事件番号令和6(わ)54
事件名詐欺、有印公文書偽造等被告事件
裁判所大分地方裁判所
裁判年月日令和7年3月13日
事案の概要第1 被告人Aは、インターネットサービスの企画、開発及び運用等を目的とする株式会社Cの実質的経営者である取締役であり、被告人Bは、同社の代表取締役であるが、被告人両名は、
1 同社が公益社団法人D主催の「第16回大分県ビジネスプラングランプリ」において優秀賞を受賞し、大分県所管の大分発ニュービジネス発掘・育成事業費補助金交付制度の対象者に選出されたことに乗じて、同補助金名目で現金をだまし取ろうと考え、共謀の上、真実は、同社が開発した「子ども難病ナビ」システムのAI化に向けたディープニューラルネットワークの構築・開発業務を有限会社Eに委託し、同社に委託料を支払った事実はないのに、これらがあるかのように装い、令和元年9月12日頃から令和2年1月頃までの間に、大分県内又はその周辺において、行使の目的で、ほしいままに、パーソナルコンピュータを使用して、「子ども難病ナビ」システムのAI化に向けたディープニューラルネットワークの開発を内容とする「子ども難病ナビレファレンスシステムディープニューラルネットワーク開発仕様書」と題する書面に「有限会社E」と記入し、もって有限会社E作成名義の書面1通を偽造した上、同年1月30日頃、大分市 a 町 b 丁目 c 番 d 号所在の大分県商工観光労働部経営創造・金融課の担当職員に対し、メールでの送信又は窓口での提出のいずれかの方法により、前記補助金500万円の支払を請求する旨の内容を記載した補助金精算払請求書等とともに前記偽造に係る書面1通を真正に成立したもののように装って提出し、その頃、同課課長Fらに閲覧させて同書面1通を行使して、同人らをして前記補助金の請求が正当なものである旨誤信させてその交付を決定させ、よって、同年2月21日、大分県会計管理局会計課の担当職員をして、G信用金庫H支店に開設された株式会社C名義の普通預金口座に500万円を振込入金させ、もって人を欺いて財物を交付させ、
2 IoT、AI等の先端技術を開発又は活用する地域課題解決型プロジェクトを支援する大分県所管のおおいたIoTプロジェクト推進事業費補助金制度を利用して、同制度の補助金名下に現金をだまし取ろうと考え、共謀の上、真実は、同社が有限会社Eに対して医師向け医療レファレンスサービスにおけるAI開発と事業化に向けたAIチャットボット様式ディープニューラルネットワークの開発業務を委託した事実はないのに、これがあるかのように装い、令和元年9月頃から令和2年2月28日頃までの間に、大分県内又はその周辺において、行使の目的で、ほしいままに、パーソナルコンピュータを使用して、医師向け医療レファレンスサービスにおけるAI開発と事業化に向けたAIチャットボット様式ディープニューラルネットワークの開発を内容とする「AIチャットボット様式ディープニューラルネットワーク開発仕様書」と題する書面に「有限会社E」と記入し、もって有限会社E作成名義の書面1通を偽造した上、同日頃、前記大分県商工観光労働部の情報政策課の担当職員に対し、メールでの送信又は窓口での提出のいずれかの方法により、前記補助金1000万円の支払を請求する旨の内容を記載した補助金交付請求書等とともに前記偽造に係る書面1通を真正に成立したもののように装って提出し、その頃、同課課長Iらに閲覧させて同書面1通を行使して、同人らをして前記補助金の請求が正当なものである旨誤信させてその交付を決定させ、よって、同年3月31日、前記会計課の担当職員をして、J銀行K支店に開設された株式会社C名義の普通預金口座に1000万円を振込入金させ、もって人を欺いて財物を交付させ、
3 L株式会社から株式投資名目で現金をだまし取ろうと考え、共謀の上、真実は、株式会社Cが開発した「子ども難病ナビ」システムには、子供の難病に関する国内外の医療情報を人工知能を利用して収集・整理し、翻訳した上で提供する機能は備わっておらず、同システムを運用して子供の難病に関する情報を病院等に提供しておらず、同システムによる売上げもないのに、これらがあるかのように装い、同月頃から同年7月13日頃までの間に、L株式会社社員Mに対し、同システムには同機能が備わっている旨の内容虚偽の会社説明資料及び同システムの運用による病院等への売上げ等を記載した内容虚偽の決算報告書等を提出するなどした上、同月13日、大分市 ef 丁目 g 番 h 号N銀行O館所在のL株式会社において、被告人Aが、L株式会社の運用するL株式会社乙組合における投資の最終決定を行う投資委員会の投資委員であるL株式会社代表取締役P及び前記Mらに対し、同システムには同機能が備わっており、同システムを運用して子供の難病に関する情報を病院等に提供しており、同システムによる売上げを上げている旨のうそを言うなどして3000万円の投資を申し込み、前記Pらをしてその旨誤信させ、同月20日、同組合における同委員会において、同人ら投資委員の全員の賛成をもって同組合と株式会社Cとの投資契約の締結を決定させ、同年8月17日、前記L株式会社において、同組合に株式会社Cとの同投資契約を締結させ、同月20日、L株式会社社員をして、同投資契約に基づき、大分県臼杵市 ij 番地 kN銀行Q支店に開設された株式会社C名義の普通預金口座に3000万円を振込入金させ、もって人を欺いて財物を交付させ、
