事件番号令和6(う)68
事件名過失運転致死
裁判所札幌高等裁判所 刑事部
裁判年月日令和7年3月18日
結果破棄自判
原審裁判所札幌地方裁判所
原審事件番号令和4(わ)127
原審結果その他
事案の概要本件は過失運転致死の事案であり、原判決が認定した罪となるべき事実の概要は以下のとおりである。すなわち、被告人は、平成31年3月30日午後7時31分頃、普通乗用自動車(以下「被告人車両」という。)を運転し、北海道苫小牧市(住所省略)先の市道(本件道路)を南東方面(勇払方面)から北西方面(JRD駅方面)へ向かい直進して進行していたところ、当時は夜間のため見通しが悪かったものの、なお歩行者が存在しうる時間帯であった上、本件道路沿いには多数の民家等が隣接して立ち並び、本件道路の両側にはそれぞれ歩道が設置されていたほか、進路前方には信号機の設置された幹線道路と交差する交差点があり、進路右方にはT字状に交差する市道が走っていたのであるから、本件道路を横断する歩行者も存在しうる状況にあったところ、このような場合、自動車の運転者としては、走行中の自車を歩行者に衝突させないよう前方左右を注視し、進路の安全を確認しながら進行すべき自動車運転上の注意義務があるのに、被告人はこれを怠り、前方左右を注視せず、進路の安全を十分に確認しないまま漫然と時速約45キロメートルで進行したものであり、このような被告人の過失ある行為により、折から進路前方を右方から左方に向かい横断歩行中の当時75歳の被害者に気付かず、被害者に自車前部を衝突させて、自車ボンネット上に跳ね上げてフロントガラス上に衝突させた上、路上に転倒させ、よって、被害者に頸髄損傷等の傷害を負わせ、その頃、同所において、同頸髄損傷により死亡させたという事案(以下「本件事故」ということがある。)である。
判示事項の要旨過失運転致死の事案において、第一審は、検察官請求の鑑定に基づいて衝突地点を認定し、結果回避可能性を認めて原判示過失を認定した。控訴審は、原判決の判断は論理則経験則等に反し不合理であり、判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認があるとして破棄した上で、控訴審における訴因変更後の訴因にかかる検察官主張の結果回避可能性、過失は認められないとして、無罪の言渡しをした。
事件番号令和6(う)68
事件名過失運転致死
裁判所札幌高等裁判所 刑事部
裁判年月日令和7年3月18日
結果破棄自判
原審裁判所札幌地方裁判所
原審事件番号令和4(わ)127
原審結果その他
事案の概要
本件は過失運転致死の事案であり、原判決が認定した罪となるべき事実の概要は以下のとおりである。すなわち、被告人は、平成31年3月30日午後7時31分頃、普通乗用自動車(以下「被告人車両」という。)を運転し、北海道苫小牧市(住所省略)先の市道(本件道路)を南東方面(勇払方面)から北西方面(JRD駅方面)へ向かい直進して進行していたところ、当時は夜間のため見通しが悪かったものの、なお歩行者が存在しうる時間帯であった上、本件道路沿いには多数の民家等が隣接して立ち並び、本件道路の両側にはそれぞれ歩道が設置されていたほか、進路前方には信号機の設置された幹線道路と交差する交差点があり、進路右方にはT字状に交差する市道が走っていたのであるから、本件道路を横断する歩行者も存在しうる状況にあったところ、このような場合、自動車の運転者としては、走行中の自車を歩行者に衝突させないよう前方左右を注視し、進路の安全を確認しながら進行すべき自動車運転上の注意義務があるのに、被告人はこれを怠り、前方左右を注視せず、進路の安全を十分に確認しないまま漫然と時速約45キロメートルで進行したものであり、このような被告人の過失ある行為により、折から進路前方を右方から左方に向かい横断歩行中の当時75歳の被害者に気付かず、被害者に自車前部を衝突させて、自車ボンネット上に跳ね上げてフロントガラス上に衝突させた上、路上に転倒させ、よって、被害者に頸髄損傷等の傷害を負わせ、その頃、同所において、同頸髄損傷により死亡させたという事案(以下「本件事故」ということがある。)である。
判示事項の要旨
過失運転致死の事案において、第一審は、検察官請求の鑑定に基づいて衝突地点を認定し、結果回避可能性を認めて原判示過失を認定した。控訴審は、原判決の判断は論理則経験則等に反し不合理であり、判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認があるとして破棄した上で、控訴審における訴因変更後の訴因にかかる検察官主張の結果回避可能性、過失は認められないとして、無罪の言渡しをした。
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