事件番号令和3(う)956
事件名公務執行妨害、強盗殺人未遂、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件
裁判所大阪高等裁判所
裁判年月日令和5年3月20日
結果破棄自判
事案の概要本件は、被告人が、①交番勤務をしていた警察官に対し、未必の殺意を持って出刃包丁で多数回突き刺すなどして、同人の職務の執行を妨害するとともに、同人から実包5発が装てんされたけん銃を強取し、その際、全治約6か月間以上を要する傷害を負わせ、②①の日時場所で、正当な理由がないのに出刃包丁1本を携帯し、③法定の除外事由がないのに、①の日時から翌朝まで大阪府内の路上や山中等において上記けん銃を適合実包4発とともに携帯して所持したとされる公務執行妨害、強盗殺人未遂(①)及び銃砲刀剣類所持等取締法違反(②、③)の事案である。
判示事項の要旨1 交番勤務をしていた警察官を出刃包丁で多数回突き刺すなどしてけん銃を強取したという強盗殺人未遂等の事案において、犯行当時、心神耗弱の状態にあったとして被告人を有罪とした一審判決を破棄し、心神喪失の状態にあったと認め、無罪を言い渡した事例
2 責任能力の有無、程度の判断の在り方(犯行動機及びその形成過程を含む犯行の一連の経過全体に対し、精神障害による病的体験全体がどのように影響したのかということを、全体的、総合的かつ具体的に検討することが必要かつ相当である。)
3 被告人は、犯行時及びその前後において、周囲の状況を把握し、合目的的な行動を行い、あるいは善悪を判断できる精神機能を有していたが、その精神機能は、統合失調症に基づいて形成された動機、目的と一体化し、これを推進する方向に作用し、その精神機能により犯行を思いとどまることは期待し得なかったから、全体的、総合的に観察すれば、被告人は、統合失調症による病的体験に直接支配されて、行動制御能力を喪失していたものと評価すべきであるとして、心神喪失を認定した事例
事件番号令和3(う)956
事件名公務執行妨害、強盗殺人未遂、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件
裁判所大阪高等裁判所
裁判年月日令和5年3月20日
結果破棄自判
事案の概要
本件は、被告人が、①交番勤務をしていた警察官に対し、未必の殺意を持って出刃包丁で多数回突き刺すなどして、同人の職務の執行を妨害するとともに、同人から実包5発が装てんされたけん銃を強取し、その際、全治約6か月間以上を要する傷害を負わせ、②①の日時場所で、正当な理由がないのに出刃包丁1本を携帯し、③法定の除外事由がないのに、①の日時から翌朝まで大阪府内の路上や山中等において上記けん銃を適合実包4発とともに携帯して所持したとされる公務執行妨害、強盗殺人未遂(①)及び銃砲刀剣類所持等取締法違反(②、③)の事案である。
判示事項の要旨
1 交番勤務をしていた警察官を出刃包丁で多数回突き刺すなどしてけん銃を強取したという強盗殺人未遂等の事案において、犯行当時、心神耗弱の状態にあったとして被告人を有罪とした一審判決を破棄し、心神喪失の状態にあったと認め、無罪を言い渡した事例
2 責任能力の有無、程度の判断の在り方(犯行動機及びその形成過程を含む犯行の一連の経過全体に対し、精神障害による病的体験全体がどのように影響したのかということを、全体的、総合的かつ具体的に検討することが必要かつ相当である。)
3 被告人は、犯行時及びその前後において、周囲の状況を把握し、合目的的な行動を行い、あるいは善悪を判断できる精神機能を有していたが、その精神機能は、統合失調症に基づいて形成された動機、目的と一体化し、これを推進する方向に作用し、その精神機能により犯行を思いとどまることは期待し得なかったから、全体的、総合的に観察すれば、被告人は、統合失調症による病的体験に直接支配されて、行動制御能力を喪失していたものと評価すべきであるとして、心神喪失を認定した事例
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