事件番号令和2(行ウ)311
事件名異議決定取消等請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日令和3年2月25日
事件種別特許権・行政訴訟
事案の概要弁理士である原告は,平成31年4月24日に発行された特許公報に掲載された特許第6506414号の請求項1ないし12に係る特許(以下「本件特許」という。)について,特許庁長官に対し,佐川急便株式会社(以下「佐川急便」という。)が提供する特許法19条所定の信書便を利用して,令和元年10月24日付け特許異議申立書(以下「本件申立書」という。)を提出することにより,特許異議の申立て(以下「本件申立て」という。)をしたところ,特許庁の審判合議体を構成する特許庁審判官B,同C及び同D(以下「本件審判官ら」という。)は,本件申立書の通信日付印が不明瞭である以上,本件申立ての申立日は,本件申立書が特許庁に到達した同月25日となり,本件申立ては,特許異議申立期間の末日である同月24日を経過してなされた不適法なものであるなどとして,本件申立てを却下する旨の決定(以下「本件決定」という。)をした。
本件は,原告が,被告に対し,⑴特許異議の申立ての却下決定に対しては不服を申し立てることができないと規定する特許法120条の8第2項について,原告は,本件申立書の通信日付印に係る瑕疵について無過失である上,これは同年12月5日付け手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)によって治癒されたのに,これを無視してなされた本件決定に対して,不服を申し立てることができないことになるし,本件特許の有効性について利害関係がない以上,特許無効審判を請求することもできず,手続保障が十分でないから,同項は,憲法31条に反し違憲無効であるとして,本件訴えが適法であると主張した上,⑵①本件決定は,上記のとおり,原告は本件申立書の通信日付印に係る瑕疵について無過失である上,これは本件補正によって治癒されたのに,これを無視してなされたものであり,憲法31条に反し違憲であるし,②特許法19条は,郵便によって発送した特許異議申立書については,郵便物の受領証又は郵便物の通信日付印によって発送された日時等が証明された場合,発信主義を適用するのに対し,信書便によって発送したものについては,信書便物の通信日付印によって発送された日時等が証明された場合のみ,発信主義が適用され,信書便物の受領証によって発送された日時等が証明された場合は,発信主義が適用されない旨を規定しているところ,同条は,元国営事業である郵便と民間事業である信書便とを合理的理由なく差別して取り扱うものであって,憲法14条に反し違憲であり,それゆえ,本件補正によって本件申立書の発送日が同年10月24日であることが明らかな本件申立ての申立日を同月25日と認定した本件決定は違憲であると主張して,本件決定の取消しを求めた事案である。
事件番号令和2(行ウ)311
事件名異議決定取消等請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日令和3年2月25日
事件種別特許権・行政訴訟
事案の概要
弁理士である原告は,平成31年4月24日に発行された特許公報に掲載された特許第6506414号の請求項1ないし12に係る特許(以下「本件特許」という。)について,特許庁長官に対し,佐川急便株式会社(以下「佐川急便」という。)が提供する特許法19条所定の信書便を利用して,令和元年10月24日付け特許異議申立書(以下「本件申立書」という。)を提出することにより,特許異議の申立て(以下「本件申立て」という。)をしたところ,特許庁の審判合議体を構成する特許庁審判官B,同C及び同D(以下「本件審判官ら」という。)は,本件申立書の通信日付印が不明瞭である以上,本件申立ての申立日は,本件申立書が特許庁に到達した同月25日となり,本件申立ては,特許異議申立期間の末日である同月24日を経過してなされた不適法なものであるなどとして,本件申立てを却下する旨の決定(以下「本件決定」という。)をした。
本件は,原告が,被告に対し,⑴特許異議の申立ての却下決定に対しては不服を申し立てることができないと規定する特許法120条の8第2項について,原告は,本件申立書の通信日付印に係る瑕疵について無過失である上,これは同年12月5日付け手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)によって治癒されたのに,これを無視してなされた本件決定に対して,不服を申し立てることができないことになるし,本件特許の有効性について利害関係がない以上,特許無効審判を請求することもできず,手続保障が十分でないから,同項は,憲法31条に反し違憲無効であるとして,本件訴えが適法であると主張した上,⑵①本件決定は,上記のとおり,原告は本件申立書の通信日付印に係る瑕疵について無過失である上,これは本件補正によって治癒されたのに,これを無視してなされたものであり,憲法31条に反し違憲であるし,②特許法19条は,郵便によって発送した特許異議申立書については,郵便物の受領証又は郵便物の通信日付印によって発送された日時等が証明された場合,発信主義を適用するのに対し,信書便によって発送したものについては,信書便物の通信日付印によって発送された日時等が証明された場合のみ,発信主義が適用され,信書便物の受領証によって発送された日時等が証明された場合は,発信主義が適用されない旨を規定しているところ,同条は,元国営事業である郵便と民間事業である信書便とを合理的理由なく差別して取り扱うものであって,憲法14条に反し違憲であり,それゆえ,本件補正によって本件申立書の発送日が同年10月24日であることが明らかな本件申立ての申立日を同月25日と認定した本件決定は違憲であると主張して,本件決定の取消しを求めた事案である。
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