事件番号令和6(わ)831
事件名道路運送車両法違反、過失運転致傷事件
裁判所札幌地方裁判所
裁判年月日令和7年4月24日
事案の概要第1 被告人両名は、共謀の上、令和5年10月28日、札幌市a区bc番地d所在の被告人B管理の敷地内において、有効な自動車検査証の交付を受けている被告人B所有の軽自動車(車台番号××○○×-○○○○○○)について、かねて車軸にワイドトレッドスペーサーを装着していた同車にホイール付きマッドタイヤを装着するなどの方法により、左前輪タイヤを約2.2センチメートル、右前輪タイヤを約3.5センチメートル、左右後輪タイヤを約2.5センチメートルそれぞれ突出させて装着し、タイヤ回転部分が突出する改造をし、もって当該自動車が保安基準に適合しないこととなるものを行った。
第2 被告人Aは、同年11月14日午後1時10分頃、同区ef丁目g番先の被告人B方敷地内において、かねて前記第1記載の軽自動車(普通乗用自動車)を運転中にその前輪の足回りに異常を感じていた同人から、その異常を伝えられるとともに、同車の点検を依頼された。このとき、同車は左前車軸に装着されたワイドトレッドスペーサーのハブボルトと左前輪タイヤの締結に用いるホイールナットが適切に締められていない状態であったところ、被告人Aは、前記第1記載のとおりタイヤ回転部分が突出する改造が施された同車につき被告人Bから前記異常を伝えられたのであるから、同車の運転を差し控えるべきはもとより、同車を運転するのであれば、走行中にタイヤを脱落させることがないよう、各タイヤのホイールナットに緩み等がないか、目視及び点検ハンマなどを使用して点検した上で運転をすべき自動車運転上の注意義務があった。しかし、被告人Aは、これを怠り、その頃から同日午後1時33分頃までの間、同所から前記第1記載の前記被告人B管理の敷地内、同敷地周辺の土地内及び前記被告人B管理の敷地内を順次経由し、同区hi丁目j番先路上に至るまでの間において、前記点検をすることなく、前記左前輪タイヤに係るホイールナットの緩みに気付かないまま、漫然と同車の運転を繰り返し、かかる過失により、その頃、同路上をk方面からl方面に向かい時速約54ないし68キロメートルで進行中、同タイヤを脱落させて同所左側歩道に同タイヤを逸走させ、折から同区mn丁目о番先歩道上をl方面からk方面に向かい歩行していたC(当時4歳)に同タイヤを衝突させて同歩道上に転倒させ、よって、同人に回復見込みのない呼吸筋を含む四肢体幹の完全麻痺を伴う頚髄損傷等の傷害を負わせた。
判示事項の要旨被告人2名が共同で車両を不正改造したとして起訴され、更にうち1名につき同車両を運転するにあたって点検等をすべき注意義務を怠り、運転中にタイヤを脱落させて被害者に衝突させ重傷を負わせたとして起訴された道路運送車両法違反、過失運転致傷事件で、運転をした被告人の量刑判断において、タイヤ脱落の原因となった事情等を検討した上で酌量し、刑の執行を猶予した事案
事件番号令和6(わ)831
事件名道路運送車両法違反、過失運転致傷事件
裁判所札幌地方裁判所
裁判年月日令和7年4月24日
事案の概要
第1 被告人両名は、共謀の上、令和5年10月28日、札幌市a区bc番地d所在の被告人B管理の敷地内において、有効な自動車検査証の交付を受けている被告人B所有の軽自動車(車台番号××○○×-○○○○○○)について、かねて車軸にワイドトレッドスペーサーを装着していた同車にホイール付きマッドタイヤを装着するなどの方法により、左前輪タイヤを約2.2センチメートル、右前輪タイヤを約3.5センチメートル、左右後輪タイヤを約2.5センチメートルそれぞれ突出させて装着し、タイヤ回転部分が突出する改造をし、もって当該自動車が保安基準に適合しないこととなるものを行った。
第2 被告人Aは、同年11月14日午後1時10分頃、同区ef丁目g番先の被告人B方敷地内において、かねて前記第1記載の軽自動車(普通乗用自動車)を運転中にその前輪の足回りに異常を感じていた同人から、その異常を伝えられるとともに、同車の点検を依頼された。このとき、同車は左前車軸に装着されたワイドトレッドスペーサーのハブボルトと左前輪タイヤの締結に用いるホイールナットが適切に締められていない状態であったところ、被告人Aは、前記第1記載のとおりタイヤ回転部分が突出する改造が施された同車につき被告人Bから前記異常を伝えられたのであるから、同車の運転を差し控えるべきはもとより、同車を運転するのであれば、走行中にタイヤを脱落させることがないよう、各タイヤのホイールナットに緩み等がないか、目視及び点検ハンマなどを使用して点検した上で運転をすべき自動車運転上の注意義務があった。しかし、被告人Aは、これを怠り、その頃から同日午後1時33分頃までの間、同所から前記第1記載の前記被告人B管理の敷地内、同敷地周辺の土地内及び前記被告人B管理の敷地内を順次経由し、同区hi丁目j番先路上に至るまでの間において、前記点検をすることなく、前記左前輪タイヤに係るホイールナットの緩みに気付かないまま、漫然と同車の運転を繰り返し、かかる過失により、その頃、同路上をk方面からl方面に向かい時速約54ないし68キロメートルで進行中、同タイヤを脱落させて同所左側歩道に同タイヤを逸走させ、折から同区mn丁目о番先歩道上をl方面からk方面に向かい歩行していたC(当時4歳)に同タイヤを衝突させて同歩道上に転倒させ、よって、同人に回復見込みのない呼吸筋を含む四肢体幹の完全麻痺を伴う頚髄損傷等の傷害を負わせた。
判示事項の要旨
被告人2名が共同で車両を不正改造したとして起訴され、更にうち1名につき同車両を運転するにあたって点検等をすべき注意義務を怠り、運転中にタイヤを脱落させて被害者に衝突させ重傷を負わせたとして起訴された道路運送車両法違反、過失運転致傷事件で、運転をした被告人の量刑判断において、タイヤ脱落の原因となった事情等を検討した上で酌量し、刑の執行を猶予した事案
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