事件番号令和2(ワ)10073
事件名独占禁止法違反行為差止等請求事件
裁判所大阪地方裁判所 第4民事部
裁判年月日令和5年6月2日
事案の概要本件は、被告が販売するインクジェットプリンター用の純正品インクカートリッジに関し、使用済みの純正品を回収してインクを充填し、インク残量データを初期化するなどして再使用した再生品インクカートリッジを製造して「エコリカ」ブランドとして販売していた原告が、被告に対し、①被告が平成29年9月以降現在まで販売している型番BCI-380及びBCI-381シリーズのインクカートリッジ(以下「本件純正品」という。)において、ICチップに記録されるインク残量データを初期化することができない仕様とするなどしたことが、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)19条により禁止される、同法2条9項6号所定の「不公正な取引方法」として昭和57年6月18日公正取引委員会告示第15号(一般指定)が規定する「抱き合わせ販売等」(一般指定10項)又は「競争者に対する取引妨害」(一般指定14項)にあたり、被告がこのような不公正な取引を行った結果、原告は、本件純正品の再生品インクカートリッジ(以下「本件再生品」という。)を販売できなかったなどと主張して、独占禁止法24条に基づき、本件純正品につきインク残量データを初期化して再使用することができない電子デバイス等を用いないことを求める(以下、上記の請求を「本件差止請求」という。)とともに、②このような不公正な取引は不法行為を構成するとし、この行為がなければ原告は本件再生品を平成31年4月以降販売できていたはずであり、原告が本件再生品1個あたり得ていたはずの利益50円に売上げ見込み個数を乗じると少なくとも3000万円の損害が生じていると主張して、民法709条に基づき、損害の一部である3000万円及びこれに対する不法行為の後の日である本件訴え提起の日(令和2年10月27日)から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前の民法)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項の要旨インクジェットプリンター用の純正品インクカートリッジについて、ICチップに記録されるインク残量データを初期化することができない仕様としたこと等が、独占禁止法2条9項6号所定の「不公正な取引方法」として公正取引委員会告示が規定する「抱き合わせ販売等」及び「競争者に対する取引妨害」に当たらないとされた事例
事件番号令和2(ワ)10073
事件名独占禁止法違反行為差止等請求事件
裁判所大阪地方裁判所 第4民事部
裁判年月日令和5年6月2日
事案の概要
本件は、被告が販売するインクジェットプリンター用の純正品インクカートリッジに関し、使用済みの純正品を回収してインクを充填し、インク残量データを初期化するなどして再使用した再生品インクカートリッジを製造して「エコリカ」ブランドとして販売していた原告が、被告に対し、①被告が平成29年9月以降現在まで販売している型番BCI-380及びBCI-381シリーズのインクカートリッジ(以下「本件純正品」という。)において、ICチップに記録されるインク残量データを初期化することができない仕様とするなどしたことが、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)19条により禁止される、同法2条9項6号所定の「不公正な取引方法」として昭和57年6月18日公正取引委員会告示第15号(一般指定)が規定する「抱き合わせ販売等」(一般指定10項)又は「競争者に対する取引妨害」(一般指定14項)にあたり、被告がこのような不公正な取引を行った結果、原告は、本件純正品の再生品インクカートリッジ(以下「本件再生品」という。)を販売できなかったなどと主張して、独占禁止法24条に基づき、本件純正品につきインク残量データを初期化して再使用することができない電子デバイス等を用いないことを求める(以下、上記の請求を「本件差止請求」という。)とともに、②このような不公正な取引は不法行為を構成するとし、この行為がなければ原告は本件再生品を平成31年4月以降販売できていたはずであり、原告が本件再生品1個あたり得ていたはずの利益50円に売上げ見込み個数を乗じると少なくとも3000万円の損害が生じていると主張して、民法709条に基づき、損害の一部である3000万円及びこれに対する不法行為の後の日である本件訴え提起の日(令和2年10月27日)から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前の民法)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項の要旨
インクジェットプリンター用の純正品インクカートリッジについて、ICチップに記録されるインク残量データを初期化することができない仕様としたこと等が、独占禁止法2条9項6号所定の「不公正な取引方法」として公正取引委員会告示が規定する「抱き合わせ販売等」及び「競争者に対する取引妨害」に当たらないとされた事例
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