事件番号 | 令和3(ワ)4661 |
---|---|
事件名 | 損害賠償請求事件 |
裁判所 | 大阪地方裁判所 第18民事部 |
裁判年月日 | 令和7年4月22日 |
事案の概要 | 本件は、原告らが、本件収容場において、入国警備官らから、他の被収容者らと共に合計17名で定員6名の居室に24時間以上にわたり監禁されるなどの違法な加害行為を受け、精神的損害を被ったと主張して、被告に対し、国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項に基づき、それぞれ損害賠償金77万円及びこれに対する不法行為の終了日である平成30年6月18日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め、参加人が、Cから上記同様の請求権を譲り受けたと主張して、民訴法49条、47条1項に基づく権利承継人の訴訟参加をし、被告に対し、国賠法1条1項に基づき、上記同様の損害賠償金及び遅延損害金の支払を求める事案である。 |
判示事項の要旨 | 【判示事項】 大阪入国管理局の収容場において、入国警備官らが、定員6名の居室に被収容者ら17名がいる状態で同居室を施錠し、24時間以上にわたりこれを継続した行為等について、国家賠償法上の違法があったということはできないとされた事案 【判決要旨】 1 大阪入国管理局の収容場において、被収容者らが、入国警備官に大声で口々に不満を述べ、騒然とした状況を生じさせ、その後も鎮静化せず、開放処遇の終了時刻になっても、遵守事項に違反して本来の居室に戻らず、定員6名の居室に17名が集まり、入国警備官らが、被収容者らに対し、本来の居室に戻るように指示し、指示に従わない場合はそのまま各居室の扉を施錠する旨の告知をするなどの手段を尽くした後にその施錠をしたことなどの事情の下では、入国警備官らが上記の施錠をした行為について、国家賠償法上の違法があったということはできない。 2 大阪入国管理局の収容場において、定員6名の居室に被収容者ら17名がいる状態で同居室が施錠された後、約15時間にわたって、同居室内の被収容者らが、断続的に、扉を蹴りつけ、パイプ椅子で殴りつけるほか、入国警備官らに対し、大声で暴言を吐き、食器を投げつけるなどの行為を続け、その後も入国警備官らにとってそれが鎮静化したか否かが不明な状況が続き、その後、上記被収容者らを安全に本来の居室に戻すことができるだけの入国警備官の人数を確保するために上記の施錠の解除の直前までかかったことはやむを得なかったといえることなどの事情の下では、入国警備官らが、24時間以上にわたり上記の施錠を継続した行為について、国家賠償法上の違法があったということはできない。 |
事件番号 | 令和3(ワ)4661 |
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事件名 | 損害賠償請求事件 |
裁判所 | 大阪地方裁判所 第18民事部 |
裁判年月日 | 令和7年4月22日 |
事案の概要 |
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本件は、原告らが、本件収容場において、入国警備官らから、他の被収容者らと共に合計17名で定員6名の居室に24時間以上にわたり監禁されるなどの違法な加害行為を受け、精神的損害を被ったと主張して、被告に対し、国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項に基づき、それぞれ損害賠償金77万円及びこれに対する不法行為の終了日である平成30年6月18日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め、参加人が、Cから上記同様の請求権を譲り受けたと主張して、民訴法49条、47条1項に基づく権利承継人の訴訟参加をし、被告に対し、国賠法1条1項に基づき、上記同様の損害賠償金及び遅延損害金の支払を求める事案である。 |
判示事項の要旨 |
【判示事項】 大阪入国管理局の収容場において、入国警備官らが、定員6名の居室に被収容者ら17名がいる状態で同居室を施錠し、24時間以上にわたりこれを継続した行為等について、国家賠償法上の違法があったということはできないとされた事案 【判決要旨】 1 大阪入国管理局の収容場において、被収容者らが、入国警備官に大声で口々に不満を述べ、騒然とした状況を生じさせ、その後も鎮静化せず、開放処遇の終了時刻になっても、遵守事項に違反して本来の居室に戻らず、定員6名の居室に17名が集まり、入国警備官らが、被収容者らに対し、本来の居室に戻るように指示し、指示に従わない場合はそのまま各居室の扉を施錠する旨の告知をするなどの手段を尽くした後にその施錠をしたことなどの事情の下では、入国警備官らが上記の施錠をした行為について、国家賠償法上の違法があったということはできない。 2 大阪入国管理局の収容場において、定員6名の居室に被収容者ら17名がいる状態で同居室が施錠された後、約15時間にわたって、同居室内の被収容者らが、断続的に、扉を蹴りつけ、パイプ椅子で殴りつけるほか、入国警備官らに対し、大声で暴言を吐き、食器を投げつけるなどの行為を続け、その後も入国警備官らにとってそれが鎮静化したか否かが不明な状況が続き、その後、上記被収容者らを安全に本来の居室に戻すことができるだけの入国警備官の人数を確保するために上記の施錠の解除の直前までかかったことはやむを得なかったといえることなどの事情の下では、入国警備官らが、24時間以上にわたり上記の施錠を継続した行為について、国家賠償法上の違法があったということはできない。 |