事件番号令和4(行ツ)318
事件名犯罪被害者給付金不支給裁定取消請求事件
裁判所最高裁判所第三小法廷
裁判年月日令和6年3月26日
裁判種別判決
結果破棄差戻
原審裁判所名古屋高等裁判所
原審事件番号令和2(行コ)23
原審裁判年月日令和4年8月26日
事案の概要犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律(昭和55年法律第36号。以下「犯給法」という。)は、3条において、国は、犯罪被害者(2条3項所定の犯罪被害者をいう。以下同じ。)又はその遺族(所定の者を除く。)に対し、犯罪被害者等給付金を支給する旨を規定し、4条1号において、そのうち遺族給付金は、犯罪行為(2条1項所定の人の生命又は身体を害する罪に当たる行為をいう。以下同じ。)により死亡した者の第一順位遺族に対し、一時金として支給する旨を規定している。
犯給法5条1項は、遺族給付金の支給を受けることができる遺族の範囲について、犯罪被害者の死亡の時において、「犯罪被害者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。)(同項1号)、「犯罪被害者の収入によつて生計を維持していた犯罪被害者の子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹」(同項2号)、「前号に該当しない犯罪被害者の子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹」(同項3号)のいずれかに該当する者とする旨を規定し、同条3項は、遺族給付金の支給を受けるべき遺族の順位について、上記各号の順序とする旨を規定している。
上告人(昭和50年生まれの男性)は、平成6年頃に昭和37年生まれの男性(以下「本件被害者」という。)と交際を開始し、その頃から同人と同居して生活していたところ、同人は、平成26年12月22日、第三者の犯罪行為により死亡した。
上告人は、平成28年12月12日、本件被害者の死亡について、上告人は犯給法5条1項1号括弧書きにいう「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者」に該当すると主張して、遺族給付金の支給の裁定を申請したところ、愛知県公安委員会から、平成29年12月22日付けで、上告人は上記の者に該当しないなどとして、遺族給付金を支給しない旨の裁定を受けた。
本件は、上告人が、被上告人を相手に、上記裁定の取消しを求める事案である。
原審は、上記事実関係等の下において、要旨次のとおり判断した上で、犯給法5条1項1号が憲法14条1項等に反するとはいえないとして、上告人の請求を棄却すべきものとした。
判示事項犯罪被害者と同性の者は、犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律5条1項1号括弧書きにいう「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者」に該当し得る
事件番号令和4(行ツ)318
事件名犯罪被害者給付金不支給裁定取消請求事件
裁判所最高裁判所第三小法廷
裁判年月日令和6年3月26日
裁判種別判決
結果破棄差戻
原審裁判所名古屋高等裁判所
原審事件番号令和2(行コ)23
原審裁判年月日令和4年8月26日
事案の概要
犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律(昭和55年法律第36号。以下「犯給法」という。)は、3条において、国は、犯罪被害者(2条3項所定の犯罪被害者をいう。以下同じ。)又はその遺族(所定の者を除く。)に対し、犯罪被害者等給付金を支給する旨を規定し、4条1号において、そのうち遺族給付金は、犯罪行為(2条1項所定の人の生命又は身体を害する罪に当たる行為をいう。以下同じ。)により死亡した者の第一順位遺族に対し、一時金として支給する旨を規定している。
犯給法5条1項は、遺族給付金の支給を受けることができる遺族の範囲について、犯罪被害者の死亡の時において、「犯罪被害者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。)(同項1号)、「犯罪被害者の収入によつて生計を維持していた犯罪被害者の子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹」(同項2号)、「前号に該当しない犯罪被害者の子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹」(同項3号)のいずれかに該当する者とする旨を規定し、同条3項は、遺族給付金の支給を受けるべき遺族の順位について、上記各号の順序とする旨を規定している。
上告人(昭和50年生まれの男性)は、平成6年頃に昭和37年生まれの男性(以下「本件被害者」という。)と交際を開始し、その頃から同人と同居して生活していたところ、同人は、平成26年12月22日、第三者の犯罪行為により死亡した。
上告人は、平成28年12月12日、本件被害者の死亡について、上告人は犯給法5条1項1号括弧書きにいう「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者」に該当すると主張して、遺族給付金の支給の裁定を申請したところ、愛知県公安委員会から、平成29年12月22日付けで、上告人は上記の者に該当しないなどとして、遺族給付金を支給しない旨の裁定を受けた。
本件は、上告人が、被上告人を相手に、上記裁定の取消しを求める事案である。
原審は、上記事実関係等の下において、要旨次のとおり判断した上で、犯給法5条1項1号が憲法14条1項等に反するとはいえないとして、上告人の請求を棄却すべきものとした。
判示事項
犯罪被害者と同性の者は、犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律5条1項1号括弧書きにいう「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者」に該当し得る
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