第2 被告人Aは、
1 医用及び医学生物学研究用薬剤の研究、開発、製造、輸出入並びに販売等を行う株式会社Rの代表取締役であり、同社の発行済株式の総数3000株のうち1600株を保有していたものであるが、同社が第三者割当ての方法により募集株式を発行するに際し、同社の発行済株式総数の過半数の保有を維持するため、募集株式数が1580株であり、そのうち900株を被告人A自身が取得したかのように装い、令和4年4月28日、大分市荷揚町7番5号大分地方法務局において、情を知らない株式会社S社員Tを介して、同局登記官に対し、真実は、募集株式数は680株であり、その全てを株式会社Uが取得したのに、募集株式数が1580株であり、そのうち900株を被告人Aが取得したかのような内容虚偽の株式会社変更登記申請書を、被告人Aが1株当たり6万2500円の金額の払込みを行ったかのように改ざんした預金通帳の写し等とともに提出して虚偽の申立てをし、前記登記官をして、即時、同所の公正証書の原本として用いられる電磁的記録である登記情報システムにその旨の不実の記録をさせた上、これを同所に備え付けさせて公正証書の原本としての用に供し、
2 同年7月17日頃から同月27日頃までの間に、大分県内又はその周辺において、行使の目的で、ほしいままに、パーソナルコンピュータ等を使用して、あらかじめ作成・保存していた大分県国東市内の小学校への抗菌コーティング及び除菌水の導入決定等の通知を内容とする株式会社V代表取締役W宛ての「抗菌コーティングならびに除菌水の導入について」と題する文書データを印刷した上、その記名押印欄に、真正な国東市長丙作成名義の書面の写しから切り取った「国東市長丙」「国東市長之印」の記名押印部分を貼り付け、これを複写し、もって同市長作成名義の「抗菌コーティングならびに除菌水の導入について」と題する文書1通(令和6年押第5号の1)を偽造した上、同日頃、福岡市 l 区 mn 丁目 o 番 p 号XビルY株式会社において、情を知らない同社マネージャーZを介して、前記株式会社V顧問甲に対し、前記偽造に係る公文書1通を、あたかも真正な文書の写しのように装って交付して行使した。
事件番号令和6(わ)54
事件名詐欺、有印公文書偽造等被告事件
裁判所大分地方裁判所
裁判年月日令和7年3月13日
事案の概要
第1 被告人Aは、インターネットサービスの企画、開発及び運用等を目的とする株式会社Cの実質的経営者である取締役であり、被告人Bは、同社の代表取締役であるが、被告人両名は、
1 同社が公益社団法人D主催の「第16回大分県ビジネスプラングランプリ」において優秀賞を受賞し、大分県所管の大分発ニュービジネス発掘・育成事業費補助金交付制度の対象者に選出されたことに乗じて、同補助金名目で現金をだまし取ろうと考え、共謀の上、真実は、同社が開発した「子ども難病ナビ」システムのAI化に向けたディープニューラルネットワークの構築・開発業務を有限会社Eに委託し、同社に委託料を支払った事実はないのに、これらがあるかのように装い、令和元年9月12日頃から令和2年1月頃までの間に、大分県内又はその周辺において、行使の目的で、ほしいままに、パーソナルコンピュータを使用して、「子ども難病ナビ」システムのAI化に向けたディープニューラルネットワークの開発を内容とする「子ども難病ナビレファレンスシステムディープニューラルネットワーク開発仕様書」と題する書面に「有限会社E」と記入し、もって有限会社E作成名義の書面1通を偽造した上、同年1月30日頃、大分市 a 町 b 丁目 c 番 d 号所在の大分県商工観光労働部経営創造・金融課の担当職員に対し、メールでの送信又は窓口での提出のいずれかの方法により、前記補助金500万円の支払を請求する旨の内容を記載した補助金精算払請求書等とともに前記偽造に係る書面1通を真正に成立したもののように装って提出し、その頃、同課課長Fらに閲覧させて同書面1通を行使して、同人らをして前記補助金の請求が正当なものである旨誤信させてその交付を決定させ、よって、同年2月21日、大分県会計管理局会計課の担当職員をして、G信用金庫H支店に開設された株式会社C名義の普通預金口座に500万円を振込入金させ、もって人を欺いて財物を交付させ、
