事件番号令和5(ネ)86
事件名損害賠償請求控訴事件
裁判所札幌高等裁判所
裁判年月日令和7年2月14日
結果棄却
原審裁判所札幌地方裁判所
原審事件番号令和2(ワ)2916
原審結果その他
事案の概要本件は、Aの相続人である被控訴人が、控訴人に対し、控訴人が粉じん発生防止策の速やかな普及及び実施を図るために鉱山保安法に基づく規制権限を行使することを怠ったことが違法であり、これによりAがじん肺を原因として死亡し、控訴人に対して国賠法1条1項に基づく損害賠償請求権(死亡慰謝料)を取得し、被控訴人がこの債権を相続したと主張して、Aの控訴人に対する慰謝料1000万円及び弁護士費用相当損害金150万円の合計額1150万円のうち慰謝料100万円及び弁護士費用相当損害金10万円の合計額110万円並びにこれに対するAの死亡日である令和2年1月3日から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項の要旨炭鉱構内において粉じん作業に従事していた元労働者が、国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項に基づく損害賠償を求める訴えを控訴人(国)に対し提起したところ、同訴訟において、控訴人(国)が同元労働者に対して、同元労働者がじん肺法所定の管理区分管理四(以下「管理四」という。)に該当することを前提とした基準慰謝料等を支払う旨の裁判上の和解が成立した(以下「前件和解」という。)後、同元労働者がじん肺を原因として死亡した。
 本件は、同元労働者の相続人である被控訴人(一審原告)が、控訴人(一審被告)に対し、同元労働者がじん肺を原因として死亡したため、控訴人に対して国賠法1条1項に基づく損害賠償請求権を取得し、被控訴人がこの債権を相続したと主張して、じん肺死に係る基準慰謝料と管理四に係る基準慰謝料の差額等の支払を求める事案である。
 原審は、被控訴人の請求を全部認容したので、これを不服として控訴人が控訴をしたところ、本判決は、前件和解はその成立後に発生した上記差額に係る請求権の行使を妨げる趣旨のものでないと解するのが相当であるとして、控訴人の控訴を棄却した。
事件番号令和5(ネ)86
事件名損害賠償請求控訴事件
裁判所札幌高等裁判所
裁判年月日令和7年2月14日
結果棄却
原審裁判所札幌地方裁判所
原審事件番号令和2(ワ)2916
原審結果その他
事案の概要
本件は、Aの相続人である被控訴人が、控訴人に対し、控訴人が粉じん発生防止策の速やかな普及及び実施を図るために鉱山保安法に基づく規制権限を行使することを怠ったことが違法であり、これによりAがじん肺を原因として死亡し、控訴人に対して国賠法1条1項に基づく損害賠償請求権(死亡慰謝料)を取得し、被控訴人がこの債権を相続したと主張して、Aの控訴人に対する慰謝料1000万円及び弁護士費用相当損害金150万円の合計額1150万円のうち慰謝料100万円及び弁護士費用相当損害金10万円の合計額110万円並びにこれに対するAの死亡日である令和2年1月3日から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項の要旨
炭鉱構内において粉じん作業に従事していた元労働者が、国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項に基づく損害賠償を求める訴えを控訴人(国)に対し提起したところ、同訴訟において、控訴人(国)が同元労働者に対して、同元労働者がじん肺法所定の管理区分管理四(以下「管理四」という。)に該当することを前提とした基準慰謝料等を支払う旨の裁判上の和解が成立した(以下「前件和解」という。)後、同元労働者がじん肺を原因として死亡した。
 本件は、同元労働者の相続人である被控訴人(一審原告)が、控訴人(一審被告)に対し、同元労働者がじん肺を原因として死亡したため、控訴人に対して国賠法1条1項に基づく損害賠償請求権を取得し、被控訴人がこの債権を相続したと主張して、じん肺死に係る基準慰謝料と管理四に係る基準慰謝料の差額等の支払を求める事案である。
 原審は、被控訴人の請求を全部認容したので、これを不服として控訴人が控訴をしたところ、本判決は、前件和解はその成立後に発生した上記差額に係る請求権の行使を妨げる趣旨のものでないと解するのが相当であるとして、控訴人の控訴を棄却した。
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