事件番号 | 令和4(ネ)2687 |
---|---|
事件名 | 損害賠償請求控訴事件 |
裁判所 | 大阪高等裁判所 第14民事部 |
裁判年月日 | 令和5年5月25日 |
結果 | 棄却 |
原審裁判所 | 神戸地方裁判所 |
原審事件番号 | 令和4(ワ)1013 |
原審結果 | 棄却 |
事案の概要 | 国家賠償法1条1項に基づく慰謝料10万円の請求 控訴人は、国会議員の次の各立法不作為が同項の適用上違法と評価されるものであり、これにより、令和4年7月に執行された第26回参議院議員通常選挙に立候補することができず、精神的苦痛を受けたと主張する。 ア 参議院議員の被選挙権を有する者について年齢満30年以上の者と規定する公職選挙法(公選法)10条1項2号を含む同法10条が、憲法14条、憲法15条1項及び3項等に違反するものであるにもかかわらず、国会議員がこれを是正することなく放置しているという立法不作為(本件立法不作為①) イ 公職の候補者の届出をしようとする者は、一定の財貨を供託しなければならない旨を規定する公選法92条が憲法15条1項及び3項、憲法44条ただし書に違反するものであるにもかかわらず、国会議員がこれを是正することなく放置しているという立法不作為(本件立法不作為②) 原審の判断 原審は、次のとおり判断して、控訴人の請求を棄却した。 ア 公選法10条の定めは、憲法14条や憲法15条1項等、憲法の諸規定に違反するものとは認められないから、本件立件不作為①は、国家賠償法1条1項の適用上、違法と評価すべきものとは認められない。 イ 公選法92条の定めは、憲法15条1項、憲法44条ただし書等の諸規定に反するものとは認められないから、本件立件不作為②は、国家賠償法1条1項の適用上、違法と評価すべきものとは認められない。 当事者の不服 控訴人は、原判決を不服として控訴した。 |
判示事項の要旨 | 令和4年7月の参議院議員通常選挙の当時満30歳未満であった控訴人が、参議院議員の被選挙権者を年齢満30年以上の者とする公選法10条及び立候補者に一定の供託を求める旨の公選法92条の各規定が、憲法の諸規定に違反しており、違法な立法不作為があると主張して、国家賠償法に基づき慰謝料請求をしたのに対し、上記各規定は選挙制度の仕組みについての国会の裁量の限界を超えず、憲法の諸規定に違反しないと判断して、控訴人の請求を棄却した原判決を維持した事例 |
事件番号 | 令和4(ネ)2687 |
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事件名 | 損害賠償請求控訴事件 |
裁判所 | 大阪高等裁判所 第14民事部 |
裁判年月日 | 令和5年5月25日 |
結果 | 棄却 |
原審裁判所 | 神戸地方裁判所 |
原審事件番号 | 令和4(ワ)1013 |
原審結果 | 棄却 |
事案の概要 |
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国家賠償法1条1項に基づく慰謝料10万円の請求 控訴人は、国会議員の次の各立法不作為が同項の適用上違法と評価されるものであり、これにより、令和4年7月に執行された第26回参議院議員通常選挙に立候補することができず、精神的苦痛を受けたと主張する。 ア 参議院議員の被選挙権を有する者について年齢満30年以上の者と規定する公職選挙法(公選法)10条1項2号を含む同法10条が、憲法14条、憲法15条1項及び3項等に違反するものであるにもかかわらず、国会議員がこれを是正することなく放置しているという立法不作為(本件立法不作為①) イ 公職の候補者の届出をしようとする者は、一定の財貨を供託しなければならない旨を規定する公選法92条が憲法15条1項及び3項、憲法44条ただし書に違反するものであるにもかかわらず、国会議員がこれを是正することなく放置しているという立法不作為(本件立法不作為②) 原審の判断 原審は、次のとおり判断して、控訴人の請求を棄却した。 ア 公選法10条の定めは、憲法14条や憲法15条1項等、憲法の諸規定に違反するものとは認められないから、本件立件不作為①は、国家賠償法1条1項の適用上、違法と評価すべきものとは認められない。 イ 公選法92条の定めは、憲法15条1項、憲法44条ただし書等の諸規定に反するものとは認められないから、本件立件不作為②は、国家賠償法1条1項の適用上、違法と評価すべきものとは認められない。 当事者の不服 控訴人は、原判決を不服として控訴した。 |
判示事項の要旨 |
令和4年7月の参議院議員通常選挙の当時満30歳未満であった控訴人が、参議院議員の被選挙権者を年齢満30年以上の者とする公選法10条及び立候補者に一定の供託を求める旨の公選法92条の各規定が、憲法の諸規定に違反しており、違法な立法不作為があると主張して、国家賠償法に基づき慰謝料請求をしたのに対し、上記各規定は選挙制度の仕組みについての国会の裁量の限界を超えず、憲法の諸規定に違反しないと判断して、控訴人の請求を棄却した原判決を維持した事例 |