事件番号 | 令和6(わ)156 |
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事件名 | 殺人幇助、死体損壊幇助、死体領得幇助、死体遺棄幇助被告事件 |
裁判所 | 札幌地方裁判所 |
裁判年月日 | 令和7年3月12日 |
事案の概要 | 被告人は、娘である分離前の相被告人Aが、⑴令和5年7月1日夜に殺害した上その死体の胴体から切り離し、同月2日午前3時頃、札幌市a区bc丁目d番e号の被告人方(当時)に運搬してきたBの頭部を、その頃から同月24日午前8時45分頃までの間、前記被告人方で継続して隠匿し、もって死体を遺棄し、⑵その間の同月7日午後8時18分頃から同日午後8時24分頃までの間、多機能ナイフを使用するなどして、前記頭部から右眼球を摘出し、もって死体を損壊した際、 1 Aが、前記⑴のとおり、被告人が所有し、かつ居住地である前記被告人方において前記死体を遺棄することを知りながら、前記⑴の間、同所において、これを容認し 2 同月7日午後7時32分頃から同日午後7時43分頃までの間に、妻である分離前の相被告人Cから、Aが、Bの頭部を置いている被告人方浴室においてビデオ撮影するよう求めているので、被告人においてビデオ撮影してほしい旨依頼されて、Aが同頭部を損壊するかもしれないと認識しながら、これを容認するとともに同依頼を応諾し、前記⑵の間、同所において、Aによる前記⑵の場面を自らビデオ撮影し もってAの前記各犯行を容易にさせて幇助した。 |
判示事項の要旨 | 正犯である被告人の娘がホテルの一室で被害者を殺害した上、その遺体の頸部を切断し、頭部を自宅に持ち帰って隠匿し、更に損壊するなどして死体を損壊、領得、遺棄した際、被告人がこれらの情を知りながら、娘に凶器等を提供し、自宅と犯行場所との送迎をし、死体の隠匿を容認し、自宅で死体損壊状況をビデオ撮影するなどしたとして起訴された殺人幇助、死体損壊幇助、死体領得幇助、死体遺棄幇助事件において、①正犯による殺人開始前から被告人に幇助の故意(正犯の犯行に対する認識)があったか、②死体遺棄幇助の成否の前提として正犯による死体遺棄がいつ終了したといえるか、③死体遺棄及び二度目の死体損壊に対する被告人の行為の幇助行為該当性等が争われ、①殺人、最初の死体損壊、死体領得及び死体遺棄の初期における幇助の故意は認められないが、②正犯による死体遺棄は警察官が自宅に臨場するまで継続しており、③死体遺棄及び二度目の死体損壊に対する被告人の行為はそれらを幇助したといえるとして、死体遺棄幇助、死体損壊幇助の限度で成立を肯定した事案 |
事件番号 | 令和6(わ)156 |
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事件名 | 殺人幇助、死体損壊幇助、死体領得幇助、死体遺棄幇助被告事件 |
裁判所 | 札幌地方裁判所 |
裁判年月日 | 令和7年3月12日 |
事案の概要 |
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被告人は、娘である分離前の相被告人Aが、⑴令和5年7月1日夜に殺害した上その死体の胴体から切り離し、同月2日午前3時頃、札幌市a区bc丁目d番e号の被告人方(当時)に運搬してきたBの頭部を、その頃から同月24日午前8時45分頃までの間、前記被告人方で継続して隠匿し、もって死体を遺棄し、⑵その間の同月7日午後8時18分頃から同日午後8時24分頃までの間、多機能ナイフを使用するなどして、前記頭部から右眼球を摘出し、もって死体を損壊した際、 1 Aが、前記⑴のとおり、被告人が所有し、かつ居住地である前記被告人方において前記死体を遺棄することを知りながら、前記⑴の間、同所において、これを容認し 2 同月7日午後7時32分頃から同日午後7時43分頃までの間に、妻である分離前の相被告人Cから、Aが、Bの頭部を置いている被告人方浴室においてビデオ撮影するよう求めているので、被告人においてビデオ撮影してほしい旨依頼されて、Aが同頭部を損壊するかもしれないと認識しながら、これを容認するとともに同依頼を応諾し、前記⑵の間、同所において、Aによる前記⑵の場面を自らビデオ撮影し もってAの前記各犯行を容易にさせて幇助した。 |
判示事項の要旨 |
正犯である被告人の娘がホテルの一室で被害者を殺害した上、その遺体の頸部を切断し、頭部を自宅に持ち帰って隠匿し、更に損壊するなどして死体を損壊、領得、遺棄した際、被告人がこれらの情を知りながら、娘に凶器等を提供し、自宅と犯行場所との送迎をし、死体の隠匿を容認し、自宅で死体損壊状況をビデオ撮影するなどしたとして起訴された殺人幇助、死体損壊幇助、死体領得幇助、死体遺棄幇助事件において、①正犯による殺人開始前から被告人に幇助の故意(正犯の犯行に対する認識)があったか、②死体遺棄幇助の成否の前提として正犯による死体遺棄がいつ終了したといえるか、③死体遺棄及び二度目の死体損壊に対する被告人の行為の幇助行為該当性等が争われ、①殺人、最初の死体損壊、死体領得及び死体遺棄の初期における幇助の故意は認められないが、②正犯による死体遺棄は警察官が自宅に臨場するまで継続しており、③死体遺棄及び二度目の死体損壊に対する被告人の行為はそれらを幇助したといえるとして、死体遺棄幇助、死体損壊幇助の限度で成立を肯定した事案 |