事件番号令和3(行ウ)123
事件名消費税及び地方消費税更正処分等取消請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日令和5年5月25日
事案の概要本件は、土地付き中古住宅(戸建住宅及び集合住宅を含む。以下、単に「物件」という。)の販売事業等を営む原告が、平成28年3月期(平成27年4月1日から平成28年3月31日までの課税期間をいい、以下他の課税期間も同様に表記する。)から平成31年3月期までの各課税期間(以下「本件各課税期間」という。)における顧客への物件の譲渡に係る消費税及び地方消費税(以下併せて「消費税等」という。)の納税申告について処分行政庁が行った各更正処分(ただし、平成30年3月期分については、後記3⑽の減額再更正処分により一部取り消された後のもの。以下「本件各更正処分」と総称する。)及び過少申告加算税の各賦課決定処分(以下「本件各賦課決定処分」と総称し、本件各更正処分と併せて「本件各更正処分等」という。)は違法であるとして、被告を相手に、本件各更正処分等(ただし、本件各更正処分については、申告額を超える部分)の取消しを求める事案である。
判示事項1 事業者が土地と建物とをその代金額を明示的に区分した上で同一の者に対して同時に譲渡した場合における消費税法施行令45条3項の適用の可否

2 事業者が土地と建物とを同一の者に対して同時に譲渡した場合の消費税の課税標準の額の算定に当たって、当該譲渡に係る売買契約書において土地の代金額と建物の代金額とが明示的に区分されていたとしても、消費税法施行令45条3項所定の「課税資産の譲渡の対価の額と非課税資産の譲渡の対価の額とに合理的に区分されていないとき」に該当するとされた事例
裁判要旨1 事業者が土地と建物とをその代金額を明示的に区分した上で同一の者に対して同時に譲渡した場合においても、その消費税の課税標準の額の算定に当たっては消費税法施行令45条3項が適用される。

2 事業者が土地と建物とを同一の者に対して同時に譲渡した場合の消費税の課税標準の額の算定に当たって、当該譲渡に係る売買契約書において土地の代金額と建物の代金額とが明示的に区分されていたとしても、当該事業者が、一般の中古住宅市場では流通しにくい中古住宅をその敷地と共に仕入れ、建物を中心としたリフォームによってその交換価値を高めていたこと、それにもかかわらず建物の代金額を専ら過去に仕入れた中古住宅における建物の価額の割合の平均値により算出していたため、仕入れ時及び販売時をみると、全体的に土地の価値が急騰する一方、建物の価値は下落して建物単体では損失が生じた形になっており、その結果として当該事業者が高額の消費税の還付を申告していたことなど判示の事情の下においては、消費税法施行令45条3項所定の「課税資産の譲渡の対価の額と非課税資産の譲渡の対価の額とに合理的に区分されていないとき」に該当する。
事件番号令和3(行ウ)123
事件名消費税及び地方消費税更正処分等取消請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日令和5年5月25日
事案の概要
本件は、土地付き中古住宅(戸建住宅及び集合住宅を含む。以下、単に「物件」という。)の販売事業等を営む原告が、平成28年3月期(平成27年4月1日から平成28年3月31日までの課税期間をいい、以下他の課税期間も同様に表記する。)から平成31年3月期までの各課税期間(以下「本件各課税期間」という。)における顧客への物件の譲渡に係る消費税及び地方消費税(以下併せて「消費税等」という。)の納税申告について処分行政庁が行った各更正処分(ただし、平成30年3月期分については、後記3⑽の減額再更正処分により一部取り消された後のもの。以下「本件各更正処分」と総称する。)及び過少申告加算税の各賦課決定処分(以下「本件各賦課決定処分」と総称し、本件各更正処分と併せて「本件各更正処分等」という。)は違法であるとして、被告を相手に、本件各更正処分等(ただし、本件各更正処分については、申告額を超える部分)の取消しを求める事案である。
判示事項
1 事業者が土地と建物とをその代金額を明示的に区分した上で同一の者に対して同時に譲渡した場合における消費税法施行令45条3項の適用の可否

2 事業者が土地と建物とを同一の者に対して同時に譲渡した場合の消費税の課税標準の額の算定に当たって、当該譲渡に係る売買契約書において土地の代金額と建物の代金額とが明示的に区分されていたとしても、消費税法施行令45条3項所定の「課税資産の譲渡の対価の額と非課税資産の譲渡の対価の額とに合理的に区分されていないとき」に該当するとされた事例
裁判要旨
1 事業者が土地と建物とをその代金額を明示的に区分した上で同一の者に対して同時に譲渡した場合においても、その消費税の課税標準の額の算定に当たっては消費税法施行令45条3項が適用される。

2 事業者が土地と建物とを同一の者に対して同時に譲渡した場合の消費税の課税標準の額の算定に当たって、当該譲渡に係る売買契約書において土地の代金額と建物の代金額とが明示的に区分されていたとしても、当該事業者が、一般の中古住宅市場では流通しにくい中古住宅をその敷地と共に仕入れ、建物を中心としたリフォームによってその交換価値を高めていたこと、それにもかかわらず建物の代金額を専ら過去に仕入れた中古住宅における建物の価額の割合の平均値により算出していたため、仕入れ時及び販売時をみると、全体的に土地の価値が急騰する一方、建物の価値は下落して建物単体では損失が生じた形になっており、その結果として当該事業者が高額の消費税の還付を申告していたことなど判示の事情の下においては、消費税法施行令45条3項所定の「課税資産の譲渡の対価の額と非課税資産の譲渡の対価の額とに合理的に区分されていないとき」に該当する。
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