事件番号平成29(ワ)214
事件名損害賠償請求事件
裁判所広島地方裁判所 福山支部
裁判年月日令和5年4月26日
事案の概要⑴ E(当時14歳。)は、被告が設置運営する幼小中一貫校である広島大学附属三原学校園(以下「本件学校」という。)に在籍していたところ、平成28年6月18日、本件学校で開催された運動会(以下「本件運動会」という。)において、組体操のプログラム(以下「本件プログラム」という。)に参加し、その後、同月▲日、脳内出血により死亡した。
⑵ 本件は、Eの親族である原告らが、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき、次の各請求をする事案である。
① 原告らが、Eは、本件プログラムで実施された騎馬の演技の際、頭部に外力を受ける事故に遭い、その結果脳内出血を発症して死亡したのであり、本件学校の教諭らには、その実施によって生ずる生命等への危険から同人を保護すべき安全配慮義務の違反があると主張して、原告A(父)及び原告B(母。以下、原告A及び原告Bを併せて「原告夫婦」ということがある。)については、Eに生じた損害に係る各相続分(各2分の1)及び固有の慰謝料等の損害金(合計額:原告Aにつき4789万8500円、原告Bにつき4445万3758円)、原告C及び原告D(いずれも弟)については、固有の慰謝料等の損害金(各自132万円)の各支払を求めるともに、これらに対する上記事故が発生したと主張する日(違法行為の日)である平成28年6月18日から各支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める請求(以下「請求1」という。)
② 原告A及び原告Bが、被告ないし本件学校の長は、Eの死亡が本件プログラムにおける上記事故と関連性があることを探知し得たのであるから、その原因を調査し、その結果知り得た事実を正確に報告し、かつ、これらに際し、遺族の心情等を傷つけないよう誠実に対応すべき各義務があったのに、これらに違反し、迅速かつ適切な調査・報告を怠り、かつ、原告夫婦を傷つけるような言動をし、これらにより、原告夫婦は、真相究明を求める思いを蔑ろにされ、その心や名誉を傷つけられ、精神的苦痛を負ったなどと主張して、慰謝料等の損害金各55万円及びこれに対する違法行為後の日(被告が最後に真相究明を拒否した日の翌日)である平成29年6月21日から各支払済みまで前記同様の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める請求(以下「請求2」という。)
判示事項の要旨学校運動会で組体操演技に参加した2日後に脳内出血を生じて死亡した中学生の遺族である原告らからの、学校設置者である被告に対する安全配慮義務違反及び事故原因の調査・報告義務違反等を理由とする損害賠償(国家賠償)請求をいずれも棄却した事例
事件番号平成29(ワ)214
事件名損害賠償請求事件
裁判所広島地方裁判所 福山支部
裁判年月日令和5年4月26日
事案の概要
⑴ E(当時14歳。)は、被告が設置運営する幼小中一貫校である広島大学附属三原学校園(以下「本件学校」という。)に在籍していたところ、平成28年6月18日、本件学校で開催された運動会(以下「本件運動会」という。)において、組体操のプログラム(以下「本件プログラム」という。)に参加し、その後、同月▲日、脳内出血により死亡した。
⑵ 本件は、Eの親族である原告らが、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき、次の各請求をする事案である。
① 原告らが、Eは、本件プログラムで実施された騎馬の演技の際、頭部に外力を受ける事故に遭い、その結果脳内出血を発症して死亡したのであり、本件学校の教諭らには、その実施によって生ずる生命等への危険から同人を保護すべき安全配慮義務の違反があると主張して、原告A(父)及び原告B(母。以下、原告A及び原告Bを併せて「原告夫婦」ということがある。)については、Eに生じた損害に係る各相続分(各2分の1)及び固有の慰謝料等の損害金(合計額:原告Aにつき4789万8500円、原告Bにつき4445万3758円)、原告C及び原告D(いずれも弟)については、固有の慰謝料等の損害金(各自132万円)の各支払を求めるともに、これらに対する上記事故が発生したと主張する日(違法行為の日)である平成28年6月18日から各支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める請求(以下「請求1」という。)
② 原告A及び原告Bが、被告ないし本件学校の長は、Eの死亡が本件プログラムにおける上記事故と関連性があることを探知し得たのであるから、その原因を調査し、その結果知り得た事実を正確に報告し、かつ、これらに際し、遺族の心情等を傷つけないよう誠実に対応すべき各義務があったのに、これらに違反し、迅速かつ適切な調査・報告を怠り、かつ、原告夫婦を傷つけるような言動をし、これらにより、原告夫婦は、真相究明を求める思いを蔑ろにされ、その心や名誉を傷つけられ、精神的苦痛を負ったなどと主張して、慰謝料等の損害金各55万円及びこれに対する違法行為後の日(被告が最後に真相究明を拒否した日の翌日)である平成29年6月21日から各支払済みまで前記同様の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める請求(以下「請求2」という。)
判示事項の要旨
学校運動会で組体操演技に参加した2日後に脳内出血を生じて死亡した中学生の遺族である原告らからの、学校設置者である被告に対する安全配慮義務違反及び事故原因の調査・報告義務違反等を理由とする損害賠償(国家賠償)請求をいずれも棄却した事例
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