事件番号令和1(ネ)801
事件名損害賠償請求各控訴事件
裁判所名古屋高等裁判所 民事第1部
裁判年月日令和5年11月22日
原審裁判所名古屋地方裁判所
原審事件番号平成25(ワ)2710
判示事項の要旨1 一審被告国は、平成14年末にはO.P.(小名浜港工事基準面)+10mを超えるO.P.+15.7mの津波の到来を予見することが可能であった。しかし、経済産業大臣が規制権限を行使して技術基準適合命令を発令していたとしても、平成23年3月11日の津波による福島第一原発の事故を回避することができたとは認められないから、経済産業大臣の規制権限の不行使により、一審被告国が国家賠償責任を負うとはいえない。

2 一審被告東京電力は、福島第一原発の事故と相当因果関係がある一審原告らの損害について損害賠償責任を負う。事故との相当因果関係の有無を個別の事情を考慮して判断すると、一審原告らのうち120名について合計約3億1970万円の損害が発生したと認められる。これから、一審被告東京電力がこれまで一審原告らに支払った賠償金のうち合計約2億4440万円を控除すると、一審被告東京電力は、一審原告らのうち89名に対し、損害賠償合計約7530万円および遅延損害金の支払い義務を負う。
事件番号令和1(ネ)801
事件名損害賠償請求各控訴事件
裁判所名古屋高等裁判所 民事第1部
裁判年月日令和5年11月22日
原審裁判所名古屋地方裁判所
原審事件番号平成25(ワ)2710
判示事項の要旨
1 一審被告国は、平成14年末にはO.P.(小名浜港工事基準面)+10mを超えるO.P.+15.7mの津波の到来を予見することが可能であった。しかし、経済産業大臣が規制権限を行使して技術基準適合命令を発令していたとしても、平成23年3月11日の津波による福島第一原発の事故を回避することができたとは認められないから、経済産業大臣の規制権限の不行使により、一審被告国が国家賠償責任を負うとはいえない。

2 一審被告東京電力は、福島第一原発の事故と相当因果関係がある一審原告らの損害について損害賠償責任を負う。事故との相当因果関係の有無を個別の事情を考慮して判断すると、一審原告らのうち120名について合計約3億1970万円の損害が発生したと認められる。これから、一審被告東京電力がこれまで一審原告らに支払った賠償金のうち合計約2億4440万円を控除すると、一審被告東京電力は、一審原告らのうち89名に対し、損害賠償合計約7530万円および遅延損害金の支払い義務を負う。
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