事件番号 | 令和4(わ)17 |
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事件名 | 恐喝未遂、恐喝、暴行、重過失致死 |
裁判所 | 鹿児島地方裁判所 |
裁判年月日 | 令和7年3月13日 |
事案の概要 | 被告人は、 第1 鹿児島県出水市(住所省略)の当時の被告人方において、当時交際中であったA及びその長女であるB(当時4歳)と同居していたものであるが、 1 令和元年8月27日、前記被告人方において、前記Bに対し、その左頭部を右拳で1回殴る暴行を加えた。(令和4年3月16日付け起訴状記載の公訴事実第1) 2 令和元年8月28日午後7時40分頃から同日午後9時10分頃までの間、前記被告人方において、前記Bを入浴させるに当たり、同児の身長は約97㎝で、湯を張った最深部約48㎝の浴槽内で同児を長時間にわたり入浴させれば、同児がのぼせるなどして鼻口が水没しない姿勢を維持できずに溺水するおそれがあり、かつ、同日、同児は、高熱等の症状で病院を受診し、貧血の疑いにより精密な血液検査を受け、同病院で投薬を受けてもなお、同日午後6時30分頃から同日午後7時40分頃までの間、被告人方において、ソファ上に横たわるなど著しい体調不良であり、被告人もその旨を認識していたところ、同児を長時間にわたり入浴させれば、高熱等によりその体調が急変して同児が鼻口を水没させない姿勢を維持できなくなるおそれもあったのであるから、長時間にわたり、湯を張った浴槽内で同児を入浴させるに当たっては、その体調に細心の注意を払いその動静を終始注視し、必要に応じて浴槽から引き上げたり、声を掛けたりするなどして、同児が鼻口を水没させない姿勢を維持できなくなって溺水する事故の発生を未然に防止すべき注意義務があるのにこれを怠り、湯を張った浴槽内で約1時間、同児を入浴させた際、約15分間にわたり、同児の体調に注意を払うことなく漫然と自分の脛毛をそり続けるなどして、前記Bを浴槽内に放置してその動静を注視せず、その間、少なくとも約4分間にわたり、同児の鼻口が水没した状況を看過した重大な過失により、同児に浴槽内の湯を吸引させて溺水状態にさせ、よって、同日午後11時57分頃、同市(住所省略)Cにおいて、同児を溺死させた。(令和4年3月16日付け起訴状記載の公訴事実第2(令和5年6月22日付け訴因変更請求書による変更後のもの)) 第2 かねてからD(当時22歳)と面識があったところ、 1 分離前の共同被告人Eと共謀の上、Dがインターネット上のウェブサイト旧「ツイッター」に被告人に関する投稿をしたことを口実にするなどし、Dから金銭を脅し取ろうと考え、令和2年4月13日から同月14日までの間、熊本県水俣市(住所省略)のF駐車場において、被告人が、Dに対し、その顔面を右拳で1回殴る暴行を加えた上、同所に停車中の自動車内及び前記の当時の被告人方において、Dに対し、こもごも、「俺のこと悪く言ったよね。何で友達を売るようなことをしたの。」、「俺にはまだ弁護士が就いているんだから、お前なんか名誉棄損で訴える。」、「どうすんだ、けじめを付けるか、はまるか(暴行を受けるか)。」、「俺なら払うけど。」、「昔遊んだときに貸してたお金、今返してくれない。」、「今すぐ返せ。親とか友達に借りてでも返せ。」、「被告人は俺の地元の大事な後輩だから、許せない。どうすんの。」、「俺がやらんと分からんのか。」などと語気鋭く申し向けるなどして金銭の支払を要求し、もしその要求に応じなければ、Dの身体等にいかなる危害を加えるかもしれない気勢を示して脅迫し、同人をその旨畏怖させ、同人から現金を脅し取ろうとしたが、同人が金銭を支払わなかったため、その目的を遂げなかった。