書に記載された「交付を求める証明書の種類」及び「請求した証明書の使用目的」を記載する欄に係る情報が阪南市情報公開条例6条2号所定の非公開情報に該当すると判断してこれを公開しなかったことが,国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例
裁判要旨1 市に対して提出された納税証明書・課税証明書等交付申請書に記載された「交付を求める証明書の種類」及び「請求した証明書の使用目的」を記載する欄に係る情報は,市が所有する建物を随意契約により売却するためにプロポーザルの手続を実施しており,当該情報が公開された場合には当該申請書を提出した法人が上記プロポーザルに参加する意向を有していた可能性があることが明らかになるものであったとしても,次の⑴,⑵など判示の事情の下においては,阪南市情報公開条例6条2号所定の非公開情報である「法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって,公開することにより,当該法人等又は個人の競争上の地位その他正当な利益を害すると認められるもの」に当たらない。
 ⑴ 上記法人が上記プロポーザルを経て市との間で建物の売買契約を締結しており,かつ,この事実は市によって公表されていた。
 ⑵ 上記法人が阪南市に本店を移転させる意向を示していたことが,市によって公表されていた。
2 市長が,市が所有する建物を随意契約により売却するためのプロポーザルの日程等を把握しており,納税証明書・課税証明書等交付申請書を提出した法人が上記プロポーザルに参加したこと等が既に公表されていたことを確認することができたなど判示の事情の下においては,市長が,市に対して提出された納税証明書・課税証明書等交付申請書に記載された「交付を求める証明書の種類」及び「請求した証明書の使用目的」を記載する欄に係る情報が阪南市情報公開条例6条2号所定の非公開情報に該当すると判断してこれを公開しなかったことは,国家賠償法1条1項の適用上違法である。
事件番号令和2(行ウ)99
事件名文書非公開決定取消等請求事件
裁判所大阪地方裁判所
裁判年月日令和3年9月9日
事案の概要
本件は,A市の住民である原告が,A市情報公開条例(平成12年A市条例第26号。以下「本件条例」という。)に基づき,平成31年4月22日及び令和2年7月9日にそれぞれ情報公開請求をしたところ,A市長から,それぞれ令和元年5月16日付け及び令和2年7月13日付けで,情報が記載された文書の一部を非公開としその余を公開する旨の情報部分公開決定(以下,それぞれ「本件処分1」,「本件処分2」といい,これらを併せて「本件各処分」という。)を受けたため,本件各処分について,公開すべき部分を非公開とした違法があり,これにより原告の知る権利が侵害されたなどと主張して,被告に対し,国家賠償法1条1項に基づき,慰謝料等合計100万円及びこれに対する訴え変更申立書の送達の日の翌日である令和2年10月20日から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項
1 市に対して提出された納税証明書・課税証明書等交付申請書に記載された「交付を求める証明書の種類」及び「請求した証明書の使用目的」を記載する欄に係る情報が,阪南市情報公開条例6条2号所定の非公開情報に当たらないとされた事例
2 市長が,市に対して提出された納税証明書・課税証明書等交付申請書に記載された「交付を求める証明書の種類」及び「請求した証明書の使用目的」を記載する欄に係る情報が阪南市情報公開条例6条2号所定の非公開情報に該当すると判断してこれを公開しなかったことが,国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例
裁判要旨
1 市に対して提出された納税証明書・課税証明書等交付申請書に記載された「交付を求める証明書の種類」及び「請求した証明書の使用目的」を記載する欄に係る情報は,市が所有する建物を随意契約により売却するためにプロポーザルの手続を実施しており,当該情報が公開された場合には当該申請書を提出した法人が上記プロポーザルに参加する意向を有していた可能性があることが明らかになるものであったとしても,次の⑴,⑵など判示の事情の下においては,阪南市情報公開条例6条2号所定の非公開情報である「法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって,公開することにより,当該法人等又は個人の競争上の地位その他正当な利益を害すると認められるもの」に当たらない。
 ⑴ 上記法人が上記プロポーザルを経て市との間で建物の売買契約を締結しており,かつ,この事実は市によって公表されていた。
 ⑵ 上記法人が阪南市に本店を移転させる意向を示していたことが,市によって公表されていた。
2 市長が,市が所有する建物を随意契約により売却するためのプロポーザルの日程等を把握しており,納税証明書・課税証明書等交付申請書を提出した法人が上記プロポーザルに参加したこと等が既に公表されていたことを確認することができたなど判示の事情の下においては,市長が,市に対して提出された納税証明書・課税証明書等交付申請書に記載された「交付を求める証明書の種類」及び「請求した証明書の使用目的」を記載する欄に係る情報が阪南市情報公開条例6条2号所定の非公開情報に該当すると判断してこれを公開しなかったことは,国家賠償法1条1項の適用上違法である。
このエントリーをはてなブックマークに追加