裁判所判例Watch

メニュー

カテゴリー

アーカイブ

データベース検索

総合裁判例集

Amzaon売れ筋ランキング

カテゴリー > 総合裁判例集 (静岡地方裁判所 ; アーカイブ : 平成22年10月 ; 降順 ; 裁判年月日で整列)

裁判年月日順 | データ登録日順 | 参照数順

1

前のページ | 次のページ

事件番号/事件名裁判年月日/裁判所判決書
[下級] [刑事] 平成21(わ)451  1447ViewsMoreinfo
殺人被告事件
平成21(わ)451
裁判員裁判
犯人性を争った被告人に対して,凶器の電気コードや被害者の両手等から検出されたDNA型の鑑定結果等を総合考慮して殺人罪の成立を認め,懲役13年を言い渡した事例
判示事項の要旨
平成22年10月29日
静岡地方裁判所 浜松支部 刑事部
詳細/PDF
HTML/TEXT
[下級] [刑事] 平成21(わ)515  1400ViewsMoreinfo
殺人被告事件
平成21(わ)515
本件は,ICD-10やDSM-Ⅳ-TRに定められたPTSDの基準,すなわち「戦争,災害,犯罪被害などの甚大な心理的ダメージがあった」という基準を満たすものではないが,鑑定人丁の提示する「甚大なダメージとまではいえないが,虐待やDVなどの心理的ストレスが長期間断続した」という基準を満たしている。鑑定人丁によれば,上記基準を満たせばPTSDに該当するとの学説も有力であり,臨床例も多数ある。被告人は,PTSDと同様の精神状態にあったと認めるのが相当である。なお,検察官は,被告人が平成21年8月18日以前から被害者との無理心中を意識していたことが強くうかがわれると主張する。しかし,被告人が本件以前に自殺を企図したことはなく,被告人が無理心中を意識していたとの明確な証拠はないのであって,本件犯行が8月18日以前からの計画的なものとは認められない。(2) 是非善悪の判断能力及びこれに従って行動を制御する能力について① 犯行の動機についてみると,被告人は,Bから離れて自立する道を選択しようとしていたところ,Bから2度にわたり電話で罵倒され,結局,Bから逃げることができないと思い込み,Bの前から消えたいと思って,被害者を道連れにした拡大自殺を図った,というものであり,一見,動機が了解可能であるようにもみえる。しかし,被告人は,平成21年6月に市営住宅への入居を申し込んでBからの自立を考えていたものであり,600万円の預金もあることなどの事情を考慮すると,被告人が,Bから電話で罵倒されたというだけで,被害者を殺害して自殺を図るというのは,その経緯に大きな飛躍があるのであって,犯行動機が了解可能であるということはできない。また,被告人は,精神科への通院歴もなく,被害者を慈しみ育てながら,日常生活に支障をきたすこともなかったのであって,8月18日,19日のBからの電話を契機として,突然,被害者を殺害したという本件犯行は,平素の被告人の人格から考えると異質なものであるというべきである。② 他方,被告人の抑うつ状態が中等度であったこと,被告人は,乙等に対し遺書を書いたり,部屋が汚れないようにビニールシートを敷いたり,自殺を図った後,乙に連絡したりするといった合理的な行動をしていることなどを考慮すると,被告人は,精神障害であるPTSDに基づく抑うつ状態の強い影響を受けて,本件犯行に及んだと評価できるものの,抑うつ状態の圧倒的な影響によって犯行に及んだとは評価できない。また,被告人がもともとストレス処理の未熟な人格であることを考慮しても,PTSD,フラッシュバック,それに引き続く抑うつ状態という精神状態の質的変化がなければ,本件は発生しなかったもので,被告人のもともとの人格に基づく判断のみによって犯したものであるということもできない。そうすると,被告人は,本件犯行当時,心神耗弱の状態にあったが,心神喪失の状態にはなかったことが明らかである。本件犯行当時,被告人が心神喪失の状態にあったという弁護人の主張は,採用することができない。(量刑の理由)本件は,PTSDにより希死念慮を伴う抑うつ状態にあった被告人が,実子である当時6歳の被害者と心中しようとして,被害者を紐で絞め殺したという事案である。
事案の概要
平成22年10月21日
静岡地方裁判所 刑事第1部
詳細/PDF
HTML/TEXT

前のページ | 次のページ