事件番号令和3(受)2001
事件名損害賠償請求事件
裁判所最高裁判所第一小法廷
裁判年月日令和5年10月23日
裁判種別判決
結果破棄自判
原審裁判所大阪高等裁判所
原審事件番号令和3(ネ)775
原審裁判年月日令和3年9月16日
事案の概要本件は、株式会社マーベラスからマンションの建築工事を請け負った被上告人が、上告人エー・アール・センチュリー有限会社(以下「上告人会社」という。)においてマーベラスから上記マンションの敷地を譲り受けた行為(以下「本件行為」という。)が被上告人のマーベラスに対する請負代金債権及び上記マンションの所有権を違法に侵害する行為に当たると主張して、上告人会社に対しては、不法行為に基づき、その代表取締役である上告人Y1に対しては、主位的に不法行為、予備的に会社法429条1項に基づき、被上告人の損害の一部である1億円及び遅延損害金の連帯支払を求める事案である。
判示事項マンションの建築工事の注文者から上記マンションの敷地を譲り受けた行為が請負人の注文者に対する請負代金債権を違法に侵害する行為に当たらないとされた事例
裁判要旨マンションの建築工事の請負人が、上記工事全体の99%を超える出来高の工事を行ったが、上記工事に係る請負契約で定められた支払時期に支払われるべき請負代金の一部の支払を受けるにとどまったため、自ら上記マンションを分譲販売する方法によって上記代金に係る債権の回収を図ることとしていた場合において、次の⑴、⑵の事情の下では、第三者において注文者から上記マンションの敷地を譲り受けた行為は、上記方法によって上記債権を回収するという請負人の利益を侵害するものとして上記債権を違法に侵害する行為に当たるということはできない。
⑴ 上記の譲受行為の当時、上記敷地については注文者が所有しており、また、請負人において、将来、上記敷地の所有権その他の敷地利用権を取得する見込みがあったという事情もうかがわれない。
⑵ 注文者は、上記譲受行為の当時、請負人に対し、その意向とは異なり、上記マンションの引渡しを受けて自らこれを分譲販売することを要望していた。
(反対意見がある。)
事件番号令和3(受)2001
事件名損害賠償請求事件
裁判所最高裁判所第一小法廷
裁判年月日令和5年10月23日
裁判種別判決
結果破棄自判
原審裁判所大阪高等裁判所
原審事件番号令和3(ネ)775
原審裁判年月日令和3年9月16日
事案の概要
本件は、株式会社マーベラスからマンションの建築工事を請け負った被上告人が、上告人エー・アール・センチュリー有限会社(以下「上告人会社」という。)においてマーベラスから上記マンションの敷地を譲り受けた行為(以下「本件行為」という。)が被上告人のマーベラスに対する請負代金債権及び上記マンションの所有権を違法に侵害する行為に当たると主張して、上告人会社に対しては、不法行為に基づき、その代表取締役である上告人Y1に対しては、主位的に不法行為、予備的に会社法429条1項に基づき、被上告人の損害の一部である1億円及び遅延損害金の連帯支払を求める事案である。
判示事項
マンションの建築工事の注文者から上記マンションの敷地を譲り受けた行為が請負人の注文者に対する請負代金債権を違法に侵害する行為に当たらないとされた事例
裁判要旨
マンションの建築工事の請負人が、上記工事全体の99%を超える出来高の工事を行ったが、上記工事に係る請負契約で定められた支払時期に支払われるべき請負代金の一部の支払を受けるにとどまったため、自ら上記マンションを分譲販売する方法によって上記代金に係る債権の回収を図ることとしていた場合において、次の⑴、⑵の事情の下では、第三者において注文者から上記マンションの敷地を譲り受けた行為は、上記方法によって上記債権を回収するという請負人の利益を侵害するものとして上記債権を違法に侵害する行為に当たるということはできない。
⑴ 上記の譲受行為の当時、上記敷地については注文者が所有しており、また、請負人において、将来、上記敷地の所有権その他の敷地利用権を取得する見込みがあったという事情もうかがわれない。
⑵ 注文者は、上記譲受行為の当時、請負人に対し、その意向とは異なり、上記マンションの引渡しを受けて自らこれを分譲販売することを要望していた。
(反対意見がある。)
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