事件番号令和3(行コ)43
事件名損害賠償請求控訴事件
裁判所名古屋高等裁判所 民事第2部
裁判年月日令和6年5月30日
原審裁判所名古屋地方裁判所
原審事件番号令和1(行ウ)49
事案の概要控訴人は、平成29年1月16日に勤務先である愛知県教育委員会(以下「県教委」ということがある。)尾張教育事務所の上司に対して暴行を加えたもの(本件暴行)とされる暴行被疑事件(本件暴行被疑事件)につき、名古屋地方検察庁検察官から、同年7月5日付けで起訴猶予を理由とする不起訴処分を受けた(本件不起訴処分)
県教委(管理部総務課長)は、同月7日頃、名古屋地方検察庁検察官に対し、本件暴行被疑事件についての処分結果及び処分理由について書面で照会したところ、名古屋地方検察庁次席検事は、同月13日、県教委(管理部総務課長)に対し、本件暴行被疑事件について控訴人を起訴猶予を理由として不起訴処分とした旨を書面で回答した(本件回答)
控訴人は、同年10月12日付けで、県教委から、本件暴行に及んだことなどを理由とする戒告処分を受けた(本件戒告処分)
控訴人は、その後、本件不起訴処分を不服として名古屋高等検察庁検察官に対して不服申立てをし、平成31年3月27日付け不服申立事件審査結果通知書(本件通知書)により、上記不服申立てに対する裁定を受けたが、本件通知書には、「貴殿からの不服申立てについて、その内容をよく検討した結果、名古屋地方検察庁が行った処理(不起訴処分)は、適正に行われたものと判断いたしました。」と記載されていた。

本件は、控訴人が、名古屋高等検察庁検察官が本件通知書に本件不起訴処分の理由の根拠について何ら記載しなかったこと、名古屋地方検察庁検察官が本件不起訴処分の理由を起訴猶予としたこと、名古屋地方検察庁次席検事が県教委に対して本件不起訴処分が起訴猶予を理由とするものであることを書面で知らせたこと(本件回答)、検察庁が本件不起訴処分を撤回せず、又は本件不起訴処分の理由を起訴猶予から嫌疑なし若しくは罪とならずに変更しなかったことがいずれも違法であるなどと主張して、①国家賠償法(国賠法)1条1項に基づく損害賠償金4020万円の一部である160万円及びこれに対する不法行為の後の日である令和元年9月6日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法(以下「改正前民法」という。)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに、行政事件訴訟法(行訴法)3条6項1号のいわゆる非申請型の義務付けの訴えとして、②本件不起訴処分を撤回し、又は③本件不起訴処分の理由を起訴猶予から嫌疑なし若しくは罪とならずに変更するよう求めた(本件不起訴処分の撤回等の訴え。②と③は選択的併合と解される。)事案である(なお、控訴人は、「被控訴人又は検察庁」に対して、本件不起訴処分の撤回等を求めているが、控訴人のいう「検察庁」とは、本件不起訴処分を行った名古屋地方検察庁検察官のことを意味するものと解される。)
原判決は、本件不起訴処分の撤回等の訴えを不適法としていずれも却下し、その余の請求(損害賠償請求)を棄却したところ、控訴人が、これを不服として、原審への差戻し又は上記控訴人の請求の認容を求めて控訴した。
事件番号令和3(行コ)43
事件名損害賠償請求控訴事件
裁判所名古屋高等裁判所 民事第2部
裁判年月日令和6年5月30日
原審裁判所名古屋地方裁判所
原審事件番号令和1(行ウ)49
事案の概要
控訴人は、平成29年1月16日に勤務先である愛知県教育委員会(以下「県教委」ということがある。)尾張教育事務所の上司に対して暴行を加えたもの(本件暴行)とされる暴行被疑事件(本件暴行被疑事件)につき、名古屋地方検察庁検察官から、同年7月5日付けで起訴猶予を理由とする不起訴処分を受けた(本件不起訴処分)
県教委(管理部総務課長)は、同月7日頃、名古屋地方検察庁検察官に対し、本件暴行被疑事件についての処分結果及び処分理由について書面で照会したところ、名古屋地方検察庁次席検事は、同月13日、県教委(管理部総務課長)に対し、本件暴行被疑事件について控訴人を起訴猶予を理由として不起訴処分とした旨を書面で回答した(本件回答)
控訴人は、同年10月12日付けで、県教委から、本件暴行に及んだことなどを理由とする戒告処分を受けた(本件戒告処分)
控訴人は、その後、本件不起訴処分を不服として名古屋高等検察庁検察官に対して不服申立てをし、平成31年3月27日付け不服申立事件審査結果通知書(本件通知書)により、上記不服申立てに対する裁定を受けたが、本件通知書には、「貴殿からの不服申立てについて、その内容をよく検討した結果、名古屋地方検察庁が行った処理(不起訴処分)は、適正に行われたものと判断いたしました。」と記載されていた。

本件は、控訴人が、名古屋高等検察庁検察官が本件通知書に本件不起訴処分の理由の根拠について何ら記載しなかったこと、名古屋地方検察庁検察官が本件不起訴処分の理由を起訴猶予としたこと、名古屋地方検察庁次席検事が県教委に対して本件不起訴処分が起訴猶予を理由とするものであることを書面で知らせたこと(本件回答)、検察庁が本件不起訴処分を撤回せず、又は本件不起訴処分の理由を起訴猶予から嫌疑なし若しくは罪とならずに変更しなかったことがいずれも違法であるなどと主張して、①国家賠償法(国賠法)1条1項に基づく損害賠償金4020万円の一部である160万円及びこれに対する不法行為の後の日である令和元年9月6日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法(以下「改正前民法」という。)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに、行政事件訴訟法(行訴法)3条6項1号のいわゆる非申請型の義務付けの訴えとして、②本件不起訴処分を撤回し、又は③本件不起訴処分の理由を起訴猶予から嫌疑なし若しくは罪とならずに変更するよう求めた(本件不起訴処分の撤回等の訴え。②と③は選択的併合と解される。)事案である(なお、控訴人は、「被控訴人又は検察庁」に対して、本件不起訴処分の撤回等を求めているが、控訴人のいう「検察庁」とは、本件不起訴処分を行った名古屋地方検察庁検察官のことを意味するものと解される。)
原判決は、本件不起訴処分の撤回等の訴えを不適法としていずれも却下し、その余の請求(損害賠償請求)を棄却したところ、控訴人が、これを不服として、原審への差戻し又は上記控訴人の請求の認容を求めて控訴した。
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