事件番号令和3刑(わ)2811
事件名背任
裁判所東京地方裁判所 刑事第11部
裁判年月日令和4年10月6日
事案の概要被告人は、学校法人A大学(以下「A大」という。)が全株式を保有する会社で、A大から委託を受けるなどした業務の遂行等により、A大の経費削減に寄与すること等を目的とする株式会社B(以下「B社」という。)がA大から委託を受けた、医療機器等の発注先の選定、仕様及び価格の適正等を確保するための助言等のコンサルティング業務に関し、B社からその再委託を受けた株式会社C(以下「C社」という。)の代表取締役としてこれを補助していたもの、Dは、B社の取締役営業統括として上記コンサルティング業務を統括していたもの、Eは、Dの知人であり、株式会社F(以下「F社」という。)を実質的に経営し、かつ、事業実態のない株式会社G(以下「G社」という。)の全株式を保有していたものであるが、Dが上記コンサルティング業務を行うに当たっては、A大がB社に業務を委託した目的等に照らし、A大に不必要な債務を負担させること等を避けるなどして、A大のために誠実にその職務を遂行すべき任務があるのに、被告人は、D及びEと共謀の上、第1 「H」一式ほか6式(以下「本件医療機器」という。)をB社が調達してA大学付属I病院(以下「I病院」という。)に納入するに当たり、Eが経営又は保有する会社を調達経路に介在させる必要がないにもかかわらず、これを介在させること等により、A大をして、本件医療機器を導入するための契約を高値で締結させた上、Eが経営又は保有する会社に売買差益を得させるなどの方法により、D及びEらの利益を図る目的をもって、Dにおいて、上記任務に背き、本件医療機器は、販売会社等を通じてB社が購入して調達した上、これをB社がリース会社に売却し、A大がリース会社との間でリース契約を締結して、A大がリース会社から本件医療機器のリースを受けてリース料を支払うものであるところ、令和2年12月22日頃、B社からA大に対し、本件医療機器の納入価格につき、本来調達経路に介在させる必要のないF社を介在させ、これに得させる売買差益分を加算して税抜き価格合計13億7135万円と算出した見積書を提出し、令和3年2月26日頃までに、A大をして、本件医療機器をI病院に導入するため、同見積書の価格からリース会社の割引分を控除した物件価額にリース会社の利息分を加算した金額でリース会社との間でリース契約を締結することを決定させて、同年3月11日頃から同月29日頃までの間、東京都千代田区(住所省略)所在のA大学会館において、A大をして、リース会社であるJ株式会社(以下「J社」という。)ほか1社との間で、同社らがB社から本件医療機器を購入してA大にリースする旨のリース契約をそれぞれ締結させた上、同年5月28日頃から同年8月18日頃までの間、A大が本件医療機器の引渡しをそれぞれ受けたことにより、同各リース契約に基づく各リース料支払債務として、F社の各売買差益相当額合計1億3860万円にそれぞれ上記各リース会社による割引分を控除した物件価格に同各社の利息分を加算した金額である不必要額合計1億3131万3960円分を含む税込価格合計14億6327万9760円の債務を負担させ、もってA大に合計1億3131万3960円の財産上の損害を加えた。
事件番号令和3刑(わ)2811
事件名背任
裁判所東京地方裁判所 刑事第11部
裁判年月日令和4年10月6日
事案の概要
被告人は、学校法人A大学(以下「A大」という。)が全株式を保有する会社で、A大から委託を受けるなどした業務の遂行等により、A大の経費削減に寄与すること等を目的とする株式会社B(以下「B社」という。)がA大から委託を受けた、医療機器等の発注先の選定、仕様及び価格の適正等を確保するための助言等のコンサルティング業務に関し、B社からその再委託を受けた株式会社C(以下「C社」という。)の代表取締役としてこれを補助していたもの、Dは、B社の取締役営業統括として上記コンサルティング業務を統括していたもの、Eは、Dの知人であり、株式会社F(以下「F社」という。)を実質的に経営し、かつ、事業実態のない株式会社G(以下「G社」という。)の全株式を保有していたものであるが、Dが上記コンサルティング業務を行うに当たっては、A大がB社に業務を委託した目的等に照らし、A大に不必要な債務を負担させること等を避けるなどして、A大のために誠実にその職務を遂行すべき任務があるのに、被告人は、D及びEと共謀の上、第1 「H」一式ほか6式(以下「本件医療機器」という。)をB社が調達してA大学付属I病院(以下「I病院」という。)に納入するに当たり、Eが経営又は保有する会社を調達経路に介在させる必要がないにもかかわらず、これを介在させること等により、A大をして、本件医療機器を導入するための契約を高値で締結させた上、Eが経営又は保有する会社に売買差益を得させるなどの方法により、D及びEらの利益を図る目的をもって、Dにおいて、上記任務に背き、本件医療機器は、販売会社等を通じてB社が購入して調達した上、これをB社がリース会社に売却し、A大がリース会社との間でリース契約を締結して、A大がリース会社から本件医療機器のリースを受けてリース料を支払うものであるところ、令和2年12月22日頃、B社からA大に対し、本件医療機器の納入価格につき、本来調達経路に介在させる必要のないF社を介在させ、これに得させる売買差益分を加算して税抜き価格合計13億7135万円と算出した見積書を提出し、令和3年2月26日頃までに、A大をして、本件医療機器をI病院に導入するため、同見積書の価格からリース会社の割引分を控除した物件価額にリース会社の利息分を加算した金額でリース会社との間でリース契約を締結することを決定させて、同年3月11日頃から同月29日頃までの間、東京都千代田区(住所省略)所在のA大学会館において、A大をして、リース会社であるJ株式会社(以下「J社」という。)ほか1社との間で、同社らがB社から本件医療機器を購入してA大にリースする旨のリース契約をそれぞれ締結させた上、同年5月28日頃から同年8月18日頃までの間、A大が本件医療機器の引渡しをそれぞれ受けたことにより、同各リース契約に基づく各リース料支払債務として、F社の各売買差益相当額合計1億3860万円にそれぞれ上記各リース会社による割引分を控除した物件価格に同各社の利息分を加算した金額である不必要額合計1億3131万3960円分を含む税込価格合計14億6327万9760円の債務を負担させ、もってA大に合計1億3131万3960円の財産上の損害を加えた。
このエントリーをはてなブックマークに追加