2 IoT、AI等の先端技術を開発又は活用する地域課題解決型プロジェクトを支援する大分県所管のおおいたIoTプロジェクト推進事業費補助金制度を利用して、同制度の補助金名下に現金をだまし取ろうと考え、共謀の上、真実は、同社が有限会社Eに対して医師向け医療レファレンスサービスにおけるAI開発と事業化に向けたAIチャットボット様式ディープニューラルネットワークの開発業務を委託した事実はないのに、これがあるかのように装い、令和元年9月頃から令和2年2月28日頃までの間に、大分県内又はその周辺において、行使の目的で、ほしいままに、パーソナルコンピュータを使用して、医師向け医療レファレンスサービスにおけるAI開発と事業化に向けたAIチャットボット様式ディープニューラルネットワークの開発を内容とする「AIチャットボット様式ディープニューラルネットワーク開発仕様書」と題する書面に「有限会社E」と記入し、もって有限会社E作成名義の書面1通を偽造した上、同日頃、前記大分県商工観光労働部の情報政策課の担当職員に対し、メールでの送信又は窓口での提出のいずれかの方法により、前記補助金1000万円の支払を請求する旨の内容を記載した補助金交付請求書等とともに前記偽造に係る書面1通を真正に成立したもののように装って提出し、その頃、同課課長Iらに閲覧させて同書面1通を行使して、同人らをして前記補助金の請求が正当なものである旨誤信させてその交付を決定させ、よって、同年3月31日、前記会計課の担当職員をして、J銀行K支店に開設された株式会社C名義の普通預金口座に1000万円を振込入金させ、もって人を欺いて財物を交付させ、
3 L株式会社から株式投資名目で現金をだまし取ろうと考え、共謀の上、真実は、株式会社Cが開発した「子ども難病ナビ」システムには、子供の難病に関する国内外の医療情報を人工知能を利用して収集・整理し、翻訳した上で提供する機能は備わっておらず、同システムを運用して子供の難病に関する情報を病院等に提供しておらず、同システムによる売上げもないのに、これらがあるかのように装い、同月頃から同年7月13日頃までの間に、L株式会社社員Mに対し、同システムには同機能が備わっている旨の内容虚偽の会社説明資料及び同システムの運用による病院等への売上げ等を記載した内容虚偽の決算報告書等を提出するなどした上、同月13日、大分市 ef 丁目 g 番 h 号N銀行O館所在のL株式会社において、被告人Aが、L株式会社の運用するL株式会社乙組合における投資の最終決定を行う投資委員会の投資委員であるL株式会社代表取締役P及び前記Mらに対し、同システムには同機能が備わっており、同システムを運用して子供の難病に関する情報を病院等に提供しており、同システムによる売上げを上げている旨のうそを言うなどして3000万円の投資を申し込み、前記Pらをしてその旨誤信させ、同月20日、同組合における同委員会において、同人ら投資委員の全員の賛成をもって同組合と株式会社Cとの投資契約の締結を決定させ、同年8月17日、前記L株式会社において、同組合に株式会社Cとの同投資契約を締結させ、同月20日、L株式会社社員をして、同投資契約に基づき、大分県臼杵市 ij 番地 kN銀行Q支店に開設された株式会社C名義の普通預金口座に3000万円を振込入金させ、もって人を欺いて財物を交付させ、
第2 被告人Aは、
1 医用及び医学生物学研究用薬剤の研究、開発、製造、輸出入並びに販売等を行う株式会社Rの代表取締役であり、同社の発行済株式の総数3000株のうち1600株を保有していたものであるが、同社が第三者割当ての方法により募集株式を発行するに際し、同社の発行済株式総数の過半数の保有を維持するため、募集株式数が1580株であり、そのうち900株を被告人A自身が取得したかのように装い、令和4年4月28日、大分市荷揚町7番5号大分地方法務局において、情を知らない株式会社S社員Tを介して、同局登記官に対し、真実は、募集株式数は680株であり、その全てを株式会社Uが取得したのに、募集株式数が1580株であり、そのうち900株を被告人Aが取得したかのような内容虚偽の株式会社変更登記申請書を、被告人Aが1株当たり6万2500円の金額の払込みを行ったかのように改ざんした預金通帳の写し等とともに提出して虚偽の申立てをし、前記登記官をして、即時、同所の公正証書の原本として用いられる電磁的記録である登記情報システムにその旨の不実の記録をさせた上、これを同所に備え付けさせて公正証書の原本としての用に供し、
2 同年7月17日頃から同月27日頃までの間に、大分県内又はその周辺において、行使の目的で、ほしいままに、パーソナルコンピュータ等を使用して、あらかじめ作成・保存していた大分県国東市内の小学校への抗菌コーティング及び除菌水の導入決定等の通知を内容とする株式会社V代表取締役W宛ての「抗菌コーティングならびに除菌水の導入について」と題する文書データを印刷した上、その記名押印欄に、真正な国東市長丙作成名義の書面の写しから切り取った「国東市長丙」「国東市長之印」の記名押印部分を貼り付け、これを複写し、もって同市長作成名義の「抗菌コーティングならびに除菌水の導入について」と題する文書1通(令和6年押第5号の1)を偽造した上、同日頃、福岡市 l 区 mn 丁目 o 番 p 号XビルY株式会社において、情を知らない同社マネージャーZを介して、前記株式会社V顧問甲に対し、前記偽造に係る公文書1通を、あたかも真正な文書の写しのように装って交付して行使した。
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