事件番号令和4(ネ)153
事件名国家賠償等、損害賠償請求控訴事件
裁判所名古屋高等裁判所 民事第2部
裁判年月日令和6年8月30日
原審裁判所名古屋地方裁判所
原審事件番号平成30(ワ)3020
事案の概要1 一審原告は、自宅の近隣に建設中のマンション(本件マンション)の建設計画や工事のやり方等が不当であるとして、他の近隣住民らとともに仮処分を申し立てるなど反対運動を行っていたところ、本件マンションを建設する一審被告会社の従業員である一審被告 B に対して暴行を加えた(本件暴行事件)などとして、現行犯人として逮捕され、勾留(勾留延長を含む。)された上、起訴されたが、無罪判決を受け、同判決が確定した。
2 甲事件は、一審原告が、本件暴行事件について、①愛知県 M 警察署( M 警察署)の警察官らが職務上の法的義務に違背して違法な逮捕、取調べ及び捜索差押えをしたため、精神的苦痛を被ったなどと主張して、一審被告県に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求として、損害金550万円(慰謝料500万円及び弁護士費用50万円)及びこれに対する前記無罪判決が確定した日である平成30年2月28日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法(改正前民法)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め、②名古屋地方検察庁の検察官らが要件を満たさない違法な勾留請求及び勾留期間延長請求をし、さらに、有罪判決を得る可能性が乏しいにもかかわらず公訴を提起したことにより、精神的苦痛を被ったなどと主張して、一審被告国に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求として、損害金550万円(慰謝料500万円及び弁護士費用50万円)及びこれに対する上記無罪判決が確定した日である平成30年2月28日から支払済みまで改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに、③本件暴行事件に係る捜査の際に取得された一審原告の指紋、DNA型、顔写真及び一審原告所有の携帯電話の各データを上記無罪判決の確定後も保有し続けることは、一審原告のプライバシー権を侵害するものであるなどと主張して、一審被告国に対し、人格権に基づく妨害排除請求として、上記各データの抹消を求めた事案である。
乙事件は、一審原告が、本件暴行事件について、一審被告会社の従業員である一審被告 B が一審原告から暴行されたと虚偽の被害を訴えたため、現行犯として逮捕され、勾留及び起訴されて長期間にわたり身柄拘束を受けるなどし、精神的苦痛を被ったなどと主張して、一審被告 B に対しては不法行為に基づく損害賠償請求として、一審被告会社に対しては使用者責任に基づく損害賠償請求として、損害金1100万円(慰謝料1000万円及び弁護士費用100万円)及びこれに対する不法行為の日(上記逮捕の日)である平成28年10月7日から支払済みまで改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求めた事案である。
3 原判決は、甲事件につき、一審被告県及び一審被告国に対する損害賠償請求をいずれも棄却し、一審被告国に対する各種データの抹消を求める請求について、一審原告の指紋、DNA型及び顔写真の各データ(本件3データ)については、いずれも抹消請求を認容し、携帯電話のデータについては、抹消請求を棄却し、乙事件につき、一審被告 B 及び一審被告会社に対する損害賠償請求をいずれも棄却した。
これに対し,一審原告及び一審被告国がそれぞれその敗訴部分の取消し等を求めて控訴した。
事件番号令和4(ネ)153
事件名国家賠償等、損害賠償請求控訴事件
裁判所名古屋高等裁判所 民事第2部
裁判年月日令和6年8月30日
原審裁判所名古屋地方裁判所
原審事件番号平成30(ワ)3020
事案の概要
1 一審原告は、自宅の近隣に建設中のマンション(本件マンション)の建設計画や工事のやり方等が不当であるとして、他の近隣住民らとともに仮処分を申し立てるなど反対運動を行っていたところ、本件マンションを建設する一審被告会社の従業員である一審被告 B に対して暴行を加えた(本件暴行事件)などとして、現行犯人として逮捕され、勾留(勾留延長を含む。)された上、起訴されたが、無罪判決を受け、同判決が確定した。
2 甲事件は、一審原告が、本件暴行事件について、①愛知県 M 警察署( M 警察署)の警察官らが職務上の法的義務に違背して違法な逮捕、取調べ及び捜索差押えをしたため、精神的苦痛を被ったなどと主張して、一審被告県に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求として、損害金550万円(慰謝料500万円及び弁護士費用50万円)及びこれに対する前記無罪判決が確定した日である平成30年2月28日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法(改正前民法)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め、②名古屋地方検察庁の検察官らが要件を満たさない違法な勾留請求及び勾留期間延長請求をし、さらに、有罪判決を得る可能性が乏しいにもかかわらず公訴を提起したことにより、精神的苦痛を被ったなどと主張して、一審被告国に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求として、損害金550万円(慰謝料500万円及び弁護士費用50万円)及びこれに対する上記無罪判決が確定した日である平成30年2月28日から支払済みまで改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに、③本件暴行事件に係る捜査の際に取得された一審原告の指紋、DNA型、顔写真及び一審原告所有の携帯電話の各データを上記無罪判決の確定後も保有し続けることは、一審原告のプライバシー権を侵害するものであるなどと主張して、一審被告国に対し、人格権に基づく妨害排除請求として、上記各データの抹消を求めた事案である。
乙事件は、一審原告が、本件暴行事件について、一審被告会社の従業員である一審被告 B が一審原告から暴行されたと虚偽の被害を訴えたため、現行犯として逮捕され、勾留及び起訴されて長期間にわたり身柄拘束を受けるなどし、精神的苦痛を被ったなどと主張して、一審被告 B に対しては不法行為に基づく損害賠償請求として、一審被告会社に対しては使用者責任に基づく損害賠償請求として、損害金1100万円(慰謝料1000万円及び弁護士費用100万円)及びこれに対する不法行為の日(上記逮捕の日)である平成28年10月7日から支払済みまで改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求めた事案である。
3 原判決は、甲事件につき、一審被告県及び一審被告国に対する損害賠償請求をいずれも棄却し、一審被告国に対する各種データの抹消を求める請求について、一審原告の指紋、DNA型及び顔写真の各データ(本件3データ)については、いずれも抹消請求を認容し、携帯電話のデータについては、抹消請求を棄却し、乙事件につき、一審被告 B 及び一審被告会社に対する損害賠償請求をいずれも棄却した。
これに対し,一審原告及び一審被告国がそれぞれその敗訴部分の取消し等を求めて控訴した。
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