事件番号 | 令和5(う)1481 |
---|---|
事件名 | 殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反 |
裁判所 | 東京高等裁判所 第12刑事部 |
裁判年月日 | 令和6年10月22日 |
原審裁判所 | 東京地方裁判所 |
原審事件番号 | 令和1合(わ)219 |
事案の概要 | 本件各公訴事実の要旨は、被告人が、①平成31年3月20日、東京家庭・簡易裁判所1階東側玄関において、夫婦関係調整(離婚)調停中の妻である被害者(当時31歳)に対し、殺意をもって、同人の背後から、持っていた折りたたみ式ナイフでその右頸部を切り付け、失血死させて殺害し、②業務その他正当な理由による場合でないのに、同日、a公園において、折りたたみ式ナイフ4本を携帯したというものである。 原審において、被告人が、公訴事実の各行為をしたことに争いはなく、責任能力の有無が争点とされ、原審検察官は、犯行当時被告人は、少なくとも統合失調症の重度の症状はなく、何らかの精神疾患があったとしても、正常な精神作用を失っていない、又は、正常な精神作用をある程度失っていたとしても、その程度は著しくなかったとして完全責任能力を、原審弁護人は、統合失調症の圧倒的影響による心神喪失を、それぞれ主張し、原判決は、本件各公訴事実について、統合失調症の症状である妄想、幻聴の圧倒的影響により行われたものであり、被告人は心神喪失の状態にあったと判断して、無罪を言い渡した。 本件では、起訴前にA医師による精神鑑定が行われ(以下「第1鑑定」という。)、A医師は犯行時及び犯行前において精神疾患の有意な影響は認められないと鑑定したが、起訴後の公判前整理手続中に、裁判員法50条による精神鑑定が実施され(以下「第2鑑定」という。)、改めて鑑定を受託したA医師は、被告人は、統合失調症にり患しており、その強い影響を受け、本件行為に至ったと鑑定しており、この第2鑑定の信用性が責任能力判断の中心的な争点とされている。 |
事件番号 | 令和5(う)1481 |
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事件名 | 殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反 |
裁判所 | 東京高等裁判所 第12刑事部 |
裁判年月日 | 令和6年10月22日 |
原審裁判所 | 東京地方裁判所 |
原審事件番号 | 令和1合(わ)219 |
事案の概要 |
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本件各公訴事実の要旨は、被告人が、①平成31年3月20日、東京家庭・簡易裁判所1階東側玄関において、夫婦関係調整(離婚)調停中の妻である被害者(当時31歳)に対し、殺意をもって、同人の背後から、持っていた折りたたみ式ナイフでその右頸部を切り付け、失血死させて殺害し、②業務その他正当な理由による場合でないのに、同日、a公園において、折りたたみ式ナイフ4本を携帯したというものである。 原審において、被告人が、公訴事実の各行為をしたことに争いはなく、責任能力の有無が争点とされ、原審検察官は、犯行当時被告人は、少なくとも統合失調症の重度の症状はなく、何らかの精神疾患があったとしても、正常な精神作用を失っていない、又は、正常な精神作用をある程度失っていたとしても、その程度は著しくなかったとして完全責任能力を、原審弁護人は、統合失調症の圧倒的影響による心神喪失を、それぞれ主張し、原判決は、本件各公訴事実について、統合失調症の症状である妄想、幻聴の圧倒的影響により行われたものであり、被告人は心神喪失の状態にあったと判断して、無罪を言い渡した。 本件では、起訴前にA医師による精神鑑定が行われ(以下「第1鑑定」という。)、A医師は犯行時及び犯行前において精神疾患の有意な影響は認められないと鑑定したが、起訴後の公判前整理手続中に、裁判員法50条による精神鑑定が実施され(以下「第2鑑定」という。)、改めて鑑定を受託したA医師は、被告人は、統合失調症にり患しており、その強い影響を受け、本件行為に至ったと鑑定しており、この第2鑑定の信用性が責任能力判断の中心的な争点とされている。 |