(令和4年2月9日付け起訴状記載の公訴事実第1) 2 Dが旧ツイッターに被告人に関する投稿をしたことを口実にするなどして、Dの交際相手であるG(当時22歳)から、同人が被告人を畏怖していることに乗じて金銭を脅し取ろうと考え、令和2年4月15日から同月16日までの間、鹿児島県内又はその周辺において、電話で、Gに対し、「払うことになっていた15万円をいつ払えるか。」、「15万円を今日払え。」などと申し向けた上、同日、熊本県葦北郡(住所省略)H駐車場において、同人に対し、「E君は、DにLINEで少し悪口を言われただけで20万ももらって、自分は自分のこともSNS等で悪く言われたり、家族のことも傷つけられたり、ひどい目に遭ったのにEさんより低い15万円というのはおかしい。」などと語気鋭く申し向けて金銭の支払を要求し、もしその要求に応じなければ、G及びDの身体等にいかなる危害を加えるかもしれない気勢を示して脅迫し、Gをその旨畏怖させ、よって、同日、熊本県八代市(住所省略)I駐車場において、同人から現金20万円の交付を受けてこれを脅し取った。(令和4年2月9日付け起訴状記載の公訴事実第3) 3 Dが被告人に対する借金を返済していないとして因縁をつけ、Gから、同人が被告人を畏怖していることに乗じて更に金銭を脅し取ろうと考え、令和2年4月下旬頃から同月25日頃までの間、鹿児島県内又はその周辺において、電話で、Gに対し、「Dに昔26万貸したって書いてる紙が見つかって、この26万返してほしいんだけど。」などと申し向けるとともに、「俺の連絡を無視するなよ。」、「26万今日中に払え。」などと語気鋭く申し向けて金銭の支払を要求し、もしその要求に応じなければ、G及びDの身体等にいかなる危害を加えるかもしれない気勢を示して脅迫し、Gをその旨畏怖させ、よって、同日、鹿児島県出水市(住所省略)J駐車場において、Dを介してGから現金26万円の交付を受けてこれを脅し取った。(令和4年2月9日付け起訴状記載の公訴事実第4) |
事件番号 | 令和4(わ)17 |
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事件名 | 恐喝未遂、恐喝、暴行、重過失致死 |
裁判所 | 鹿児島地方裁判所 |
裁判年月日 | 令和7年3月13日 |
事案の概要 |
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被告人は、 第1 鹿児島県出水市(住所省略)の当時の被告人方において、当時交際中であったA及びその長女であるB(当時4歳)と同居していたものであるが、 1 令和元年8月27日、前記被告人方において、前記Bに対し、その左頭部を右拳で1回殴る暴行を加えた。(令和4年3月16日付け起訴状記載の公訴事実第1) 2 令和元年8月28日午後7時40分頃から同日午後9時10分頃までの間、前記被告人方において、前記Bを入浴させるに当たり、同児の身長は約97㎝で、湯を張った最深部約48㎝の浴槽内で同児を長時間にわたり入浴させれば、同児がのぼせるなどして鼻口が水没しない姿勢を維持できずに溺水するおそれがあり、かつ、同日、同児は、高熱等の症状で病院を受診し、貧血の疑いにより精密な血液検査を受け、同病院で投薬を受けてもなお、同日午後6時30分頃から同日午後7時40分頃までの間、被告人方において、ソファ上に横たわるなど著しい体調不良であり、被告人もその旨を認識していたところ、同児を長時間にわたり入浴させれば、高熱等によりその体調が急変して同児が鼻口を水没させない姿勢を維持できなくなるおそれもあったのであるから、長時間にわたり、湯を張った浴槽内で同児を入浴させるに当たっては、その体調に細心の注意を払いその動静を終始注視し、必要に応じて浴槽から引き上げたり、声を掛けたりするなどして、同児が鼻口を水没させない姿勢を維持できなくなって溺水する事故の発生を未然に防止すべき注意義務があるのにこれを怠り、湯を張った浴槽内で約1時間、同児を入浴させた際、約15分間にわたり、同児の体調に注意を払うことなく漫然と自分の脛毛をそり続けるなどして、前記Bを浴槽内に放置してその動静を注視せず、その間、少なくとも約4分間にわたり、同児の鼻口が水没した状況を看過した重大な過失により、同児に浴槽内の湯を吸引させて溺水状態にさせ、よって、同日午後11時57分頃、同市(住所省略)Cにおいて、同児を溺死させた。(令和4年3月16日付け起訴状記載の公訴事実第2(令和5年6月22日付け訴因変更請求書による変更後のもの)) 第2 かねてからD(当時22歳)と面識があったところ、 1 分離前の共同被告人Eと共謀の上、Dがインターネット上のウェブサイト旧「ツイッター」に被告人に関する投稿をしたことを口実にするなどし、Dから金銭を脅し取ろうと考え、令和2年4月13日から同月14日までの間、熊本県水俣市(住所省略)のF駐車場において、被告人が、Dに対し、その顔面を右拳で1回殴る暴行を加えた上、同所に停車中の自動車内及び前記の当時の被告人方において、Dに対し、こもごも、「俺のこと悪く言ったよね。何で友達を売るようなことをしたの。」、「俺にはまだ弁護士が就いているんだから、お前なんか名誉棄損で訴える。」、「どうすんだ、けじめを付けるか、はまるか(暴行を受けるか)。」、「俺なら払うけど。」、「昔遊んだときに貸してたお金、今返してくれない。」、「今すぐ返せ。親とか友達に借りてでも返せ。」、「被告人は俺の地元の大事な後輩だから、許せない。どうすんの。」、「俺がやらんと分からんのか。」などと語気鋭く申し向けるなどして金銭の支払を要求し、もしその要求に応じなければ、Dの身体等にいかなる危害を加えるかもしれない気勢を示して脅迫し、同人をその旨畏怖させ、同人から現金を脅し取ろうとしたが、同人が金銭を支払わなかったため、その目的を遂げなかった。(令和4年2月9日付け起訴状記載の公訴事実第1) 2 Dが旧ツイッターに被告人に関する投稿をしたことを口実にするなどして、Dの交際相手であるG(当時22歳)から、同人が被告人を畏怖していることに乗じて金銭を脅し取ろうと考え、令和2年4月15日から同月16日までの間、鹿児島県内又はその周辺において、電話で、Gに対し、「払うことになっていた15万円をいつ払えるか。」、「15万円を今日払え。」などと申し向けた上、同日、熊本県葦北郡(住所省略)H駐車場において、同人に対し、「E君は、DにLINEで少し悪口を言われただけで20万ももらって、自分は自分のこともSNS等で悪く言われたり、家族のことも傷つけられたり、ひどい目に遭ったのにEさんより低い15万円というのはおかしい。」などと語気鋭く申し向けて金銭の支払を要求し、もしその要求に応じなければ、G及びDの身体等にいかなる危害を加えるかもしれない気勢を示して脅迫し、Gをその旨畏怖させ、よって、同日、熊本県八代市(住所省略)I駐車場において、同人から現金20万円の交付を受けてこれを脅し取った。(令和4年2月9日付け起訴状記載の公訴事実第3) 3 Dが被告人に対する借金を返済していないとして因縁をつけ、Gから、同人が被告人を畏怖していることに乗じて更に金銭を脅し取ろうと考え、令和2年4月下旬頃から同月25日頃までの間、鹿児島県内又はその周辺において、電話で、Gに対し、「Dに昔26万貸したって書いてる紙が見つかって、この26万返してほしいんだけど。」などと申し向けるとともに、「俺の連絡を無視するなよ。」、「26万今日中に払え。」などと語気鋭く申し向けて金銭の支払を要求し、もしその要求に応じなければ、G及びDの身体等にいかなる危害を加えるかもしれない気勢を示して脅迫し、Gをその旨畏怖させ、よって、同日、鹿児島県出水市(住所省略)J駐車場において、Dを介してGから現金26万円の交付を受けてこれを脅し取った。(令和4年2月9日付け起訴状記載の公訴事実第4) |